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2006.05.30 真夏のこと。
自分の作ったキャラですが思い入れが強くて。もう・・3ヶ月くらい一緒にブログで頑張ってくれている子です。
初めて作ったBLキャラ。可愛くしようといろいろ設定して。
おかげでこの有様です。

ここのブログでもこの先、真夏がでると思いますが、可愛がってくださると嬉しいです。

大熊くんのキャラは・私は「ごくせん」の慎とクマの関係が好きなので。それをやりたいなーと思いまして作りました。
「真夏と果実」にはパンダはいません。
出し損ねた・・かな。

それではまたー。次のお話でお会いできますように。
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2006.05.30 真夏と立秋 6
「陸奥くんは変態だったんだ!」パンダが驚いています。
「変態とは失敬な!いいかい大熊くん。真夏くんはね、僕が最初に見つけたんだよ。この可愛さに気づいたのは僕が先。」
冬至がもうお手上げ、のポーズをとりました。
「・・立秋、ごめんなさい。」
真夏が頭を深々と下げました・・。
「まままま真夏くん?」
「ごめん。俺は立秋とは付き合えない。」
真夏がきっぱりと伝えたことで、もう諦めるしかない。そう悟りました。
「だから・・誰かいいひとを紹介したいんだ。どうかな?」
そんなことを真夏が言っては酷でしょう。
冬至が真夏を引張りました、そして口元を押さえます。
「真夏ちゃん。いい子だから黙っていてね。お願い。」

立秋は遠い空を眺めています。相当傷ついています。
パンダと真夏がその場で座って立秋をみています。
「ぼっちゃん。俺、真夏ちゃんといつまでも一緒にいたいんです。」
「・・わかってるよ。冬至の気持ちは。」
立秋はちいさな声で言いました。
「真夏くんが冬至のことをどう思っているのか聞きたかったんだ。それだけだよ。」
「・・ぼっちゃん?それであんなに?駄々こねたみたいに・・。」
冬至が驚いて聞きました。
「冬至の不安そうな顔みたくないからな。おまえはいつも自信満々でいてくれなければ。真夏くんのために・・。」
一芝居うった。と言うことなのですね・・。
冬至は立秋に、深々とお辞儀をしました。
「ぼっちゃん・。すみません。気を使わせました。」
「冬至のためだけじゃないからやめてくれよ。聞きたかったんだから、それだけだ・。」

「なにを話してるんだろう。なんで頭下げてるんだ冬至は。」
知らない真夏は不思議そう。
「真夏くん。おなかすかない?なにか食べに行こうよ。」
パンダも退屈そうです。
「冬至のケーキが食べたいから待ってる。」
「じゃあ。俺も待つよ。」
頬づえついて、冬至を待つふたりです。
やがて真夏の元に歩いてきた冬至は、ぎゅうううっと座ったままの真夏を抱きしめました。「俺は幸せものだ。真夏ちゃん。」
「どうしたの冬至は?」
パンダもわかりません。
「ずっと一緒にいてね。」
冬至の言葉に、真夏はどきどきしました。
「お返事は?」
冬至が真夏の耳にささやきます。
「・・うん。」
くすぐったい感じ。でも冬至の嬉しそうな声に安心しました。

