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 悠は陽向の両足を抱え込むと、大きく腰を揺らして肌の触れ合う音を陽向に聞かせた。
「あっ、あ・あ」
 陽向は思わず悠に手を伸ばす。
しかしつかまるところがない、その手は自分の膝をつかんだ。
「ゆ、悠!」
「中に入ったら結構動けるものなんだな、これはいいかも」
 悠はいたずら小僧のように舌先を見せると、更に強く腰で陽向を押してみる。
「ああっ、や、やだっ!」
 陽向は押されるたびに、のぼせたような感覚を味わう。
意識が飛びそうなのだ。
「これだけで嫌がられても、止まんないし」
「や、やだぁ!悠、怖いよ」
「怖くないって。俺を信じて膝を抱えていなよ、もっと擦るから」
 悠は陽向の顔を見ながら微笑んで見せる。
余裕があるその表情に陽向が徐々に力を抜き始めた。

「いいね。もっと俺のことだけ考えていなよ」

 悠は恥かしがって首を振る陽向から目を離さずに抜き差しを始めた。
「やっ・や。ううん、悠、悠!」
 次第に陽向の秘部の締め付けが弱まり、すっかり悠を受け入れた。
悠がどんなに強く差し込んでも「ううんっ」と喘ぎながら陽向は受け入れる。
そして熱い視線を悠に投げかけるようになった。

「もっといきたい?」
「うん…」

 悠の問いかけに陽向はうなづく。
「そうか」と悠はつぶやくと力強く抜き差しを続けた。
 茎はスムーズに進み陽向中を突いては擦る。
「は、熱いなー」
 悠は息を乱しながらも陽向の中で暴れた。
「あ、あああ、壊れちゃうよ、悠!」
「そうかな」
「やっ、ここまで来てる。あ、もう…悠、悠ぅ!」
 またしても陽向の茎が爆ぜて、精が飛び散った。
精を放った陽向は全身の力が抜け、膝をつかんでいた手もだらりと床を指した。
 大きく呼吸をする陽向を見て悠も力強く押し込むと中で爆ぜた。
悠が茎を抜くと秘部から白い精がとろりと流れてくる。
「悠…なんか気持ちよかった」
「そういわれると嬉しい。ありがとう」
 2人は見詰め合うとキスを交わした。

「あんなに気持ちがいいのは愛情があるから?」
 身支度をしている悠に陽向が問いかけた。
「その…襲われたときよりも茎を感じたし、嬉しかった」
「そう?」
 悠は見返ると微笑んだ。
「俺が陽向が好きだからじゃない?だから無茶はできないし」
「僕もそうだよ?悠が好きだよ?」
「じゃあ、そういうことじゃない?」
 意外にあっさりとしている悠に陽向は不安を感じた。
「僕としたことを悔やまない?」
「質問だらけだなー。悔やむようなことはしていないよ、ただこれからは普通の親友とは呼べないか」
 悠は自分の言葉に吹き出した。
「気持ちよく抱けちゃったから」
 陽向はその言葉に安堵した。
そして「僕は悠の何になれる?」と、また問いかけた。
 呆れた悠は陽向の身支度を手伝いながら頬に触れた。
「自信持てって。俺の顔色ばかり伺うなよ。陽向はどうしたいんだ?」
「…わからないけど」
「なんでも言ってごらんよ」
「恋人、がいい」
 陽向は勇気を振り絞った。
そのせいで頬に赤みが差し、丁度窓辺から差し込む夕陽に溶け込みそうだった。
「む、無理かな」
 陽向は自分のシャツのボタンを掛けてくれている悠の顔を覗き込んだ。
気持ちを言ったはいいが、反応が怖いのだ。
ここで突き放されたらどうしようと陽向は不安だった。
「悠…」
 声がか細くなる。
 しかし悠は表情を変えなかった。
「いいね、そうしようか」
「へっ?」
「陽向は1人でいると隙だらけで危なっかしいからな」
 ほら、と悠が陽向の袖口をとらえた。
ボタンを掛け忘れていたのだ。
「俺は陽向と付き合う。これからは俺が護るから、他の奴につかまるなよ?」
「…うん!ありがとう」
 陽向は視界が歪むのを感じた。
「よ、よく見えないや」
「泣くなよー、こんなことで」
「こんなことじゃないよ、嬉しいんだ」
 よしよしよ、悠は陽向の頭を撫でた。
そして「早く泣き止めよ、一緒に帰れないぞ?」と笑いながらなだめた。


