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またアングラのマネキンは裸です。先ほど着せた黒い服が売れたようです。頭にピンクのストレートのウイッグ。脚にロンドンブーツだけの白いマネキンが、場違いなお客の来店を迎えていました。

「ここでお香を売っていると聞いたんだけど。」
おばあちゃんがお店に紛れ込んできました。
お店の異様さに気がついていないようです。ときどき、間違えているのか・普通の人も来店されるこのアングラ。
途惑うほかの店員をよそに、真樹がやさしい微笑を浮かべて近寄ります。
「いらっしゃいませ。お香はこれしかありませんが、よろしいですか?」
この世でもっとも上質の香り、古から高貴な方々に愛された高価な香である伽羅をレジの隣の保管庫から出します。
それは掌で隠れるほどの小さな伽羅ですが、これをさらに小さなナイフで削った、小指の爪ほどのかけらを量りにかけて販売します。
拭けば飛ぶようなかけら。これだけで数万円してしまう香です。

「まあ。伽羅があるのね。いただくわ。」
「いかほど。」
「10グラムで。」
おばあちゃんは、見かけよりもしっかりしたものの言い方です。
へえ・・と空が見ていると、おばあちゃんは皮の長財布から数万円を出します。
その指。皮膚の張りのよさに驚きます。
皺がないのです。

年齢は皮膚のたるみに現れてしまうものです。
皺、それは人生を刻んできた証でもあるのです。
おばあちゃんにあってしかるべき皺がない。

おかしい、と真樹に伝えようか迷います。
若い子の変装?なんのために?

おばあちゃんは伽羅を買って出て行きます。
その後姿を見送りながら、釈然としない空。
「越屋さん。見すぎですよ。」
真樹が微笑んでいます。
「だって・・長押さん、あのおばあちゃんの手に皺がなくて。」
「そんなひともいるんじゃないですか?」
「え、いないでしょう。ふつう・・静脈が浮いて見えたりとか。」
「そうなんですか。知らなかったなあ。」
真樹はお客に興味がなさそうです。
空の話は、明らかに流しています。
もう・・いいや。
空が諦めた顔をすると、じっと見てきます。
「世の中。まだまだ知らないことがたくさんありますね。俺も知らないことだらけです。」
「長押さんは知らないことなんてなさそうです。何もかも知っていそうです。」
「そんなことはないですよ。今でも、越屋さんが何を考えているのか、量れないでいます。いつでも、そう。一番知りたいことは、わからないんです。いつも遠回りしています。」
真樹が空の瞳の色を覗き込んできました。
「近い・・です。」
「すみません。急に越屋さんの瞳の色を見たくなりました。きれいな茶色。コンタクトみたいにきれいな発色。
もっと近くで見ていられたらなあ・・なんて考えてしまいました。」
ふふ・・・と笑うのはこのひとの癖なのでしょうか。
笑ってごまかしている気がしてきます。









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スパンコールが隙間無く縫い付けられた化粧ポーチに、金髪の女の子たちが群がっていました。
「グリーンがよくない?」
「ピンクでしょう。」

きゃあきゃあ騒いでいる声をよそに、またひとりOLさんらしいきれいなお化粧をした女性がレジに来ました。
「おはじきを・・とりあえず100グラムください。今すぐ使うから、ビニールにでも入れてください。」
「はい。かしこまりました。」
真樹が手際よく量って、ビニール袋にざっと入れました。
紙袋に入れようとしたら「そのままでいいから。」
奪うようにOLさんが掴みました。
「レシートはいらない。ありがとう。」

走って出て行きました。よほど急いでいたのでしょう。
レジ台の上に2万円がおいてありました。
「多いなあ・・。あのお客が今度見えたときに、すこしサービスしようかな。」
空は珍しい言葉を聞いた気がします。
多いか少ないか全く不明。お釣りも出さないやり取りなのに。

「お兄さん。これちょうだい。」
さっきの女の子たちがそれぞれにスパンコールのポーチを持ってレジに押し寄せてきました。
「ねね。どうしてここの店員さんは名札をつけないの?」
「さあ、どうしてでしょうね。」
真樹が愛想笑いをします。
「名前教えて?」
「教えられません。ごめんなさい。」
「え~。お兄さん、可愛い顔してるのにけち~。」
「ふふ。ありがとうございます。でもあなたのほうがこの子よりも可愛いですよ。」
真樹がみえみえのお世辞を言いました。でも彼女たちはまんざらでもないようで。
空がポーチを袋に入れて渡すと、ちょいちょい・・と手招きをしてきました。耳を貸して?そんなジェスチャーです。
空は身を乗り出すようにして、彼女の話を聞いてあげます。
「?なんでしょうか。」
「ねえ、あのおはじきは、なあに?」
誰でも気になるでしょう。
黒い髪のきれいな男子が、お客に言われるままに小さな量りでざらざらと量っている・おはじき。
見ていれば皆がまとめ買いしている・おはじき。
「ああ、ごめんなさい。俺も知らないんです。」
体をひこうとしたら女の子が媚態を見せました。
「じゃあ、あなたの名前は?」
「教えてはいけないみたいだから。すみません。」
あっさり断られて「けちい。」
ぶううと膨れた女の子に苦笑します。
「金髪のお嬢さん。うちはホストクラブじゃないから名前を教えたところで指名もありませんから。」
銀の指輪を磨いていたバイト仲間が助け船を出しました。
「すみませんね、お客さん。18歳になったら先ほどの質問をもう一度してみてください。そうしたら応えますから。」
おはじきの前で真樹がひらひらと手を振ります。
「え~。なにそれ。18って。」
納得しかねる女の子たちを、空はとりあえず笑顔で見送ります。

「長押さん。俺は18歳ですけど。」
「なんのことです?」
「おはじきって。なんですか?これ。」
「まだ聞きたいのですか?知りたければ教えますけど・・まだ早いと思いますよ?」
真樹がおはじきをひとつ指に持ちました。

「でもまあ・・キスをしても動揺しなかったから。越屋さんは大丈夫かもしれませんね。俺が教えたいのですが、よろしいですね。」








気ままに書いてきたBL小説があるので、これをサイトに保存しておきたい~なんて考えてから、はや数ヶ月。
ちっともサイトが出来上がりません・・。
原因は私の飽き性です。
HTML・・と打ち込んでいたら悲しくなりました(爆

ソフトを入れないと無理かなあ・・何処に売ってるのかなあ・・と迷っていましたら。
昨日、バイト先の男子に「ソフトならネットにありますから探してみてください。」とアドバイスを貰いました。
それに「わからないことや素材探しは親切なサイトさんが沢山あるから、探せば出来るはず!」と背中を押してくれました。
ありがとう~~!!