「陸奥くん。なんだかかっこいいよ?」パンダが声をかけました。
「なにかいったんでしょ、冬至くんに。」
「いやあ。真夏くんが言ったのさ。僕は当て馬で十分だ。」
2006.05.30 真夏と立秋 5
それはいらないお世話ですよ。
「何をいってるんだい冬至。僕はね、お前よりずーっと前から真夏くんが好きだったんだよ。だから真夏くん以外のひとは考えられない。お断りだよ。」
かっこよく言い切ったものの。
「真夏ちゃんは俺のだから。」
冬至があっさりと現実を突きつけました。
「いくらぼっちゃんでも。渡せません。」
その言葉を聴いて真夏の唇がかすかに動いたのが癪に障ります。
「真夏くん。今は冬至に惚れられているのはよくわかってる。でもこのまま永遠に続くわけでもなかろう。次こそ僕の出番だと信じているんだ。僕は待っていてもいいだろう。」
真夏が困った顔をします。
「あのさあ。立秋、俺を待つより新しいひとを見つけてお前も楽しく過ごして欲しいんだよ。わかる?」
「わからないよ真夏くん。僕はきみが好きなんだ。」
「でもだめなものは だめなんだよ。」
・・艶のある唇からは、さっきから・諦めてとねだる声しか出しません。はあ・・立秋も、がっくりきてしまいました。
大熊くんが慰めるように
「陸奥くんはかっこいいから女子にも人気があるんだよ。知らなかった?」
「ほかじゃだめなんだ・・僕には真夏くんしか見えない。ああ。あの頃は楽しかったな・・真夏くんの帰る姿をみかけて思い切って後をつけたあの日。きみは全然尾行に気がつかなくて、僕はまんまときみの自宅にたどりついた。きみの住む家、家族・・感激に打ち震えたよ・・。あの頃のきみはまだそんなに色気もなくて。」
「・・・黙って聞いてたら。なんてことを告るんだ立秋!」
真夏がかんかんですよ!
「ぼっちゃーん。ますます嫌われますよ。」
冬至も呆れています。
2006.05.30 真夏と立秋 4
そこへ愛しい真夏が歩いてきました。お供を連れています。
「お。真夏ちゃん。・・とパンダ、元気?」
冬至がパンダ、と呼んだのは立秋と同じクラスの大熊くん。
名前のとおり大きな体で、ぼうず頭をしています。
垂れ目の愛嬌のある顔のせいか、冬至がパンダと呼んでいます。
この大熊くんも真夏が好きで・・・・先日の社会見学で美術館にいったとき。運よく真夏と知り合えました。以来、真夏と行動を共にしています。
「冬至。・・あれ立秋、どうしたの、」
真夏に不思議そうに見られています。
「陸奥くんだ。珍しい・・。」パンダにまで言われました。
「珍しいのはそのコンビだろう?大熊くん、どうしてきみは最近真夏くんと行動を共にしているんだい。」
「いいじゃないっすか。俺は真夏くんの友達だから。」
「ともだちーーー!」
立秋に許されていない勲章がパンダには付いていました。
「いいボディガードができたよ。俺も安心。ねー真夏ちゃん。」
「大熊はたのもしいよ。一緒にがつがつとケーキも食べてくれるしさ。」
真夏と冬至とパンダが楽しそうに笑っています。
ひとり取り残された気がします・・。さみしいです・・。どうしましょうか。
「真夏くん。僕もきみの友達になりたいんだ。仲良くしよう!」
ストレートだ。
真っ向勝負だ。
「ぼっちゃん。頭をどこかで打ちました?」冬至が顔を覗き込みます。
「どうしてだい?」
「陸奥くん変だよ。」パンダがひいています。
「・・立秋。俺・・友達じゃなかったの?」
真夏がびっくりしています。


「僕は真夏くんの友達!!そうだよね!!」
勢いを盛り返した立秋はやたら元気に叫びます。

「・・真夏ちゃん。これはほんとに。昨日言ってたことをすすめたほうがいい。」冬至が呟くのを聞き逃しやしません。
「なんのことだい!」
「ぼっちゃんにね。彼女を探してあげようかと思ってるんですよ。」

2006.05.27 真夏と立秋3
今日も冬至が学校に現れました。
おのれこやつどうしてくれましょう。
「あれ。ぼっちゃん。どうしました?」
けろりと笑顔の冬至。
「真夏くんに会いにきたのかい?」
「それ以外に何もないでしょ?ふふふ。」
なにが楽しいんだそんなに!
「冬至。真夏くんとは・・その・・なんだ。」
「なんでしょう?」
「寝たり・・してるのかい。」
「は。」
冬至がぽかんとくちを開けています。
「真夏くんと・・だよ。」
「知ってるくせに。なにをいまさら。」
「どうして冬至なんだろう。」
「さあ。・・俺も好きでいてくれているのか不安ですけどね。言ってくれないんだもん。なかなか・・。」
冬至がため息をつきました。
これは・・チャンスなのか!
「そうなのかい?」
「でもセックスが気持ちいいって言ってはくれます。」
がーん。
なんだそりゃ。
もう立秋がっくりです。
「俺もなんか・・こう。真夏ちゃんにのめりこんじゃってますから。気持ちよくて・・とまんないです。」
「そんな話は聞きたくないんだよ!悲しくなる!」
「じゃあ何が聞きたかったんです?」
冬至がくちを尖らせます。
「俺だって聞かれなきゃこんなこと話したくないもん。真夏ちゃんのことは・・。ぜんぶ俺だけのものにしたいから。」
なんだこいつは・・もう立秋再起不能ですよ・・。
2006.05.27 真夏と立秋 2
思いのたけを告白したのは一つ前の季節の頃。
そのときは真夏にお礼がわりか軽くキスしてもらいましたが、それ以上は付き合っていただけませんでした。
二重の瞳でちいさな顔。毛先の跳ねたミディアムヘアーに細身の体。
かわいい顔に乱暴な言葉使いが立秋にはたまりません。
いつかは付き合える。
勝手にそう思い込んでいましたが。
よりによって、陸奥家の取引先のお店で働いていたパティシエ・・これも男子ですが・・この子に真夏のこころも体も奪われてしまいました。
悲しい日々の始まりです。

