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汗がにじむのは、暑いからだけじゃない。
いつもよりも近くに来ている、小町のせいで。

頭がぼんやりするのは日射病じゃない。
俺の手を掴んだ小町の体温が伝わるからで。

心拍数は過去最大のふり幅を記録。このままでは倒れる。

「店。閉めたんだねえ。」小町のぼんやりした声で我にかえった。

シャッターが下りたままの小さな店。
そのシャッターも汚れていて、最近閉めたようではなさそう。
時が過ぎたんだなあ。
あの頃は元気だったおばあちゃん。今はどうしているのかな。
せっかく素敵な気分だったのに、センチな空気に包まれてきた。
蝉は相変わらず煩い。
でも小町は黙っていた。
「小町、コンビニでも花火は売ってるよ?」
「・・後ろに乗せてよ。暑くてもう耐えられない・・。」
なんだ?小町もセンチな空気のおかげで昔にトリップしてると思ったら。
・・暑い暑いて。俺だって暑いんだよ。

でも言うことをなんでも聞きたいから、自転車をこぐ。
ここが俺の間抜けなところなんだよなあ・・。
「ひかり。背中に汗かいてる。」
「暑いもん。」
「ひかりも暑いの。」
「誰だって、真夏は暑いよ・・。小町だけじゃないよ・・。」
「だからそんなに赤い顔してたの?」
「・・違うよ。」
「ふうん。」
聞けよ!もっとこう・・どうして、とか!!
そうしたら、言えるのに。
もう一回、ちゃんと言えるのにさ。

「俺のことがそんなに好きなのかと思った。」

あたりだよ、大正解だよ!!
きゅうううっとブレーキかけて、自転車を止めた。
「・・なに。」
訝しげな小町の声。
もう負けないよ。
息を吸って。振り返った。
「俺は、小町が好きだから。男同士だけど、・・本気の恋なら許してくれる?」
「はあ。さっきからそればかり・・。」
小町は俺の胸倉を掴んだ。
「あのさ。・・意識しすぎでしょう。そんなことばかり叫んでいるなら、隣を歩かないよ。」
あ、しまった。ご機嫌損ねた?強気なんだ。
お人形みたいにかわいいくせに、怒らせると怖いんだもんな。
「そんなにかわいい顔して。そんなに俺が好き?」
かわいいのはおまえだ!!
小町の瞳に俺が映ってるのかなあ。
綺麗な黒い瞳に見惚れていたら、唇に何かが触れた。
睫があたる・・・???


俺の初恋は叶っていたんだ。
柔らかい唇が俺に触れて、本気の恋を成就させてくれたんだ。


「あの・・小町、」
「帰ろう。西瓜が食べたい。」
照れてる俺とは対照的に、平然とした小町を後ろに乗せたまま、俺はまたペダルを漕ぐ。
一瞬の花火で終らせない。どうかこの恋を持続させて。

小町の家に帰ると、とたんに俺は気まずくなった。
そうだった。ふたりっきりだった・・。
小町は平然としてるけれど・・俺は穏やかじゃない!
だってだって・・!!
じたばたしている俺を通り過ぎて、縁側に腰かけた小町が平然と命令する。
「西瓜。」
「切ればいい・・?」
小町に顎で使われながら、幸せな気持に満たされてしまうのは何故だろう?
坂道を自転車で駆け下りるようなスリル。
このふわふわした感覚。
できることなら、この恋を大事に育てていきたいのだけど。

「ひかり。1/2でいい。それを大きなスプーンで食べてみたかったんだ。」
「おなか壊すよ?」
「平気。」
「ていうか、飽きるでしょう?」
「あと食べて。」
「・・はい。」

ああ。これが女の子だったらなあ。お嫁さんにも出来るのに。
男同士なんて。いつまで一緒にいてくれるんだろう。
いつかは彼女ができて。結婚したり・・。

「花火は明日やろうよ。今日は・・ひかりと話がしたい。」
「え!なんの話?」
「なんでもいうこと聞くんでしょう?なにを叶えて貰おうか。」
大きなスプーンを銜えて、小町が遠くを見てる。

「かなえられるものにして。」
俺は西瓜1/2をラップしながら聞いた。
蝉がまた鳴きだして、そっちに神経を集中させてしまって・・聞き逃した。
途惑う俺に、小町が微笑んでいた。
「聞いてない。それじゃ永遠にかなえられない。」
「ごめん、もう1回!」

小町が俺の耳元で囁いた。
いつまで一緒にいられるのか、聞きたかった俺に答えをくれた。
またしても鼓動が早鐘。このままでは心筋梗塞。

「かなえられるように努力しなよ。」

  


    おしまい。長くなってすみませんでした~。

    読んでくださって、ありがとうございます!!




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小町は全然表情が変わらないのに、俺は顔が赤くなっている、絶対そう。
だって、ものすごく暑いんだ・・。
どうしよう、泣くかもしれない。


「西瓜も好き。」

は?