今日、頑張ろうと思いましたが・・・・お出かけしていました。がーん。
なかなか進まないのは、やはり私の性格が原因です・・。

出来上がるのかなあ、サイト・・。
悲しくなるわ、この秋の夜長に。
ただでさえ、センチな気分なのに(苦笑

では、ネットに旅に出ます。焦らずにこつこつ作成してみます・・。








大人の親指程の大きさの、赤・青・黄色・緑・橙のけばけばしい色のガムボールマシーンの横に、水の自販機があります。
地下では水は買うものです。コインを入れると掌サイズのペットボトルが落ちてきました。量にして大体5口分くらい。喉が渇いたときに飲むようなサイズではありません。こんな小ささでもペットボトル。再利用のコストだけが跳ね上がりそうな大きさです。水は一口飲めたらいいのですが。いちいち蓋を開けるのもおっくう。
「カプセルができると助かるのになあ。」
「水の、ですか?面白いことを考えますね。越屋さん。」
真樹が傍から離れません。
なんだか暑くて汗をかきそうなのに、傍に人がいるのはそれだけで暑苦しい・・。
「長押さん。暑いから、今は傍にいなくても・・いいですよね。」
「暑いですか?」
真樹が目を丸くして驚きます。
「俺は暑くないですよ?・・越屋さん。口をあ~んてあけて見せてください。」
「なんで。」
「いいから。あけて下さい。俺がこじあけてもいいですか?」
真樹が指を伸ばしてきたので観念して口をあけました。

「ああ。やっぱり飲まされかけてる・・。」

「なんのこと?」
「あ、口を閉じないでください。越屋さん、さっきのお客に仕込まれていますよ。今、とってあげますから。」
「仕込む?」
「いいから。口をあけて下さい。」
真樹が顎を掴みます。
「・・目を閉じてもらえますか?」
「何するんですか、それを教えてくれたら・・。」
「四の五の言わずに。」
唇を重ねてきました。
そして真樹が自分の舌を匠に使って、空の歯の内側にくっつけられた何かを外しました。
その間。歯を舐められ続けた空は、顔色が悪くなりそうです。
「ほら。越屋さん、取れましたよ。これで・もう暑くないでしょう?」
真樹がそういう前から、空はいきなり暑さを感じないことに気がつきました。
「どうして・・。」
釈然としない空の目の前に、おはじきを舌に乗せた真樹がいます。
「何たべてるんですか?おはじきは食べるものではないですよ・・。」
空が驚いて言いますが
「これが、越屋さんの口の中に仕込まれていたんですよ。」
そう言うと真樹はおはじきを指に取って、ぱきっと割りました。
「え、そんなに簡単に壊れてしまうものだったの?おはじきって。」
「これは厳密に言うとおはじきではありません。」
「え・。」
「越屋さんは知らなくていいことです。必要になったら俺が教えますから。」

「そんなことばかりですね、まともに教えてはくれないのですか。」
「知りたいのですか?」
真樹が頬に手を当てて見つめてきます。
「俺の傍にいたら、そのうちわかりますよ。だから離れないでください。俺は越屋さん以外のひとを、自分の隣に立たせる気がありませんからね。」
「このお店は皆、きれい系だから、俺にこだわらなくてもいいのでは。」
空は、真樹の傍にいるのは悪くない。けれど、どうして自分をこんなに構うのかがわからないのです。

「越屋さんしか考えられませんよ。俺は、越屋さんがいい。初めて顔を見たときに決めましたから。あなたを傍におきたいって。店長にもそうお願いしました。こんな我侭がとおるとは思いませんでしたが、言ってみるものですねえ。」
アングラの中で常時働くのは5人。交代制です。
今こうして2人抜けても3人は店にいるので、回すことは可能でしょう。
もとより。おはじきの前から動かない二人ですし。


「そうですか。よくわからないけれど・・ありがとうございます。」
「本当に面白いですね、越屋さんは。純粋すぎて、壊したくなりますね。」






「ねえねえ店員さん。このラバーソールの25CMはありますか?」
空は、ひとりのお客にジャケットの袖を引っ張られました。
声のするほうを見ると空より年上のような男性です。
白い厚底のラバーソールをぷらぷらと揺らす細い指には、ガボールのごついスカルのリングが鈍く光ります。
「はい。少々お待ちいただけますか?在庫を見てきます。」
空が真樹から離れます。
真樹は、ちらっと視線をお客に送ります。そのお客が値踏みするような目で空を見ているのが気にかかります。
真樹は、おはじきを無意識にひとつ握っていました。
蕩けるくらいに、ぎゅううと握っていました。

ラバーソールの在庫が置かれているのは、店の一番奥でした。
小さなアングラは照明が暗めなので、奥まで行くと・単なる暗闇です。
積み重なる在庫の箱も生気がなく、眠っているようにおとなしい。
空は備え付けの懐中電灯をつけました。
床に膝をつきながら棚の下の在庫置き場に頭を突っ込んで、箱をひとつ取り出します。
「あった。」大きな独り言。
ふう、と息を吐くと「ありがとう。」いつのまにかお客が空の隣にいました。ぺったりと寄り添うようにくっついて座られました。
「わ。」
驚いて靴の箱を取り落した空の手が何かに触れて、さらに慌てます。
誰かの指。
「いいんだよ店員さん。こっち向いてよ。」
ひょいと後ろから抱き締められて動きを封じられました。
「え?お客さん?」
「きみ・可愛いね。一昨日から目をつけていたんだ。きみもあのパーティに出るの?出るならおはじきを沢山買うけどなあ。」
「離して下さい。困ります。」
空が力任せに離れようとしますがお客さんは抱き締めたまま、耳元で囁きます。
「パーティに行くのか教えてよ。そうしたら、おはじきを沢山買うよ。今日は銀行からお金を下ろしてきたばかりなんだ。」
パーティ?何のことでしょうか。
お客は空の体を撫で回します。
その気持の悪い事。この上ないです。同性にいいようにされるなんて鳥肌です。
「沢山買うよ。ねえねえ、いっしょにおはじきを楽しもうよ。」
「あの、困ります!」
素で抵抗したら、お客の手は空の白いシャツを引っ張りました。
ベルトでしめていたのに無造作に裾が乱れて、おへそが見えます。
「店員さんなんだから、いいじゃないか。そんなに抵抗しないでよ。おはじきをやれば、こんなとこくらい平気でしょう?あれ、もしかして。おはじきをしたことがないのかな?未経験なの?」
「お客さん、ラバーソールは。」
「そんなのあとでいい。きみとお話がしたかっただけなんだもん。おはじきを買うよ、沢山買うから僕と一緒にパーティに行こうよ。」
お客は銀行の白い封筒をポケットから落としました。
すこし膨らんで見えました。お札は何十枚と入っていることでしょう。
「離して下さい。困ります。パーティと言われても何のことだか。俺はここの店員です、そんなお誘いは受けれません。」
「じゃあ、きみはいくら?」
おはじきの値段も知らないのに、なんと応えていいものか。
売春はしていません。いくら、違法まがいの商品も扱うこの何でもありなアングラでも店員は体を売りません。
とにかく離れたい。汗のにおいがしてきます。気持が悪いです。
しかし、お客の指が空の唇の中に入ろうとしました。歯に触れます。