 すっかり暗くなった歩道を2人は並んで歩いた。
「帰りが遅くなったから家に連絡しておけよ」
 悠が片手で電話をかける振りを見せながら陽向に言う。
「そうだね」
 陽向は携帯を取り出すと「なんて言おう」とつぶやく。
「そこは悩むところなのか?」
 悠が呆れていると「好きな人と一緒にいたって言おう」と、とんでもないことを言い出した。
「まー…。好きにして」
「そうする!」
 陽向が意気揚々と連絡をしているさまを見ながら、悠は満たされた気持ちがした。
前から陽向のことは気に入っていた、話が合うし悩みも打ち明けられる貴重な親友だった。
それが親友の枠を飛び越えて抱きついてきたのは驚いたが、悪くない。
「愛・かなー」
 悠の独り言は風が聞いて駆け抜けて行った。


終わり


読んでくださってありがとうございました



 
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「任せろって…悠は僕以外で誰かを抱いたことがあるの?」
「ないよ」
 悠はそれでも自信ありげに微笑んだ。

「全部脱げよ」
「あ、うん」
 陽向は胸の鼓動の高鳴りを覚えながら、1度悠の体から離れると下着ごとボトムを脱ぎ去った。
そしてまた悠の体に乗ろうとするが下半身が丸出しの状態なので恥かしく、
シャツの裾と両手で股間を隠しながらおそるおそる悠の体に乗った。

「あー。頭が下がる」
 悠は器用に隣の机を引き寄せて体を乗せた。
机2台を合わせたので、先程よりも安定感がある。
「陽向。開脚しろ」
「えっ」
「恥かしいとか言うなよ?そうしないと何もしてあげられないんだから」
「そ、そうなんだ…」
 陽向は1度石原に強姦されたせいなのか、ここにきて消極的だ。
自分から誘っておいてもじもじする姿に悠は我慢を強いられる気がした。
せっかく自分もその気になったのにと、悠はため息をつく。
「ど、どうかした?」

「あのさ。きっと俺は怖くないよ?」
 
 悠は陽向に笑顔を見せた。
「だんだんその気になってきたのは事実だけど、乱暴するつもりはないんだ」
 陽向はシャツの裾から手を離した。
「信じるよ」
 陽向は少しずつだが足を開いた。
おかげで悠には陽向の濡れた茎と白く汚れたヘアーがよく見える。
「秘部も濡れているじゃないか。精?」
「こぼれたかも…」
「丁度いいや」
 悠は自分のジッパーを下ろして茎を取り出した。
「わ、大きい…」
 陽向が目を丸くするほど悠の茎は太かった。
しかも勃起しているので、その大きさに陽向は生唾を飲んだ。
「待たされて限界を感じちゃった。陽向、これをおまえの秘部に入れられる?」
「えっ?」
「やってごらんよ。多分できる」
 陽向は悠の茎をつかむと、自分の秘部に当ててみた。
すると「痛い!」と叫び、悠の茎を握り締めてしまう。
「ウッ!」
「ご、ごめん!でも、でも怖いんだ、あのときみたいに…」
 取り乱した陽向を見て、悠は手を伸ばしてその頬を撫でた。
「…強姦されたことを思い出したなら今日は止めてもいいよ」
「そんなことを言わないでよ、僕は…抱かれたいんだ」
 陽向は目に涙をにじませながら悠の茎を自分の秘部に再度当てた。
「…い、痛いけど我慢する」
「無理なら止めておけよ」
「大丈夫、きっと上手くいくから…」
 そしてぐんと茎を進ませた。
「…ああっ!ん、い、痛いっ!」
「でも先端が入ったぞ?」
「く、苦しい」
「わーかった。そのまま俺の体に重なれ。後は俺がやる」
 言われるままに陽向は悠の体に圧し掛かった。
すると悠は陽向の腰をつかんで安定させると、自分の腰を動かして茎を更に奥へと進ませた。
「あ・あ・あ…」
 まるで串刺しにされたかのように陽向は体を反らす。
「いいね。なんだかそそる」
「はあ、き・きつくない?」
「きつくても入れちゃうよ。ここまで来たらお互い離れられない」
 悠は自分の体に熱い息を吐く陽向を見ながら、腰に力を入れた。
「ウッ、ぐ・ぐうう…」
「あと半分」
「や、す・凄い…悠の茎は半端ないね」