真夏は・・初めて会った頃よりも、そのパティシエのおかげなのか・・妙に艶めいてきました。
愛されているのが憎らしいほどに伝わります。
時々、学校にその憎きパティシエが真夏を迎えに来るのもいらだたしいものです。
しかもこのパティシエ。年下です。
名前は黒木冬至。
猫目で茶髪で、生意気です。
2006.05.27 真夏と立秋。1
江戸時代から続く老舗の絞り問屋の屋敷構え。
陽の光にきらびやかに輝く瓦屋根が自慢のお屋敷は、ご近所でも待ち合わせ場所としても有名な 陸奥家のご自宅です。
今でも伝統ある絞りを営んでおりまして・
この絞りは着物に仕立てたら100万でも買えないお高い品物です。
手作業ですすめる絞りの染め作業、なかなか手のかかることですから。
ここのご主人は「旦那さま」奥さんは「おかみさん」とご近所でも呼ばれています。そしてご子息はおひとり。
「ぼっちゃん」と呼ばれる、立秋です。
この立秋ぼっちゃん。目元涼しげな切れ長の瞳、ショートの黒い髪が映える白い肌。背は高いし中肉で、高校のブレザーの制服がすらっと決まる体格です。
しかも学年2番の秀才。眼鏡をかけて見た目からしても、
おりこうさん。器量もいいので、もてそうです。
・・・・・だけどこの立秋くんは普通の感覚は持ち合わせていないようです・・・・。
立秋くんは同じ学校に大好きなひとがいます。
告白したけれど相手にされていません。
そのひとは・・・・男の子です。
名前は宮元真夏くん。
同級生で隣のクラスのかわいい男の子です。
今日はバイトがお休みなので更新していようと思ってたら。困った・・。お客様に電話する約束していました・・。
上司に報告はしてありますが、まだ入社したばかりなのに付いたお客様、なんとか出勤して電話したいな・・。今からぷらりともぐりこもうかな・・。

帰りに本屋さんで辞書を買おうと思います。日本人なのにボキャブラリー貧困で・・・・・小説がうまくすすまないので・・。
精進するために自分に投資。
どんなタイプが使いやすいんだろ・・。
一度ロビーに引き返すと、茶色い髪で白いシャツ、ギャルソンエプロンつけた男の子が立っていた。手に大きな紙袋を持って。
「まーなつちゃん。」手を振ってる・・。
真夏くんも急ぎ足で駆け寄っていった・・。
僕ものそのそと近寄ってみた。

猫みたいな大きな目、耳にピアスをしてる・・ああ唇にもだ。痛そう。
にしても、かっこいい顔してるな。
短い茶色い髪がワックスで毛先はねさせて。雰囲気がクールだ。
いいなあ。真夏くんとすごく楽しそうに話し込んでるよ。うらやましい。かなり・・仲がいいのかな。
「?あの子は?」
あ気づかれた。
「立秋のクラスの子で大熊くん。今日は一緒に美術館見て回ってんの。」
「へえ?・・よろしく。黒木です。真夏ちゃんの・・なんだろう?」
言いながら首をかしげている。・・なんだろうって?なに?
すると真夏くんが頬をさっと赤くした。
え?ええ?

