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夢の中に出てくる人は、なにかしらのメッセージを携えているという。

晴矢は、初めて利玖の夢を見た。
カラフルな色の夢を見る晴矢は、その世界に不似合いな利玖の姿に驚いた。

黒い髪、黒い目。
そして何を考えているのか読ませない微笑。

「ちゃらい」
あの強烈な一言は悪意から生まれたのだろうか。

リップクリームを塗っているらしい唇と、
やたらと至近距離で話す意味がわからない。
自分の器量のよさを知り、それを大いに活用しているのだろうか。

だとしたら手ごわい相手であり、
敵にまわすのは得策ではない。

『こいつはきっと、腹黒い』
そう思い込んだとき、晴矢は目が覚めた。

なんとも瞼が重く、体がだるい。
クーラーをかけて寝ればよかったと思うほど、気温の高い朝だった。




晴矢は朝食を抜き、登校した。
校門をくぐる前に学校手前のコンビニで缶コーヒーを買おうと手を伸ばすと、
「先輩。微糖ですか?取ります」
後輩の期待に満ちた声がする。

コンビニの冷蔵庫から缶コーヒーを取るくらい、
誰でもできる。
しかし、後輩は晴矢を見上げ、目を輝かせている。

「ごめん、俺は…」

「ブラックなんだよね?」

その声に驚いて振り返ると、夢にまで見てしまった利玖が立っていた。

こういうときに同じ背丈というのは罪である、
目線が反らせないのだ。

「なんで、知ってんの?」

素っ頓狂な声を上げた晴矢に「買うのを何度も見たから」とそっけない返事だ。

「キャラメルマキアートでも飲みそうな感じなのに、へーと思って覚えてた」

「どんな思い込み?俺はそんな甘いものは飲まないよ」
夢の中でも蔑まれた相手だ。
晴矢は関わりたくないとばかりに、缶コーヒーを持つとレジへ向かう。

「僕も、ブラックしか飲めないんだ」
追いかけるような声に背中が反応してしまう。

「背も同じ。コーヒーの好みも同じって?」
なんとかこの場を逃げたい晴矢だが「あ、身長が同じって知ってたんだ?」ととぼけられ、
「昨日、あんなに顔を近づけておいて、そのすっとぼけは…」
と言い返してしまい、思わず口を手で覆った。


すっかり聞いていた後輩は「あ、そういうご関係だったんですか」と驚き、
コンビニから逃げるように駆けて行ったのだ。

「あの子、口が軽くて校内で有名なんだよ」
「は?」
「セックスをしなくてよかったね。していたら、目を覆う事態だよ」

利玖は後輩の背中を見据えながらつぶやいた。

「言いまわされるの、いやでしょ?」
「いやだけどさ。よくそういうこと知ってるね」

晴矢は利玖の事情通に舌を巻いた。
それが真実かどうか確かめもせず、信用してしまうあたりがちゃらいのだが。

じきに後輩の姿は見えなくなり、利玖が「そろそろ僕らも行こう」と声をかけた。

いつの間に連れ立っていたのだろうと、晴矢は心が落ち着かない。
気を許した相手では無いので警戒してしまうのだ。

しかし利玖は容赦ない。
缶コーヒーを持つその手をしげしげと見、「指、細いね」とつぶやく。
「前から知ってたけど」
「は?」
どうもそわそわしてしまう、できれば後輩のように逃げ出したい心境だ。


「その財布」
「ん?」
利玖が察したのか、晴矢の財布を指した。

「僕も好きなブランド」
「…あ、そうなの?」

服装に重点を置く晴矢は、この一言で利玖に対する評価が高まった。
「あ、そうなんだ!これ、結構いいよね」
晴矢が嬉しそうに話すと利玖もつられたように笑う。

「1つ持っているけど、違う種類も欲しくなる感じ」
「あ、わかる!」

買った缶コーヒーを片手に連れ立って歩き、校門をくぐる。
ブランドの話を続けたようだが、
妙に浮き足立った晴矢は何を話したか覚えていない有様だ。
好きなブランドのことを話すと気分が高揚するものだ、
晴矢も例外ではない。