「そう?あーよく言われるかも」
 
 悠の不用意な言葉を受けて、急に陽向が顔を上げた。
「誰か抱いたの?」
「女だよ。この年で童貞はないだろう?」
「僕は経験がないのに」
「だろうなあ…可愛い顔をして奥手っぽいから」
 悠は吹き出しながら額に汗を浮かべていた。
陽向の中がキツイのだ、なかなか進まない茎に力が尽きてしまいそうだ。
「悠、汗…」
「気にするな。おまえは揺れていたらいいんだよっ」
 そして陽向の腰を揺さ振ると、陽向が「あああ!」と叫んだ。
「こ、こんな奥まで?貫かれたみたいだよ?」
 陽向は尻を震わせた。
悠の茎を飲み込んだ秘部はやや赤くなっている。
それに悠のヘアーが陽向のそこを触っている。
「入ったんだね」
「ようやくね。じゃあ、動くからつかまっていなよ?」
 悠は口角を上げて微笑んだ。
その笑顔に陽向は頬を染めた。


9話に続きます





「陽向。強姦じゃなくて、俺とセックスをしようか」
 悠の言い方に陽向は心がときめいた。
そして自分から誘ったはずなのに、緊張したのか肩を震わせる。

「もっと脱いでいいよ」
 しかし陽向は悠の腿に座ってシャツを半開きにしたまま動けない。
悠の目に射抜かれた気がしたのだ。

「脱がないと始まらないって。手がかかる子だな、おいで」
 陽向がおずおずと身をかがめると悠が手を伸ばした。
「こっちにおいで。キスもできない」
 再びせかされて、ようやく陽向は悠の腹の上まで移動し、顔を近づけた。
それを悠はためらいもなく受け止め「目を閉じて」と言って唇を重ねた。
 陽向は触れただけで頬を染めてしまうが、悠は腹を決めたらしく舌を入れてきた。
「ん!」
 歯列をなぞられ体が震えてしまう陽向は唾液を口から零し、銀色の糸を垂れた。
『はあ』
 悠のかすかな声が聞こえた気がして陽向は目を開ける。
すると目に映るのは悠の睫だ。
こんなに近くで悠を見たのは初めてだ、鼻が高くて整った顔立ちだと改めて思う。
「陽向」
 名残惜しそうに唇を離すと悠がまた吹き出した。
「涎を垂らすなよー。雰囲気ぶち壊しだなー」
「あ、ごめん」
 必死になって口元を拭う陽向に、悠は再び手を伸ばす。
しかし今度は顔ではなく、胸元だった。
悠の手がゆっくりと胸を撫でるのを見ながら陽向は胸の鼓動が早まる。
「…一緒にお風呂に入ったことがあったよね」
「うん」
「あのとき、僕は悠に触れたいとは思っていなかったけど、意識したら辛くなったよ」
「ん?どうして」
「触っておいてほしかったなあって」
 悠は陽向の胸を撫でながら乳首を指で擦った。
「んっ!」
「痛い?」
「チクンとした」
「んー。それはこっちじゃないの?」
 悠は陽向の股間を指した。
「敏感な子だなー。触られただけで乳首が立つし、勃起も早い」
「そ、そんなにいじめないでよ」
「あはは。いじめていない、俺も興奮してきただけ」