かちんと歯にガラスのようなものが当たりました。

ざらつく感触に空が暴れます。
蹴った足が棚に当たり、乗っていたキャリーケースが床に落ちて大きな音を立てました。
床に散乱するキャリーケース。
車輪が外れていないか心配です。
「あ。」一斉に店中の視線が集中しました。
お客が慌てて離れます。騒ぎで注目されたくないのでしょう。
こそこそ逃げていきました。

助かりました。安心する前に・・なんだか疲れました。

懐中電灯の明りが見えます。
「越屋さん。探しましたよ。」
真樹がキャリーケースを拾って言いました。
「こんな奥まで連れ込まれましたか。」
優しい微笑で、空の髪を撫でます。
「怪我はないですか?こんなものが上から落ちてきて、怖かったでしょう。」
そして空の唇にそっと指で触れて
「何も食べさせられていませんね?」不思議なことを聞きました。


「・・靴の在庫を取りにきたんです。」
乱れたシャツをしまいながら、はあ。とため息。
「災難でしたね。無事ですか?」「なんとか。」
さりげなくベルトに手をかけて服の直しを手伝います。
そっとおへそに触れましたが、空は疲れたのか・真樹には抵抗しません。
「・・その疲れた顔もいいものですね。越屋さん、もう離れないでくださいよ。あなたに何かがあったら、俺はたとえ相手が客だろうと許せないので。」
真樹は空の頬に触れるくらいの近さで、話します。
その近さに抵抗がない空は、真樹のいいようにさせています。
さっきのお客よりマシ。なんだか疲れてしまっていました。
「お客さんがおかしなことを言っていました。パーティって何のことですか。」
「越屋さんは知らなくていいんですよ。必要があれば俺が教えます。今のところは忘れてくださいね。・・ところで本当に何も・・さっきのお客から食べさせられていませんよね?」
「ええ。」
「・・気分はどうですか。」
「よくないですよ?」
「頬が上気しています。水を飲んだほうがいいですよ。」







低価格の人工毛のウイッグがあれば、本物の毛を使用した怪しげなウイッグもある。
チープな象牙のレプリカもあれば、ワシントン条約にひっかかりそうな貴種動物も取り寄せ可能。
店頭に並ぶのは、ガラス細工といまどきな洋服と、見た目のきれいな店員さん。
地下の一角にある、一見・雑貨屋さんのような店構えのアングラ。
蛍光灯を使わない・和紙の傘でくるんだオレンジ色の電球をいくつもぶら下げた異様な雰囲気が漂うお店。
ただでさえ暗い地下のお店ですから、よそは蛍光灯を何本も使って・けばけばしい目の覚めるライト照明をしています。そうしないと目立ちません。普通はそう考えますがアングラは、何故か目立ちたくないようです。
隠れるようにひっそりと照明を落として営業しているくせに、ほかより際立つ店員の美貌。
アングラだけ照明で妙に浮いていますが、ひとは闇にも惹かれ易いのでしょうか?お蔭様で繁盛しています。
アングラ。ここの教育方針は、客を集めること。
とにかく売ること。でも売れなくても気にしないこと。
販売数はレジと直結したパソコンが管理しているので、店員さんはお客との会話を楽しみながら、求められるままに服を試着させたり、おはじきを売ったりします。
理由ありな感じがする、このおはじき。
何故か、いつも量り売り。
1個とは言わないでグラムで販売しているのです。

「ねえねえ店員さん。今日はバイトの給料日だったの。間に合ってよかった。500グラムちょうだいな。」
「はい。かしこまりました。」
真樹が愛想笑いをしながら小さな量りを持ち出します。
ざらざらと無造作にお皿に乗せると、量りにかけました。
「この量になりますが。よろしいですね。」
量りに乗り切らずにこぼれるおはじき。
「はい。」
お客は若いOLさん。
きらきら光るラメをあしらった爪が、グッチの財布から万札を無造作につまみます。
「これで。」
「確かに。少々お待ちくださいませ。」
おはじきはプチプチと呼ばれるクッション素材で包まれます。
真樹は真っ白い紙袋にそれを入れてお客に渡してお辞儀をしました。
「ありがとうございます。またお願いします。」
「はあい。」
お客は手を振って出て行きます。
こんなことの繰り返しです。

「真樹さん。おはじきが、だいぶ減りましたね。在庫を足しましょうか。」
「まだ半分ありますから。次に売れたら足しましょう。」
アングラの一番人気のアイテムはおはじき。
そのおはじき担当は真樹。
空はいつもその真樹の隣に立ちます。
この店にバイトで入ったときから、立ち位置はここと決められていました。
真樹が動けば空も動く。逆もまた然り。
「ねえ長押さん。」
「なんですか越屋さん。」
「おはじきって・・そんなに高価なものなんですか?」
今のお客が出した万札は5枚でした。
いくらいくらになります。と言うやりとりは聞いたことがありません。
もとより、おはじきにプライスカードが付いていないのです。
「どうしてですか。」
微笑しながら真樹が問い返します。
「お客に、いくらか聞かれたら困るので値段を知りたいです。」
当然ですね。でも・
「聞く人はいませんから。不安がらなくて平気ですよ。いつも俺が傍にいますからね。万が一、越屋さんが応対してもお客が出した札を受け取るだけでいいんです。値段はお客が知っていますから。」
はぐらかしました。
不審な目を隠せない空に、真樹はにこにこしながら見つめてくるだけ。
応える気がないな。
空は・諦めるしかないと考えました。
「じゃあ、傍にいてください。間違ったら困るので。」
「そうですね。離れませんから大丈夫ですよ。」
「俺は立っているだけで許されるのですか・・?」
「立っているだけじゃないですよ。越屋さん見たさに若い子が増えました。あなたは客寄せです。立派なお仕事ですよ。」
「そんなことがこの世にあるの。」
「ここだから許されるのです。」