「・・もういいから冬至。」
真夏くんは黒木くんの耳にささやいてる。
そのやり取りが親密すぎるよ?
「ふふ・・。だって真夏ちゃんと今日一日デートしてる相手なら。ちゃんと挨拶しなくちゃね。」
にこにこしている黒木くん。
「もしかして・・?」
思わずつぶやいてしまった。
「カンのいい人で助かります・大熊くん?」
黒木くんが楽しそうに微笑んだ。
「俺のだから、とっちゃ やーよ?」
「冬至。何いってんの・・。」
真夏くんが女の子みたいに黒木くんのシャツを引張っている。
なんだかとてもかわいい・・。
「ま。一緒にケーキはいかがですか?俺のはおいしいよ。食べてね。」
真夏くんと同じで、とても輝きのあるひとだ・・。
オーラがちがう。笑顔もものすごく魅力がある。

そうか、このひとが真夏くんの・・。

黒木くんが持ってきたケーキを外でいただいた。
シナモンのきいたアップルパイ。
甘さをおさえてあって、もうひときれ食べれそう。
「どんどん食べていいよ。冬至はいつも1ホール持ってくるんだ。ほらね。」
・・・・ほんとに1ホールだよ。
「いつもって。いつもまな・・宮元くんは1ホール食べてるの?」
「うん。おいしいもん。」
たしかにさっきから口が動き続けてるよ・・。
「あー。大熊くんさあ。」
「なに、宮元くん。」
「まなつ。でいいよ。みんなそう呼んでるから。さすがに最初からは・きついけど。ね。」
食べながらだけど、嬉しいことを言ってくれた。
「ありがとう・・。」
「お礼言われることじゃない。ほら食べなよ。気分よくなったらおなかすくでしょ、食べな。」
たしかにおなかがすいていた。
ほおばるアップルパイの煮詰めたリンゴの甘さと、距離が近付いた嬉しさは。酔い止めの薬よりも僕の心を癒してくれた。

「これからもたまにはしゃべってくれるかい?」思い切って聞いてみた。
「真夏くんと呼んでくれたらね?」
真夏くんが指についたリンゴをなめながら微笑んだ。
こつんこつん・・と真夏くんの足音が響く。
壁の絵画も彫刻も全然目に入らない。ただ真夏くんと一緒に歩いていることが信じられないんだ。
通り過ぎる女の子たちが真夏くんに気がついて、じっと見つめている。
そしてその後ろを歩く僕を見て、くすくす笑い出す。
・・なんとも惨めだし。真夏くんに迷惑かけていることに気がついた。
「宮元くん、もう大丈夫だから。いいよ、みんなのところに行きなよ。」思い切って声をかけた。
すると真夏くんは驚いて
「まだ全然見てないから、先の連中のところに行ったらだめじゃん。」
「でもさ。僕みたいなのが真夏くんの近くにいたら目だって・。」
「?なにを気にしてるかわかんないけどさ。絵を見に来たんだから。」
そう言って、また絵を見始めた。
そうだよね・・周りを気にする場所じゃなかった。
僕も静かに絵を見よう。
「あっちの壁のところまで見たら、すこし付き合ってくれる?」
「え?」
なんだろう?
「知り合いがくるんだ、たぶんおやつ持ってきてくれるから。」
にこっと微笑んだ。
さっきの携帯かな?じゃあ・・彼女じゃないんだ?
お母さんかなにか?でも頬をあかくするなんておかしいな・・。
「大熊くんさ。ケーキとか好き?」
「あ、うん。大好き。」
「よかった。知り合いはパティシエだからさ。おいしいもの作るんだよ。一緒に食べようか。」
「ええー!いいのかい?」
「いいよ。ふふ・・元気になったみたいだね。よかった。」
あ・・ほんとだ。
「パティシエやってるなんて素敵な知り合いだね。宮元くん。あの仕事は結構力が必要だから女の人ではきついだろうね。」
「あー・・そうかもね、知り合いは男だから平気だけど立ち仕事はきついんじゃないかな。腰にくるから・・。」
男?男からの携帯で頬が赤く・・??
真夏くん・・?
そのひとって真夏くんのなに??
暖かいコーヒーを一口飲んだら・その甘さに安心した。
隣には真夏くんがいる。真夏くんもコーヒーを飲んでるけど、砂糖もミルクもなしなんだろうな。
僕はときどき無性に自分が嫌になってしまうんだ。
真夏くんみたいに細くて顔もかわいくて女子に人気あって、話してみたらやさしくて親切で・・・・嫌なところが見当たらないひとがこの世にいる。なのに僕は太っているし物事に対してかなり悲観的だ・・。
なんだか差別を感じてしまう・・。
自分のせいなのに。僕は誰かのせいにしなければやりきれないよ。
臆病者なんだ・・。
真夏くんとは友人になる資格なんて最初からないんだ・・。