「えっ」
「綺麗な肌をしているから、俺も起ってきた」

「中途半端な起ちかたは辛い」と言いながら、悠は陽向にシャツを脱がせると今度は腰を撫でた。
「こんなところを触られるのは初めてだ」
 陽向は恥かしそうにベルトを緩めて腰までボトムを下ろした。
下着が見える程度だが、悠は「苦しそうだね」と下着の上から股間を突いた。
「ウッ」
 もはや下着から茎が顔を出している状態だ、わずかな刺激でも苦しさが増す。
我慢のきかない茎は膨れ上がり、陽向の理性では抑えられない様子だ。

「出しな」
 悠は陽向に茎を出せと言うのだが、いまひとつ伝わらなかったようで陽向は悠の腹の上で困惑している。

「それを出せって」
「う、うん」
 なんと勘違いをした陽向は、悠の目の前で茎を扱き始めた。
「く、うううん・んんっ」
 喘ぐ姿が艶かしいが、それは悠の希望ではない。
「ひ、陽向?そうじゃない、俺がしてやるから」
「え・え?なに?聞こえな…あああ、うっ、ううんっ!」
 悠の声は届かずに陽向はあっさりと爆ぜてしまった。
しかし悠の顔に精をかけてしまい、陽向は脱力感を覚えながらも慌てた。
「ごめん、悠!すぐに拭くから」
「いいよ…しかし、人のオナニーを見たのは初めてだ。だけど早いなー」 
 悠がシャツの袖で顔を拭くのを見ながら、陽向はうろたえた。
そして顔を赤らめると俯いた。
「さ、最近、自分でしてばかりだったんだ。親が帰宅する前にと思って、いつも急いでいたから…」
「ふうん」
「悠のことを考えると、すぐに勃起しちゃうし…処理をしないと眠れないんだ」
「そんなに?そんなに俺を?」
「うん、ごめん。僕は想像で悠に抱かれていたんだ」
 こんな恥かしいことまで告白されると、悠は続ける言葉を見失う。
「想像ねー。本人のほうがいいだろうに」
 悠はふっと吹き出すと、心の中でも陽向を受け入れた。
「でもすぐに出しちゃって。僕はもたなくなったんだ」
「早漏になっちゃったのか。気の毒に。あとは俺に任せろって」


8話に続きます
「キスだけじゃ足りない!一緒に…つながりたいんだ!」
 陽向は悠の胸を叩き「どうして受け入れてくれないの」と、か細い声で聞く。
「受け入れるって…」
 
 悠の頭の中では自分が石原に襲われたときの光景が浮かんでいた。
悠を思うままにしてやろうと企み、その欲望を丸出しにして圧し掛かってきたあの男、
それと同じことを陽向にはできない。
 悠は陽向を欲望の対象にしていないし、ひとつになりたい気持ちもない。
ましてや同性だ、セックスは有り得ないと悠は思っていた。
 
 しかし自分を「好きだ」と言い、離れようとしないその理由がわかった以上は無碍にもできない。
悠は「はあ」とため息をつき額に手を当てた。
自分がどうすべきなのか迷うのだ。
陽向があのときの傷を癒して欲しいと言うのが理解できない。
同じことをすれば、あのときの恐怖がフラッシュバックするに違いないと思うからだ。
辛い思いなんて2度とさせたくない・親友としてそう思うのだが、
逆に陽向の願を聞き入れたら辛い過去から抜け出せるものなのかわからなくなってくる。