体内を思わせるような、赤と青の電気の配線がむき出しになっている地下の街。
いくつか角を曲がると、2人が働いている店・アングラに着きました。
早番の仲間がふたりに手を振ります。
片手に持っているのはマネキンの体。
入荷した服を着せている途中のようで、マネキンは裸でした。
「店頭のマネキンに着せるなら派手めなものがいいのになあ・・。黒い服を持ってみえる。」
店長にやり直しを命じられそう。
空が声をかけようとしましたが。
「あの子は地味好きだから、わからないのですね。まあ、たまにはいいんじゃないですか?」
真樹が遮りました。
「人とは関わらない。ほっておけ。そう、あるひとにいわれたばかりなのです。」
やさしく微笑むと、行きましょうと促します。
「へえ・・。」
ひとと距離を保つこと。アングラな世界にはお似合いな<法律>に聞こえました。

店の裏口でカバンを置きます。
パソコンが置かれたテーブルの横に、仰々しく存在するガラスの大きな金魚鉢。
その大きな金魚鉢に沈んでいるのは、クリアな中に水色のガラスを封じこめた・沢山のおはじき。
空は手でいくつか掬い上げては、納得のいかない顔です。
ひとつ手にして、眺めます。
色素の薄い茶色い大きな二重の瞳。
パーマをかけてウエーブをつけたせいか、寝癖のようなアッシュ系の髪。
細い指先が小さなおはじきを見つめる仕草を、真樹も隣で見つめます。
真樹は、黒いストレートミディアムの髪にシャギーを入れています。
下睫もくっきりしている真っ黒の二重の目は、傍に居る空を捉えています。
静かに、何も言わずに見つめていました。

「・・こんなものがどうして売れているのかな。」

空のその言い方に安心したようです。
「越屋さんは知らなくていいんですよ。」
真樹が帽子を外して微笑します。
真樹は空の先輩にあたりますが年齢は空のほうが1つ上。
なので、お互いが敬語を使っているのです。
でも相手を敬うというよりは、距離を測っているようですが・・。
「ほら。手を拭いてください。店に出ますよ。」
真樹がタオルで拭こうと手を伸ばすと
「自分でふけますから。」
空が、ついっと手を引っ込めました。
「拭きたかったのになあ。残念です。」
「・・おかしなことばかり言うんですね。長押さんは。誰にでもそう言うんですか。」
「越屋さんにだけですよ。」




住民登録者数は全国3番目。空を突き刺す高層ビルに護られた、この都市の主要駅は出入り口が2箇所ありました。
正門と呼ばれる東出入り口。
こちらはお日様の光を浴びた高層ビルが乱反射して、眩しいくらいです。
その光のせいなのか、若者向けのファッションビルや世界に名だたるブランドのビルも建ち並んだ少しすました街並です。
かたや、逆門と言われる西出入り口。
昼間でも逆方向のせいでこちらは高層ビルのおかげで日陰。水が出ないのに取り壊されずになぜか存在している噴水も落書きだらけ。やる気のないタクシーが並んでいます。一面はオレンジのレンガ貼りの舗装をされた歩道なのですが・・その行き先は地下道。逆門では、お店は地下に存在していました。人々も地上を歩かずに地下へもぐりこみます。なんともアングラな雰囲気が漂うこの逆門。
地下で輝くお店は、ウイッグからラバーソールまで。正規の商品からコピーまで。市販の薬から違法ドラッグまで。子供向けの良本はなくても盗撮まがいの本は揃う。多種多様なものを扱うさまざまなお店が立ち並んでいます。

面白いもの。楽しいもの。汚れているもの。きれいなもの。退屈をごまかせるものを求めてひとは集まりました。

「今日は何時からでした?」
その声で逆門のコンコースの壁にもたれていた男子が顔を上げました。
「12時です。」
「じゃあ、一緒ですね。そろそろ行きますか。」
黒いキャスケットを深く被った男子が行動を促します。
「は~い・・。」
だるそうに壁からゆっくり離れます。
その動きを見てキャスケットの男子が苦笑します。
「今日も眠いですか。越屋さん。」
「そんなことはないですよ。・・長押さん。」
「何時に寝ました。」
「2時です・・。」
「俺も同じです。お互い寝ないようにしましょうね。」
キャスケットの男子・長押真樹(なげし まき)は、はきはきした子のようです。
逆にこの子は。
「長押さん・・今日も元気ですね。」
だるそうな子は越屋 空(こしや そら)。
ふたりは背が同じくらいです。
「元気じゃないですよ。越屋さんに会えたから元気です。」
「長押さんはそればっか・・。」
空は真樹のほうをみないまま。
「じゃあ。行きましょうか。」
2人とも黒い服です。
袖が折り返しのカフスになっている白いシャツの上におそろいの黒いジャケット。
パンツは違いました。
空はところどころ破れたブラックデニムで。
真樹は黒のスリムパンツ。
しかし2人ともごつごつしたブーツで、どうしてこんなに早歩きが出来るのでしょう。

「あ。アングラの店員だ。」
すれ違った女の子が声をあげました。
「顔が見えない~・」

「見せてたまるか。」空が呆れて呟きます。
「けちだなあ。顔くらいいいじゃないですか。」
「長押さん。その帽子を外してから言ってください。」
「ふふ・わかりました?」
ふたりが早歩きで向うのは、やはり地下。二酸化炭素が蔓延している朝と夜の区別のつかない街です。



2話に続きます。




拍手のお礼のSSを増やしました。ランダム表示ですが。
  ホモでも読んでくださいますか・・?