「もう冷えてるよ。早く帰ろうよ。」

はあああ??
俺と西瓜は同じレベルなのですか!!

「小町!あのさあ!」
「ああ。花火だったね。早く行こう。もう暑くて耐えられない・・。」
小町が、すたすたと歩いて行く。
いくら暑いからって。西瓜が食べたいからって。

ひとの告白をさらりと流すなよ!!

お祭りに押されてここまで来たのに。なんだよ、もう。
俺の純情は、本当に真夏の花火だ。
打ち上げておしまい。そんなのありかよ・・。
自転車を引きずりながら、祭の屋台から離れて小道に入った小町のあとを追う。
ぼうっとしてる割に、こういう細い道はネコのようにすたすた歩くんだ。
この細い道は久しぶり。ずいぶん前に、小町と浴衣を来て歩いたなあ。
この道を抜ければ、さびれた駄菓子屋があるはず。
変わっていなければいいなあ・・。

「ひかり。」
「わっ。・・なんだよ。いきなり振り返るなよ。」
思い出に浸っていた俺は、突然振り返った小町に本気で驚いた。

「初恋は叶ってるよ。」

「は・・?」

細い道の両側にはどんぐりの木が生い茂り。
まぶしいほどの緑色の葉が影を作って。
小町の瞳が、いつもより濃くみえた。
じいいんじいんと鳴く蝉の声。
夏の風物詩に俺は騙されているんじゃないの?


「聞き返しても、二度は言わない。」
え~~!!

「え、ちょっと待ってよ小町!」ここで逃がしたらなにも変わらない!

ごめん、お願い、なんでも言うことを聞くから。もう一回聞かせて!」
謝るのもどうか。とは思う。
でもでも、この機会を生かさないと俺の明日は永遠に来ない。

「なんのことかわかんない。」
ああ。どうしてこんなに早く気が変わるの。
がっくり肩を落とした俺に、

「その顔。初めて会ったときと同じ。なにも変わらないね、ひかり。」
「・・変わらないよ。」
半ばヤケだ。息を吸い込んで、蝉に負けない声を出してみようとした。

ずっと、」

同じ気持だよ。」

小町は俺の片手を掴んで、駄菓子屋に向って歩き出した。
俺は・バランス崩しながら自転車をひきずって。
よくわからない浮遊感があるんだけど。
なんですか、これは。
同じ気持って、なんですか?・・期待してもなあ・・。
でも・・小町。
俺の手を掴んでくれたのは初めてだよね。









いつもなら照れて言えないことだった。
嫌われるのが怖くて、口に出せないままここまで来たんだし。
でもこの懐かしいいお祭りが俺を応援してくれた。
蝉の声が聞こえる。
子供たちの下駄のからころする音。
リンゴアメの甘い匂い。
あの頃とは違うから。
あの頃よりも。

そばにいたいから。

「俺をどうしたいの。」
小町が聞いてきた。
怒っているわけでも、困った様子でもなくて。
<今日の晩御飯なににする?>みたいな聞き方で。
「どうしたいって・・。よく考えていなかった。」
「そばにいたいんでしょう。今でもそうなんだけどさ。
俺のそばには、最初からひかりしかいないのに。
これ以上、どうしたいんだよ。」
小町の言うことはもっともだ。
俺もよくわからないけれど、でも。でも。

「小町が好き。これは伝えなくちゃと、ずっと思っていたんだ。」

「最初からそうじゃん。ひかりの初恋は俺でしょう。」

小町が平然としている。確かにそうだけど。初恋は小町だけど。
「そのままなんだ。そのまま、実らないまま、ここまできてるんだ。」

すれ違う親子連れに聞かれてもいい。
指を指されても構わない。
俺は、どうにかして伝えたい。わかって欲しい。

「俺も好き。」


そばにいた子供の水風船が地面に落ちて、ばしゃんっと割れた。
「あ~あ~。ちゃんと持っていないからよ。」
お母さんが笑いながら子供をなだめる。
後ろからは大人の威勢のいい声。
「金魚すくいはこっちだよ~!お兄さん、やっていかない?」


「え。」

「ひかりが好き。」


こころのなかで、花火が破裂した。
小町が俺を見ている。
ぼうっとしているのかと思ったけど、違った。
お祭りにはしゃぐ子供の声が俺たちを遠巻きにしている。
生ぬるい風が通り抜ける。
何か悪い事を言ったのかな、小町を見るのが怖くなる。
俺は。

「いつも一緒にいたよ。何を今更。」
小町は笑わずに言う。
「俺はこのまま、小町といたいんだ。それは、おかしいかな・・。」
「おかしくないんじゃない?」
違うんだよ、小町の気持が聞きたいんだよ。
喧騒に背中を押されて、俺はようやく言えた。