「僕のことなら平気だよ」
 陽向が悠の気持ちを読んだかのように言う。
「僕を想ってくれるなら抱いて欲しい」

「抱いたら親友に戻れなくなる」
 悠の心は揺れていた。
「それでもいいのか?」
 すると陽向は首を振った。

「わからないのかな。親友じゃなくて恋人になりたいんだ」
「は」

 悠は思わず陽向を抱き締めた。
どうしていいのかわからないまま、ただ陽向が愛おしくなった。
 こんなに自分を好きだと言ってくる子は今までいなかったせいもある。
同じクラスの女子達が慕っているのはわかるが、好意は感じられない。

「愛情のあるセックスを教えてよ」

 陽向の声に悠は体のどこかが反応した気がした。
そういえば抱き締めている陽向の足の付け根辺りが自分を突いているのがわかる。
まさか・とは思ったが陽向は勃起していたのだ。
「僕には悠しかいないんだ」
 見られたくないのか股間を手で隠す陽向が、悠にはいじらしく思えた。
「わかったよ」
「え、本当に?」
「わかった。だけどここは教室だから」
「誰も来ないよ。だからいいじゃないか」
「はっ」
 悠は陽向に押し倒されて机の上に体を乗せてしまった。
陽向の予想だにしない力に驚き、目を丸くするばかりだ。
「僕だって男だからね、力があるんだよ」
 そして陽向は悠に圧し掛かると、先に自分からシャツを脱ぎ始めた。
「…なにやってんだよ」
「脱がないといけないじゃないか」
「俺を抱く気?」
「そうじゃないよ、でもどう段取りしていいのかわからないんだ」
 素直な陽向の言葉に悠は吹き出した。

7話に続きます

 いつもは窓際を占領している女子達が席につき「暑い~」とぼやきながら、うちわで扇いでいる。
スカートを翻す隙だらけの危ない瞬間を見なくて済むのだが、
無防備に足を組んで座っているのでその姿も男子の好奇心をそそる。
「もう夏だねー」
 声をかけてきた男子にうつろな目を向ける彼女達はクラスメートには興味が無さそうだ。

「だらだらしているなあ」
 悠が思わず声をかけた。
「見ているとこっちもだらだらしそう」
 すると女子達はこぞって足を閉じ「そうー?」と明るい応対をした。
それを見て陽向は悠が女子達に人気があると改めて感じる。

 やんちゃだが男気があり、容姿も優れている悠はクラスの中でひときわ目立っていた。
女子が意識しないはずがない。
 陽向はこの和気あいあいとした雰囲気の中で、早く放課後にならないだろうかと1人で唇を噛んだ。
自分の気持ちを上手に伝える自信はないが、このままでは悠はみんなのものだ。
独占したい陽向は勇気を振り絞るしかなかった。
 そんなことばかり考えているから陽向は落ち着きがない。
常に悠を目で追ってしまう。

 悠はときどきその視線に気付いたが、目を向けないし手を振ることもしなかった。
どう扱っていいのかわからないのだ。
とにかく1人立ちさせようとは思うが、あの視線には意味がある気がしてならない。
面倒なことを相談されないだろうかと一抹の不安がよぎる。
 悠としては陽向は親友のままであってほしいのだ。
できることならずっと、親友でありたい。
しかし勘のいい悠はその思いが壊される予感はしていた。


 放課後になり、皆が帰り支度を始める中、女子が悠の席に集まりなにやら誘いをかけていた。
「合コンは興味がないんだ、ごめん」
 悠は速攻で断るとカバンを持った。
「それに用事があるし」
「なーんだ。つまんないのー」
 そういいながら悠のあとを女子達がついていくので陽向は驚いた。
これでは話ができない、どうしたらいいのかと焦り、思わず「悠!」と叫んでしまった。
 振り返る悠は「わかっているよ」とだけ返事をして、教室を出てしまった。
悠としては女子をまくつもりだったのだが、陽向にはそんな考えは伝わらない。
約束を放棄されたと思い込み、がっくりと肩を落とした。
今日こそは勇気を出すつもりだったので、告るまえに振られた気分だ。
机に俯き、自分は非力だと思い知らされたかのように悲しみがこみ上げてくる。