  よろしければ・・ぜひ

まだ人生半ばの気もしますが。(折り返しもいいところです。
迷うときだけでもなく、驀進する自分の生き様を変える出会いが今までにありました。

考え方を変えてくれるのは職場の先輩です。いいひとに恵まれています。頭ごなしに、だめ!とは言わずに、黙って見守ってくれて。手を貸してくれて、一緒に笑ってくれる。ありがたいです。
おかげで、凝り固まった考え方がほぐれてきました。
ブログでの創作活動にも、反映されそうなくらいです。

ファッションとか、生き様は  某芸能人の方です。
着ている服も気になりますが・・(弟が、またか!と言うくらい)
その方の発する言葉も、私の指針なのです。
クールに行きたい。

忘れられない出会いは、ひとつあります。
今でもそのひとの影を追い続けています。
おかしなもので・・本気で好きだったのか。
離れたくないだけだったのか。
しがみつきたくても、はまるのが怖くて踏み出せないだけだったのか・・今でもよくわからないのですが。
要領のいいひとでした。
でも一緒に笑っていたひとでした。
なんでもこなせる頭のいいひとで、知らぬが仏な生き様でしたが。
自分を利用しようとする輩には猛然と立ち向かい、のしてきました。
考え方が似ていました。私のほうが鈍くさいのですが、隠してくれました。
傍に居てくれました。


困った悩みとかに直面したときに、
<あのひとなら、こんなときにどうしただろうか。>
そう考えてみると、悩みから脱け出せたりするのです。

前向きなのか、後ろ向きかはわからない・・けど。
あのひとになりたい。
今でも、そう思います。



拍手のお礼のSSを増やしました。ランダム表示ですが。
  ホモでも読んでくださいますか・・?

  よろしければ・・ぜひ。



秋ですが粉雪の舞うお話を書いたらおかしいでしょうか。
季節のせいなのか、やたら せつない気持でいる柊です。

こんばんは。
とにかくせつないお話が書きたいなあ。

もうエロスは、・・抑えるつもりでおります。
すみません、汗が流れそうです。
思い返せば。とんでもないお話です・・書きたくて書いたけど♪

ど・・どうなのでしょうか。心配です。でもここではエロは合わない気がします・・。

エロは、よそで書きます(爆


拍手ありがとうございます!!泣けてきました・・。
さっき終れた「目指すのはきみ。」の出来はさておき(え・・
 これからも頑張ります。

 もっと精進します。本当に、ありがとうございます。


反省して、次に生かします。書きたいことがあるので・・。
難しいことばかり考えてしまうけれど、それを消化できるプログラムが柊にはセットされていないのでした。

OS書き換えてください、誰か(爆


●アンケートもありがとうございます。まだまだ募集しております。

お気軽に・・ひとつ♪いただけると嬉しいです。

ぽん太様 コメもありがとうございますvv
私もそうです♪ 年下大好き。年齢関係なく・・でいきましょう♪


拍手のお礼のSSを増やしました。ランダム表示ですが。
  ホモでも読んでくださいますか・・?

  よろしければ・・ぜひ。



2006.09.23 空が近くて。
通勤に利用している駅が、今日から高架になりました。
マンションの下を這うように進んでいた電車が、高いところからホームに滑り込んでいく光景が、とても近未来的で。
この街も、大きくなるんだな~と感じました。

いつもよりも近い空。創作意欲を刺激されます。

明日もバイトですが、電車に乗るのが楽しみになりました。

私は銀河鉄道に憧れていました。

明日は遅番なので、帰りは星が見えるはず。
まさに、銀河鉄道気分かもしれませんね!

星を見ながら帰宅できそう。楽しみです。明日も頑張ります♪



  拍手のお礼のSSを増やしました。ランダム表示ですが。
  ホモでも読んでくださいますか・・?

  よろしければ・・ぜひ。




横のアンケートもお時間がありましたら・・。
猫になりたいです。ずっと昼寝をしていたいです(今の願望じゃん。

できることならお金持ちに飼われてですね・・好きなようにお出かけもさせてもらえたら。

贅沢がしたいだけなのか?自分の願望の浅はかさに書き込みながら脱力。


あんな小さい体で眺めるこの街は、あの瞳にどう映るのだろう。

たくさんたくさん歩いても、たどり着けないかもしれないけれども。

この街を謳歌しながら日々を過ごすなんて悪くないな。

時には野良猫との縄張り争いで喧嘩もするんだろうな、怪我もするだろうな。自由と引き換えに渡すものは、日常のサバイバルと感情かしら。
今の私から切り離せないものじゃないの。
それが俗物ってことかしら。
むう。情けない。

ちっぽけな体でかんじる世界は、どれだけ広くて狭いのだろう。
猫の気持は・・猫にしかわからないね。
私の気持も私しかわからないし。

今を謳歌して生きましょう。
おからを混ぜ込んだハンバーグとか、水餃子とか・・料理は好きなので、いろいろ創作しながら作ります。
幸いなことに、同居している弟から「これはまずい。」と言われないので、調子に乗っています。

我慢しているかもしれないのにね(笑

南瓜のカレーは、特に喜んでくれます。私も大好き。
ジャガイモのかわりに南瓜。
お肉のかわりに大豆の水煮をいれるカレーです。
南瓜が甘いので、いつもよりも辛めに仕上げないといけませんが・・。
このカレーに、ゆで卵を添えてテーブルに出します。

ほかには・・鶏のから揚げかなあ。鶏の胸肉を揚げて、大根おろしをつけていただくのです。
さっぱりしています。

最近作ったのは、スライスしたレンコンに鶏のひき肉のつみれみたいなものを挟んで焼いたもの。おいしいといってくれたので、また作ろう。

あとは・・サバの味噌煮。これは最近作っていないなあ・・。

美味しいものを食べさせたくて、頑張っちゃうほうです。
時間があれば・・もっと手のこんだものを作りたいな・・。

料理って、ストレス発散できるので・・その点でも大好きです。


2006.09.19 そういえば。
リボーンのSSをここで書くつもりでいたのに、独立してよそでブログを作っていました。

カテゴリが残っていて不信極まりないですね(汗

こちらで書いております。
「ワールド・ワイド・ラヴ」

まだ少ししか書けていませんが、今後増やしていきます。
ちょこちょこ更新していきますので、よろしくお願いしますvv

先週の「2時ピタ」録画しておいたものを、先ほど弟と見ていました。

激しく、後悔しました・・。

ひとりで見るべきでした。


どうしてBLなCDを流すのですか・・。
初めて聞きましたけど、強烈な台詞(声)じゃないですか・・。
エロ本を読む男性や、AVの存在を非難できませんよ。
すごいものが世の中に出回っているのですね・・・・・・・・・、

ひいてしまいました。(爆笑


全然お話が違うのですが、バイト先で買ったマンゴーソフトを食べていました。
美味しい・・こともなく。まずくもなく。
ただいえることは、もう買わなくてもいいや。という味でした。
和菓子が好きなので、こういうものは元々合わないのかもしれません。