「小町のそばにいたいんだ。」

小町がすぐになにか言い返すと思った。
でも何も言わなかった。
俺たちのそばを、綿菓子を持った子供が駆けて行く。
その子のおこした風が、小町を揺らすようだ。
髪の毛がふわっとなびいた。
その髪の毛の色と同じ黒い瞳には、なにが映っているだろう・・。

自分でもおかしいことをいってるのはわかるんだ。
男なのに・・男なのに。でも、

「ずっと、そばにいたいんだ。」

小町が困るかもしれない。
いや、怒り出すかもしれない。
そう頭をよぎったけれども勢いがついていた。
浴衣を着た子供の姿が増えていく。
保護者の大人たちも楽しそう。
見詰め合う俺たちは、視界に入っているだろうに。
黙っていてくれてありがとう。

しゅっしゅっ。
水風船をつくる屋台のおじさんの動作も気になる。
金魚すくいも気になる。
こんなにお祭りムードいっぱいの中で・・俺はやけに高揚していた。

お面を指差す子供がいる。
あの頃のままじゃいやだ。
俺はそう思ったんだ。

小町が困ろうと何だろうと、俺は。

「小町が好きなんだ。」



商店街へ抜ける道は細くて、ひとがふたり並んで歩いたらいっぱいいっぱい。
そんな細い道に、浴衣を着た子供が親に連れられて歩いている。
誰もかれも笑顔。見ているとこころが和む。

俺も昔は浴衣を着た小町と来たのにな。
手を繋げなかったけれど。ものすごく楽しくて。
何をしてても一緒。それがいいんだ。
あの頃よりも大きくなっているけれど、想いはそのまま繰り越してる。

俺は小町が好き。
守りたい。
その気持ちを告げられないまま傍にいて。
距離が縮まらないまま。俺は言葉を伝えていない。

言えるわけもないんだよね。
ここまで幼馴染できて、いきなり告白もない。
ましてや男同士だし。
小町がいくらお人形のように可愛くてもだよ。

自転車では、もう前に進めなかった。
降りることにしよう、「小町、」声をかけたら小町も観念したらしく。
さっと降りて周りを見ている。
「わたあめだ。」
好きじゃないくせに、よく欲しがっていたなあ・・。
「いつも食べなくて、俺が食べたなあ。」
「ひかりが食べていたの?凄いね。あんなに甘いもの。」
「・・小町が食べないからだろう・・。」
「あ・そう。」
小町は悪びれもしない。
また出店を眺めて、「金魚」とか「水風船」とか単語を繰り返す。


出店もなにも変わらない。
俺と小町の距離も変わらない。
縮まりたくても、言葉が続かないんだよね・・。

「スノーボール」
小町が立ち止まった。

ああ、よく食べたなあ。まんまるいカキ氷。

「よくこぼしたね。ひかりが。」
「そうか・・?」
「おばさんが怒っていたもん。服に色がつくと落ちないって。」
あの頃は遠くなって。
目の前の小町はこんなに傍にいて。

「小町。ずっと一緒にいたんだよね。」

ちりん・・。
縁側の風鈴が鳴った。
夕焼けの空はオレンジ色。まるで光に包まれているようだ。
長いこと、夕焼けの空を見ていなかったな。
「どこかで火事?」
「・・違うよ。夕焼けだよ。」
「ふうん・・。こんな色だったんだね。」
「縁側で見たりしないのか?」
「・・見ないね。ほんと、久しぶり・。」
「いつぐらいから見ていないんだろう。」

「昔、ひかりと一緒に花火をしたくらいから・・。見ていないな。」

小町が夕焼けの空を見上げながら呟いた。

「それってだいぶ前じゃない?」
下手したら5.6年は・・。
「そうだね。最近は花火もしない。」
オレンジ色の光が小町を優しい表情に見せる。
ああ、こんなに温かな雰囲気になっていてくれたら。

「花火やりたい。」

「買ってくるよ!」
思わず立ち上がった。
「俺も行く。」
「え。」
「一緒に行こう。」
「あ。・・うん。」

夕焼けのオレンジ色が、だんだん濃い灰色の雲に覆われていく。
そんな空だけど、わくわくしてしまうのは何故だろう。
小町と出かけるのも久しぶり。
そこのコンビニまでだけど、すごく嬉しい。
「ひかり。商店街のさびれた駄菓子やさんに行こうよ。
あそこなら花火ばら売りしてるから。」
「あ。ああ!そうだね、そうそう。昔、よく買いに行ったね。」
・・・でも自転車か。
汗かくなあ・・ま、いいか。

ちゃっかり小町を後ろに乗せて、商店街へ向う。
「あ、いけない。今日はお祭りだよ。」
この近道も、歩く人で埋め尽くされているかもしれない。
迂回するか?
「そうなんだ。じゃあ、見て行こうよ。」
行けってか。
「すすめないかもよ。」

「見たい。」

「はい・・。」



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