 諦めた陽向がカバンを持って下駄箱に向かうと、そこに悠が1人で立っていた。
「ゆ、悠!」
「何の用事だった?」
「…できれば教室で話したいんだけど」
「ふうん?」
 悠は首を傾げながらも陽向に従った。

 教室内はもはや人がいなかった。
がらんとした室内は夕方の日差しを受けて床や机がオレンジ色に染まっていた。
「僕、ね」
 陽向が声を出すがそれは震えていた。
「ん?」
「僕、悠が好きなんだ」
「俺も好きだよ?だから親友じゃん」
 これでは空回りをさせられてしまうと気付いた陽向は焦るあまりに悠の手首をつかんだ。
「わ。なに?あまりくっつくなって言っているだろう」
 しかし悠が手を振り払わなかったので、これは言うしかないと陽向は決意をした。

「好き、なんだ!」

「…は」
 悠は面食らってしまって、言葉が続かない。

「僕は悠が好きなんだ。親友だからとかじゃなくて、恋…、そう、恋なんだよ!」
「恋?」
 悠は「まず、落ち着け」と興奮気味の陽向に声をかける。
「俺を好きってこと?友人とか親友だからじゃなくてって、どういう…」
 聞き返しながら悠は自分も取り乱していると気付いた。
「セックスがしたいんだ」
「はあっ?」
「悠は言っていたよね、セックスには愛情ありきみたいなことを。今ならその意味がわかるんだ」
 攻めてくる陽向に悠は二の句が継げない。
「好きなんだ、だから抱いて欲しいんだ」
 そして悠の胸元に陽向は飛び込んだ。
思いの丈を打ち明けてほっとしたのか、陽向は目に涙をにじませた。

「陽向、どうしちゃったんだよ。俺は陽向と同じ男だぞ?」
「わかっているよ、それでも好きなんだ、抱いて欲しいんだ」
「…わからない」
 悠は戸惑いながらも陽向を拒絶しなかった。
自分の胸元から離れない陽向の髪を撫で「おまえは強姦されたことを忘れたのか?」と聞いた。
「同性にやられるなんて屈辱的だろうに」
「愛があれば、いいんだ。僕はそう思っている。それに…」
「それに?」
「あの忌々しいことを忘れたいんだ。だから、悠に抱いて欲しい。あのときの心の傷を消したいんだ」

 悠は返事のしようがなかった。
陽向を欲望の対象で見たことがないからだ。
親友として好きだが、それ以上の感情はあいにく持ち合わせていない。

「悠、お願いだから応えてほしいんだ」
 陽向の願に悠は混乱しそうだ。
正直に言えば逃げ出したい気持ちもあるのだが、この好意に男として応えるべきだろうかと悩む。
混乱したままぐいと陽向の体を離させると、陽向は悠を見上げて涙をにじませる。
「これしかできない」
 悠は陽向の頬にキスをした。

6話に続きます


 一般のエロサイトには女子高生やOLさん、果ては人妻が乱れる動画がUPされている。
普通一般の男なら、これを見ない手はないだろう。
 しかし陽向はこれを見はしたが別の世界のことのようにとらえていた。
むしろゲイサイトのほうが彼にはしっくりときたのだ。
自分の傷をえぐるような動画ばかりだが、ここには愛情があると勝手に思い込んだ。 
 それは悠がセックスには愛情ありき的なことを言ったからだ。
異性同士なら金でセックスができる。
同性ならそこには愛があるんだと、陽向は解釈した。
 ノンケだったはずの陽向はこうして同性愛と悠に惹かれる自分自身を肯定した。