でも大好きなマンゴー。ついつい手をだしてしまう私です。


つい最近まで携帯の着信は「sing as we go」でした♪
キリンのFIREのCMで流れている曲です。

今は反町さんが出演されていますが、前は木村拓哉さんでした。

スーツ姿の木村拓哉さんが、がんがん歩いていく姿がクールで、
こんな生き様でありたい!と感じて・着信用にダウンロードしたのです。

歌詞がわかりませんが、「明日なんて知るもんか」といっているのかな~なんて勝手に解釈しながら聞いています。

出演者が変更になったので、なんとなく今はバイブ機能だけです。


これはこれで、外出先だと助かります。


曲のお話続きで、HMVさんでブルーハーツのベストを見つけました。


THE BLUE HEARTS THE BLUE HEARTS
THE BLUE HEARTS (1987/05/21)
トライエム

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「リンダリンダ」「ひとにやさしく」は勿論。あの名曲が再び!な感じでした。
甲本ヒロトさんの詩がストレートで、好きなのです。

音楽は聴いている人にパワーを与えるものだと思います。
絡み合う音が、生きる励みになったり、立ち止まることを教えてくれたり。そしてその音で思い出す淡い記憶もあります。

ではまた。アイドルのお話でお会いしたいです♪

pingoo様に登録させていただきました。ありがとうございます♪
充実したブログを作りたいなあ。

着ている服も靴も財布も黒が多いのですが、
私のカラーはグレーだと思います。

もう少し若い頃は(笑)白黒はっきりしないと気がすまない人でしたが、最近はそうでもないのです。

年のせいかな??いやだなあ・・、でも・ま、いいか。

今は、はっきりさせたがるひとがもしも周りにいたら、
うざいです(苦笑

中間な感じで、たまには曖昧なグレーゾーンで生きたいです。

白黒はっきりさせるのは、すっきりするけど。

どこかでいつも無理をしてきた気がします。

もうあんまり無理はしたくないの。




好きな色はオレンジなので、これは・・かなりはっきりした色なのですが。

こんな色になれたらいいなあ。なんて・

お日様と同じ色だから好き。


さっき名古屋ローカル番組で、バイト先周辺の紹介を放送していました。どきどき。




お昼過ぎから涼しげな雨が降り出しました。
初秋を思わせる肌寒さです。
こんにちは。柊です。

お昼に、ひそかに贔屓している神戸屋さんのサツマイモ蒸しパンを食べました。美味しい・・vv
珈琲も飲んで、しばらくほっこりしていました。
南瓜とサツマイモには弱いのです。
煮たりして熱いところを、いただく。
ほくっとして甘いところがたまりません。皮がすこし苦くてね。


名古屋名物なのかもしれないのですが「鬼まんじゅう」なる和菓子があります。
切ったさつまいもと小麦粉と砂糖を混ぜて蒸したものです。
つやつやした黄色い表面が食欲をそそります。
幼い頃は、母親がよく作ってくれたので私にはとてもポピュラーなおやつですが・・全国的ではないのかな??


ようやくYUKIちゃんの「ふがいないや。」入手しました。
アルバムも出てるのにね(笑)これ ↓

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YUKI (2006/09/06)
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このジャケはすごくクール。
       
この小さなからだでこの声量。
いろいろなことを乗越えてきた素敵な女性が繰り出すパワーに、元気をもらいます。
  不幸な出来事で一時期こころの病に倒れられたようです。
  それを乗越えたYUKIちゃん。
  私の支えです。私もがんばる。


ではまたアイドルのお話でお会いできますように・♪






劇場版をこそこそと見にいったことが、10年前の話とは気がつきませんでした。
そんなに時が流れていたのですか。
大好きな綾波は、よくフィギアで見かけていたし。
あの頃は生意気にしか見えなかったアスカが好きになってきたし。
いつも身近にいたような気がして・・。
何故だろう、ちっとも色あせないアニメなのかな。
あ。
よく新聞の折込で入るパチンコ屋さんの広告のせいかな(笑

変わらないのは、私は綾波と使徒が好きなこと。(おかしいよ
カヲルくんも好きですが、BL的なあの感じは好みではなくて(微妙

だって綾波が可愛いもん。この子が一番。

あの巨大化には顔を背けてしまいましたが・・。
泣きそうでしたよ怖くて。
あんなのは無いよ。
幻想打ち砕くような気がした・・。


いろいろな思い出のあるあのアニメが、再び劇場版になって帰ってくるのは、喜ばしい限りです。
シンジの息継ぎのないこころの呟き(叫び)が、シンクロしそうなくらい身近な恐怖です。

なににせよ。完成が楽しみです。
生きていなくちゃ。綾波に会いたいから。


来年の夏からでしたっけ、公開予定は。
またこそこそと劇場に行かなくちゃ・・(爆笑

その前にSEEDか。こそこそが増えるわね。
ガンダムはモビルスーツが好きなので、正直SEEDは微妙なの。
キャラクター可愛いから好きだけど。
機械マニアとしては・・・・悔しい。プラモ作る意欲がわかない・・。

一押しはリックドム。(マニアックだ
プラモ改造して座らせていたくらい機体に惚れています。



あ、勿論初号機大好きです。あの動きが大好きです(笑


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ブログを始めた頃は雪が降っていました。
寒くて、ひざ掛けかけてパソコンの前にいました。
2月の上旬、春が待ち遠しい季節でした。

慣れないパソコンを操作しながら、いろいろな曲を聴きました。
クラシック・洋楽・邦楽・・とにかくいろいろ聴いて自分の無くしかけていたからだのリズムを取り戻そうとしていました。

エンドリケリーX2の「ソメイヨシノ」を聞いて感動していたような。
言葉の選び方も、音階もはっとさせられました。
堂本剛さんは、ただのアイドルではなかった。

やさしくて哀しい。
そんな歌を狙って作れるものじゃない。
堂本剛さんの色だと思います。


私はそんなブログを作りたいなと思います。
柊リンゴの色のブログ。
そう思いながら、もう半年過ぎて。いまだに毎日もがいています。


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「自分で目覚めないといけないよ。」
佐紀の声がバスルームに響いた。

はっとして、顔を上げた。佐紀はいない。
感じていた冷たい体温もない。

繋いでいた手を、離されてしまった。
途端に聞こえていなかったシャワーの音が激しく耳を打つ。
おかげで、ざわざわした雑音は聞こえない。

背中にかかるぬるめのシャワーが、だんだん現実を感じさせてきた。
わかる。
今・自分がひとりだっていうことが、よくわかる。
薬が抜けてくる時間なのかな。
体がどんどんだるくなってきた。