「そろそろ動けそう?」
真夏くんが僕の体調を気にしてくれていた。
「あ・・。」
そういえばさっきから、吐き気はおさまっている。
「だいぶ顔色も良くなってる。ゆっくり美術館のなかをみて回ろうか?」
「うん。」
お言葉に甘えよう。今日だけでも一緒に歩けたらそれでいいんだ。
先に歩き出した真夏君の背中を見て再びへこむ。
僕の半分以下の体格だ。

「あ。携帯・。」
真夏くんがお尻のポケットからちかちか光る携帯を取り出した。
少し見つめていたと思ったら・・少し頬が赤くなった。
照れくさそうに微笑むと、また携帯をポケットに突っ込んだ。
<彼女からかな・・。>
同じクラスに彼女がいるのも知っている。ああ、きっと中で待ってるんだね。

真夏くんについて美術館の中に入る。携帯をしまってから真夏くんは僕のほうを一度も振り返らない。なんだか寂しい。

ロビーは思ったよりも広々としていて、白い床と壁が異空間を演出していた。寂しい気持ちでいる僕に、さらに冷たい感触を覚えさせる輝きだ・・。
皆を率先して列を誘導するクラス委員が外で僕の回復を待つなんておかしくないかな。そんなに責任感のあるひとだったのか。
真夏くんはうっとうしそうに陸奥くんを見ているな・・。
「お前がいると目立つでしょ。」
「大熊くんひとりでも目立つと思うよ?」
・・確かに僕は体重が3桁だよ。でもそんなこと言わないでよ、体格のわりにデリケートなんだよ・・。
「立秋。もういいから、見に行け。」
「真夏くん・・。」
陸奥君はしぶしぶこの場所から離れていった。
もしかして陸奥くんは真夏くんのこと好きなのかな。学年2番の成績を誇る秀才で、切れ長の眼で背も高いし・・女子から人気もあるだろうに。
そんなひとが真夏くんを。
僕では勝ち目もなにもないな・・。
いや。せめて友人のひとりにでもなりたいんだけど、あの陸奥くんでさえ邪険にされているんだ。
・・僕にはなんの望みも・・。

「少し顔色が良くなってるね。」
真夏くんが微笑んでいる・・。えっ・・?
「俺もさあ。小さい頃よくバスで酔ったから。なんかほっとけなくて。」
「そうなんだ・・。」
「なんか飲む?買ってきてあげようか?」
「え、いいよ。大丈夫だよ。」
「そう?辛いときは遠慮なしよ?お互いさまなんだから。」
すごい・・なんだか大人なことを言ってる。
女の子みたいなかわいい顔して、僕にとっては今だって隣にいてくれているのが信じられないくらい輝いた存在なのに。これ以上、輝かないで。もう友人になりたいというささやかな願いさえあきらめなくちゃいけなくなるよ・・。
そう思ったら涙・・じゃなくて鼻水が出てきた。
ぐすぐすしていたら真夏くんがじっと見てきて
「風邪か?なんだか辛そうよ?」
「いや大丈夫・・。」
「待ってろ。暖かい飲み物買ってくるから。ここにいろよ。」
言いながら走り出してしまった、・・その輝きに今度こそ涙が出そうだよ。
ひとりでぽつん・・と美術館の外なんて寂しいな。
はあ、早く気分が回復しないかな。お茶でも飲めばいいかな、でも・・飲みたくない・・。
下を向くと余計辛い、ああ。横になりたいよ。
「大丈夫か?大熊。」
僕を呼ぶ声がする、顔を上げると同じクラスのクラス委員の陸奥くんだ。ああ!そして隣に・・真夏くんがいる!
「な。顔色悪いだろ。病院に連れてくか?」
真夏くん、きみはなんてやさしいんだ。
「真夏くん。多分、大熊はバスに酔っただけだから。きみは気にしなくていいんだよ。やさしいね真夏くんは。きみのそんなところも好きだ。」
・・?何を言ってるんだ陸奥くんは。
「うるさいよ立秋。黙ってろ!えーと、大熊くん?」
真夏君が僕の名前を呼んだ!!
「あ。はい?」
はいっていってしまったよ・・。
「薬は飲んだ?」
「う・うん。」
「ふーん・・。じゃあ、暫らくしたら回復するでしょ。」
うん、そう思うよ。ありがとう真夏くん。