 しかし自分で濡らした指が切ない。
果てた茎もどこかみじめで、やりきれない。
 悠に受け入れて欲しいと陽向は携帯を取り出した。


 その頃、悠はぼんやりと写真を見ていた。
陽向と知り合ったのは1年のときだ。
自分よりも背の低い陽向を見つけ、思わず声をかけたのがきっかけだった。
「なあ。どっちが早く身長が伸びるか、楽しみじゃないか?」
 なんとも明るい誘いに、陽向は新しい友人ができたと喜んだ。
 当時の陽向は自分から行動をとれない・引っ込み思案な性格で、逆に積極的な悠を羨んだことだろう。
 数々の写真にはいつも笑顔の2人がいた。
「どうしてあげればいいんだろう」
 悠は親友の変化に戸惑っていた。
女子ではあるまいし、人前で体を寄せてくるのは勘弁して欲しいのだ。
しかし言葉を選ばないと、傷ついている陽向を更に苦しめてしまうだろう。
「あーあー。もう」
 これ以上は考えても無駄だと諦めたとき、携帯が鳴った。
見ると陽向からだ。
今まで陽向から着信があったことはない。
悠はなにか起きたのかと心配になり出てみると涙声に気付いた。

「どうした?」
『悠に会いたいよ』
「…はあ?さっきまで会っていただろう。もしかして何かあったのか?」
 悠は童顔の陽向を心配した。
まさか石原のような悪党に玩具にされていないかと不安がよぎる。
「今、どこにいるんだ?」
『部屋…。来てくれる?』
「あのさあ。親御さんがいるだろう?何かあったなら先に相談しな」
 悠は呆れて携帯を切ってしまった。
冷たい態度を取るつもりは毛頭ない、しかし甘えられるのは慣れていないので困るのだ。

 ツーツーと機械音だけが聞こえる携帯を持ちながら、陽向は涙をこらえ切れなかった。
どうしたら気持ちが伝わるのか、陽向にはわからなかった。
ただただ、悠に会いたい。
抱きしめてほしい、それだけのことさえ、陽向には言えなかった。


 翌朝、陽向の家のチャイムが鳴った。
「あら、小松くんじゃない!今日も来てくれたのねー」
「えっ!」
 陽向は驚いてすぐに玄関から飛び出した。
「はよー」
 悠が陽向に手を振った。
「行くぞー」
「あ、うん!」
 一緒に登校するのは石原に襲われた後からずっと続いていた。
悠は親友として陽向が大事であり、陽向はこの時間だけ悠を独占できるので嬉しかった。
「そろそろ1人で登校するかー?」
 なにげない悠の一言に陽向は顔を曇らせた。
「もう石原先輩みたいな変な野郎はいないだろうし」
「嫌だよ!一緒に登校しようよ」
「あのなー。元々遠回りなんだよ。そろそろ1人でも登校できるようになってもらわないと」
「冷たいな」
「…冷たい・とかじゃなくてさ」
 悠はあくびをした。
「この遠回りをするために俺が早起きをしていることは知らないだろう?」
「あ、そうか…」
 そう言われてしまうと無理強いができない。
しかし陽向は悠と一緒にいたいのだ。
「僕が迎えに行くっていうのはどう?」
「…逆方向だろう?」
 すがる隙を与えない悠の態度は陽向を悲しませた。

「どうして僕を避けるんだよ」
「避けていないよ。おまえがくっつきすぎるだけ」
「あ」
 陽向は自分が側にいたがっているのは通じていると気付いた。
これは嬉しいことだった。
 少しずつでもいい、自分を理解してくれるように頑張ろうと陽向は決めた。

「わかった、1人で登校するよ」
「お!理解が早いな。ようやく自立したって感じ」
「それは酷いな」
 2人は笑いながら通学路を歩いていった。
陽向は前の自分ならこの友情だけでも満足だったのに、今では愛情が芽生えてしまっている。
この気持ちを昇華できるのだろうか。
 どう見ても悠はその気がない。
しかし陽向も男だ、想いを捨てることはできない。

「放課後…さあ」
「あ?」
「話があるんだ。いいかな?」
「話?別にいいけど?」
 きょとんとしている悠の横顔を見ながら「悠のほうが背は伸びたね」と陽向は笑顔で言った。


5話に続きます

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