立っているのもやっと。バスタブの縁に腰掛けた。
汗が出る。
佐紀はいない。
最初から存在してはいけないひとだったのに、俺はここまで引っ張ってきてしまったんだ。


堪えてきた負の感情を一手に引き受けていた、もうひとりの俺の佐紀。
ひとつになりたい、それは・・・認めるということなのかな。

俺は今、眠り続けようとしていることを。


バスタオルで体を拭きながらパソコンを立ち上げた。
医者からのメールが来ていた。
やけに細かい字で書くんだな。
読むのも疲れそう。

<・・・・・・・・・・・傍に誰もいないはずなのに声が聞こえると、先日話してくれましたね。その後。いかがですか。まだ、何か聞こえますか?なんていっていますか?>

キーボードの前に散らばっていた薬。
まとめて飲むと幻覚や幻聴を引き起こすばかりでなく、数時間後に全身の虚脱感を引き起こして無気力になる。
逃げ出したいなんて、どうして思えたんだろう。
俺が死ねば佐紀も死んでしまう。
・・佐紀を殺してしまうところだった・・。

おじいちゃんが迎えに来ていることを気がついたには佐紀。
本当の自分を目覚めさせないと連れて行かれるところだったんだ。

ありがとう、佐紀・
でももう呼べないようにするよ。



「大丈夫です。もう目を覚まさないといけない気がするので。」
返事を打ちながら、軽いめまいがした。
自慰で久しぶりに抜いたから、眠くて仕方ない。
このまま・・・寝たらいけないね。
もう声はしない。




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9月に入ってから早朝は肌寒いくらいに涼しくて。
もっと眠りたくなります。この早朝だけ、時間が増えたら嬉しいかも。

涼しい空気の中で、あと1時間でもいい。
眠りたい。だらだらと。
心地いいもの。
ああ、もっと眠りたいです。
  ただ単に眠りたいだけ・・??


日中は相変わらず30度を越す名古屋です。
もうすこし涼しくなるとバイトにも喜んで出かけるのですが(笑
歩きたくないよう・・暑いよう。

頭がぼうっとしていますが、今日はバイト先で荷物が入荷するので。
朝ごはんをたべておきました。
これで力が入ると思いたいです。
しかし目が覚めない感じです。さっきから欠伸ばかり。


 連載しているホモ話がおかしかったので直しました。
 
 いろいろ見直せば、アラばかり。
 がんばらなくちゃです。

 本店「ヒロガルセカイ。」で花魁のお話を始めました。
 これがやけに字が多くて。
 ブログの小説として正しいのか、よくわからない・・。
佐紀がいない。冷たい感触がいきなり消えた。
体を起こすと足の付け根が白く汚れていた。
幻じゃない。
生きる証を受け容れたものが確かにいた。

さっきまで佐紀のなかにいた自身に触れてみた。
すっかり濡れたそれは温かい。
「佐紀?」
名前を呼んでも返事がない。
本当に自分のなかに溶けているのかな。
それなら、もっと満たされてもいいのに。
この空虚な感覚はなんだろう。寂しくてたまらない。

ベッドから降りると足元まで精液が零れてきた。
恥かしくてティッシュであわてて拭く。

佐紀、佐紀?
部屋の中を探して歩いた。

佐紀?

どこにいるの。

シャワーを浴びようとしたら、なんとなく胸が気になった。
佐紀がふれた乳首に触れる。
ずくん。下半身が痺れた。
なんで?今まで自慰をしてもこんな感じ方はしなかった。
どうして・・。
もう一度、ゆっくりなぞってみる。
・・・目覚めた自身が水滴をたらしながら行き先を伺う。
どうして・・。
感じやすい体になってしまっているんだ。


「自分で触ってみて」
耳元で声がした。
「佐紀?」
「こっちを見ないで。さあ、先端を持ち上げてみて。」
「・・苦しい、」
「まだまだ我慢。」
佐紀の声がバスルームに響いている。
「佐紀、お願い。佐紀が触って?・・」

「自分で起こさないと。ゆっくりでいいんだ。感じることを思い出すんだ。」

自分で支えていても、暴発しそうなことはわかる。

「佐紀、いれさせて?」
「だめ。自分でやってみて。」
「気持よくなりたい、ねえ、佐紀。」

「手で擦るんだ。思い出して?薬に負けないで。」

薬・・ああ、ぼんやりするのはやっぱり薬のせいなんだ。
この抜けるような快感は、久しぶり。
でも自慰よりも誰かと一緒になりたいのに。

「千里?」
「佐紀、出てきて。俺を抱いて?」

「それじゃあ、また人格がふたつになってしまう。」
「佐紀が必要なんだ。」

「俺はここにいるから。焦らなくていいんだ。ゆっくり手を伸ばしてごらんよ。」
佐紀のやさしい声が聞こえる。
姿が見えないのに声だけが聞こえる。
「俺のなかに放って、千里。」
言われなくても、もう止められない。
決壊したダムのよう。自分の体が、ぶれるほどにすべてを放ってしまった。
佐紀と結合した部分からじわりと白い精液が流れてくる。
俺の・・。
目を背けてしまった。
「千里。まだ受け容れられない?」
佐紀の呼ぶ声にも答えられないでいた。

感じてしまったことが恥かしい。

佐紀が体をずらした。
ずるりと抜いたところから、どくどくと俺の精液が流れていくのが見えた。
「ひとつになろう・?俺を溶かして。」
佐紀の手に捕らわれた。
重ねたはずの唇、感触は花びらのよう。
微かに触れたのが味気ない。
佐紀が悲しそうな顔をした。

「俺を入れて。」

佐紀の静かな声。胸をなぞる指先。

「どうしたらいい・・?」
「力を抜いて。口をすこしあけていて・・。」
佐紀の舌が入り込む。
俺の口腔内を味わうように、ゆっくり舐めている。
唾液が零れて興奮して充血した乳首に滴り、糸をひいた。
恥かしくて指で拭おうとすると佐紀に見つかる。
カリ・軽く歯をたてられた。
ぐっ!とのけぞる背中を佐紀の腕が支えてくれる。