「立秋。俺、ここにいるわ。」
「はあ?!」
陸奥くんも驚いているけど、僕ももう一度聞きなおしたいくらいびっくりだ。
「なぜだい真夏くん!大熊くんのことなら、大丈夫だよ。彼はほら、こんなに立派な体格の持ち主だ。すぐにバス酔いなんて直るさ、それより僕はきみとこの美術館を見て回ることをとても楽しみにしていたんだよ?きれいな真夏くんときれいな絵画を見て歩く夢を。」
「うるさい。」
・・・ええーー。怖いな真夏くん。
「大熊くんひとりでここに座っていたら寂しいだろ。気分が良くなってもひとりで美術館見て回るなんてのも寂しいじゃん。ひとりより
二人で回った方がいいんじゃない?ね大熊くん。どう?」
・・・ええーーーー!!!真夏くん本当に?
「ぼ僕は・・。」
「俺でもいい?」
あなたがいいです!!
「う・うん。」
「んじゃ、立秋、いってらっしゃーい。」
「なにを言ってるんだ真夏くん。それじゃあ僕もここに残るよ!」
「あ。そう。」

僕の熱い視線なんて気づかないきみだけど、そのそっけない感じもたまらなく好きだ。いや・・知らないひとだからな、彼にとっては僕なんて。
「こら宮元真夏!遅れないでよ!」
真夏くんのクラスの担任はいつ見てもキャバ嬢にしか見えないな・・。
どうして真っ白いスーツ。しかもミニ。さっきからときどき黒い下着が見えるんですけど・・。
しかし真夏くんを叱るなんて嫌な教師だ。ちっとも真夏くんは遅れていないじゃないか・・ってあれ?
「ねえ。大丈夫?顔色真っ青だよ?」
・・・・・・・真夏くんだーー!!!
ぼ、僕のまん前に真夏くんが立っている!!
なんて端正な顔立ちなんだ、にきびひとつないじゃないか、すべすべじゃないか!
「きみ確か・・隣のクラス。だよね?」
なんで知ってるんだ!?嬉しいじゃないか!
「立秋と同じクラスでしょ?」
・・・立秋?うちのクラスの陸奥立秋のこと?
「あ、うん。そうだよ・・。」
「体調悪いなら立秋に言いな。あいつクラス委員でしょ。」
「ま・・真夏くん・・。」
「え?」

「あ、いや。宮元くん。どうして・。」
折角話しかけるチャンスだったのに思わず下の名前で呼んでしまった・・。
「んじゃ、」
あーーーーー。真夏くんが行ってしまった・・。

今日は学校の社会見学だ。こうした行事があるのは屋内に閉じ込められて、悶々とした時間をすごすよりも遥かに有意義だ。
しかも男女別々の班を作っているから、僕の目当ては見つけやすいし近寄りやすい!

高鳴る胸の鼓動を周りの人間に悟られないようにびくびくしながらクラスごとにバスに乗って、市内の大きな美術館へ。
美術館なんて小学校の遠足かよーとぼやく声も聞こえるが、僕にとっては場所なんてどこでもいい。
隣のクラスの、憧れの・・あの子に近寄る絶好のチャンスなんだから!

ゆれるバスに・・軽い吐き気を催したが。すぐに薬を飲んだ。
暫らくすれば効果がでるだろう。
即効性とかいてあるからね。

「着いたぞー。みんな降りろよ!」
え。もう着いたの?早すぎる。まだ気持ち悪くて動けない・・。
「どうした、顔色が悪いぞ?」
担任の先生が僕を見てびっくりしている。
「バスに酔ったのか。美術館の外で暫らく座っていなさい。」
えーーーーーーー!先生、それはないよ。
僕はこの日のために・・・この日のために生きてきたんだ!
あの子と美術館をまわってみたいんだ!
・・約束もなにもしていないけれど。
なによりも・・話しかけたこともないんだけれど。

がっくりしている俺の隣を、なんと・・その子が通り過ぎていった。
ブラウンベースに最近レッドをいれた髪の色。
後ろだけ寝癖のようにゆるくかけたウエーブ。
くっきり二重のおおきな瞳。ちいさい顔・・。
背丈は僕と同じくらいなのに、制服の上からもわかる細身の体。
そして・・・すれ違うときにほのかに香る柑橘系の香り。

宮元真夏くん・・!!
僕も男だけれど、きみに・・きみに恋をしてしまったんだよ!
はじめまして。柊リンゴ。と申します。
趣味でBL小説を書いております。まだなかなか・・思うようには賭けていませんが、楽しく続けたいなと思います。
 よろしくお願いします。
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