まるで自慰をしているかのような充実感。
自分しかわからないその場所を順番に佐紀が触れていく。

「ここに入れさせて。」
ゆっくり胸を撫でられた。
「千里と共に在りたいんだ。」
俺の右手を掴むと、再び起き上がろうとしている自身にあてがわれた。
「な・?なにを??」
「一緒に擦ろうか。・・さっきよりも気持がいいはず・・。」
佐紀が俺の手を使って、俺の自身を擦り始めた。
「や・・そんな、これじゃマスカキ・。」
「俺が手伝っているんだから、思い出してよ。
ほら・・硬くなる。気持がいいだろう?」
痛い、これじゃ皮膚を剥ぎ取られる。
「千里、もう一回俺の中で動いて。きっと今度は俺を溶かせる。」
そそりたった自身を佐紀は下の口で銜えた。
「ああ・・動いてみせて。」
「佐紀、」
腰を奮わせる。
がくん、と佐紀のからだが折れたよう。
ぷるんと丸みを帯びた乳首を見せ付けるように震えた。

「自分を・・好きになれるな?」
荒い息を吐きながら佐紀が微笑んだ。
「千里。沈むよ。」
そっと倒れこんできた佐紀を受け止めようと両手を伸ばした。

はずなのに。

両手はするんと通り抜けて。
佐紀が見えなくなった。



拍手をしてくださると御礼に またホモ。




「ひとつになりたい。そのために俺は千里に会いに来た。」
佐紀が俺のシャツを脱がせていく。
「ちょっと待って。なんのつもりだよ。」
制しようとする手を、たやすく払いのけた。

佐紀は自分のシャツも脱いで、窓から捨てた。

「・・どうしたんだ?」

佐紀のからだには細かい傷があった。
カッターで切ったかのように細い傷は、手首のあたりではぷくんと膨れていた。
「どうして?」
「これが千里のこころだよ。」

「無数の傷を受けて、それを痛いと感じることすら麻痺していた。千里は感受性が強すぎるから、無害なはずの言葉すら傷つくんだ。
それを面に出さないように隠してきた。それがこの傷。」
佐紀がなにを言い出したのかわからない。
「なんだって・・?」
「千里。もう堪えなくていいんだよ。解放しなさい。」

解放?

佐紀の瞳の奥を見つめていくと耳元でキイイイイイインと金属音がした。
頭がいきなり重くなった。
背中から、急に悪寒が走った。


どうして昼間から部屋にいたのか。

おじいちゃんは入院して戻ってこなかったのにどうして荷物が届くんだ。

知ってた、俺は全部知っていた。


枕もとの紙袋を取り出した。処方箋。中から小指の爪よりも小さな白い薬が出てきた。
「千里。俺が見えるなら、ひとつになろう。」
佐紀が俺の上にまたがった。
ゆっくりと胸を撫でて、そっと下半身に降りていく。
「ここだ。ここを起こしてあげないと、千里は起きれないんだ。」
佐紀が眠り続ける俺の自身を持上げた。
「薬を飲むと起たなくなるんだ。かといって、薬は急にやめれない。」
佐紀がゆっくりと愛撫してくれた。
プールの底に沈んでいくような、ゆったりとした時間をかけた愛撫だった。
おかげで刺激がどんなものか思い出した。
ぐぐっと持ちあがるそれを、佐紀は安心したような穏やかな表情で自分の中に押し込んだ。
「・・佐紀!」
いくらなんでも、それはない。
何日も欲望を忘れていたそれは、ぱんぱんにはじけそうなんだ。
まともにくらったら、佐紀のからだが壊れてしまう。
「佐紀、抜いて!」
「抜けない。・・ひとつになるんだ。そのために・」
「やめて、俺はまだひとつになれないよ。」
「ならなくちゃ。」

佐紀がおじいちゃんの本を片手に持った。
途端にその本が消えた。

「わかる?・・おじいちゃんが千里を呼びに来ているんだ。」
佐紀の頬にするんと涙が零れた。

「行かせるわけにいかない。
千里が生きることを諦めたら俺も死ぬ。
俺は死にたくないんだ。千里と共に生きたいんだ。」

佐紀の腰が激しく波を打つ。
締め上げられて苦しい、ちぎりとられそう。
シーツを掴む手が汗ばむ。
苦しい俺を見つめながら佐紀がどんどん絞っていく。


拍手を押してくださるとお礼のSSがありまする。ホモです。





俺の中に居たの?俺とは違う黒い髪に深い夜のような黒い瞳の佐紀。
「小さい頃からここに居たのに。なかなか呼ばないんだから。」
佐紀は微笑んだ。


俺はぼうっとした頭で思い出そうとあがいていた。
小さい頃。・・俺には友人がいなかった。
父さんも母さんも働いていて、俺はいつもひとりぼっちで。
夕方の空を見上げながら、もうすぐ母さんが帰ってくるかな、なんて・・・寂しい毎日を過ごしていたなあ・・。



「千里。本を読んでやろう。」

おじいちゃんが本を探していた。手持ち無沙汰の俺が、おじいちゃんの本棚から紐で綴じた本を取り出したんだ。
「それは大事だから。元に戻しなさい。」
はあい。
俺は本棚に戻す前に、ぱらぱらとめくった。
カタカナばかりで読みにくい。
ただ表紙の言葉はおぼえていた。

<キミヲオモフ>

どう読むんだ。フ・を、う・と読むとわかったのは小学6年のとき。
歴史の授業で気がついた。
ああ、<君を思う>なんだ。
長年ひっかかっていた棘はようやく抜けた。
そして、本の中身に対して興味がわいた。
何が書いてあったんだろう。
今でも十分通用しそうなタイトルの本。
おじいちゃんが「大事」と言った本。




・・佐紀が額に手を当ててくれている。
冷たくて気持がいい・・。



「おじいちゃん。あれは何のお花?」
「梅の花だよ。」
白くて小さな花が咲いたのは、まだ春にならない雪の残る2月の終わり。
「もうすぐ桃の花も咲くよ。」
「どんな色?」
「鮮やかなピンク色だよ。
梅の花には負けるけれども、かすかにいい匂いがするお花だよ。」



見た覚えが無い。

「おじいちゃんは入院してしまったからね。」
佐紀が続きを受けて答えてくれた。
「そのお花が咲いていたとしても、千里にはわからないのさ。見たことがないから。」

おじいちゃんが入院。俺は・・そのとき・・。

「ひとりになった千里は、こころのなかに俺を作った。」
佐紀が俺をそっと抱き締めた。
「寂しい毎日を、ひとりで過ごすには辛すぎたんだよね。千里の欲しいお友達が俺だ。俺は千里の友人であり、分身だよ。」



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