だが時間が迫っている。
下駄箱には人が少なく、まもなく始業のベルが鳴ると予想できる。

「急がないとまずい」
慌てて靴を履きかえる晴矢に「まだあと3分ある」と利玖が言う。

「3分じゃ教室まで行って、ギリセーフでしょ」
「そうでもないよ?ネクタイくらい、直してあげるよ?」
「は?」

すると利玖が「しっかり立ってろ」と言いながら晴矢のネクタイを結び直した。
「手間かけさせんな・じゃないの?」
「相手が有明晴矢だから、僕はここまでするんだ」

その言葉の意味が晴矢にはわからない。
返事ができずに唾を飲み込んだ。

「昨日は締めていなかったし。もしかして自分でできない?」
眉を上げる利玖に、晴矢が反論しようと口を開けると、
その隙間に唇を押し付けられた。

どかそうとしても体ごとくっついてきている利玖が容易に離れない。
油断していた両足の間に足を突っ込まれ、
その腿は晴矢の股間を擦って刺激する。

ヤバイ、そう感じた晴矢は首を振る。
しかし頬に利玖の髪が触れ、ぞくりと性欲の高ぶりを覚えてしまう。

脳裏に走るのは夢の中の利玖だ、
「ちゃらい」、たしかにそう言った。


「…時間、ないって、言ってただろ」
ようやく突き飛ばすと、晴矢はそう言い放つ。
「なに、考えてるんだよ?」

「ネクタイくらい、僕がいつでもゆるめてあげる。こうして締めることもできるし」

利玖は不敵な微笑を浮かべると腰に手を当てた。

「実はさ。今朝方、夢を見たんだ。有明晴矢の・ね」


3話へ続きます













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「先輩、あ・すご…。やだァン・ふ・震えて、も、イッちゃいそ!」
セックスに慣れた腰つきだが、感極まったらしい涙声が部屋に響く。

「アッ、ぅううん、もっと擦って、先輩!」
「うるさ…」
自分の背に腕を回し、開脚してあられもない姿をさらす後輩の喘ぎ声に、
有明 晴矢(ありあけ はるや)は萎えた。

感じるのは構わないが声が大きくて嫌と感じた途端、
挿入している相手がどうでもいい存在へ変わる。
熱は冷め、求めていた力が消えていく。

「先輩、どうし…」
「早くイけば?」
「えっ…」
すがる腕を払い除けて男根を抜くと、後輩を捨てて身支度を整え、1人さっさとドアを開けた。




「有明晴矢くん。まるで男娼だね」
ドアを背にした晴矢に、実に低いトーンの声が投げかけられた。

「貴重なお昼の休憩時間に、資料室で、なにやってんの」

振り返ると黒い両目が非難していた。
顔をよく見て確かめるまでも無い、
自分と同じこの背丈はあいつしかいない・と晴矢はまたしても陰鬱な気分になる。

晴矢と同じ背丈で同級生の千里 利玖(せんり きく)だ。

この高校で2年になるまでその存在を知らなかったが、
『真面目で教師受けがいい』『キレイな顔してるけど笑った顔を見たことが無い』、
そんな噂を耳にした半年後、3年で同じクラスになった。

真面目で教師受けがいい、
まさにそのとおりでクラスでは副委員を担っている。

それに澄んだ瞳と形の良い唇、噂どおりにキレイな顔をしているが、
笑顔を見た日はまだない。
もとより会話をした経験もあまりない。


「どうもー。こんなところで会うなんて不思議だねえ。3年の教室はここから遠いのに?」
晴矢がふざけた挨拶をしてみると、利玖が「そうだね」と鋭い目つきだ。

「3年のちゃらい男が1年を資料室で性交、そんな投書が職員室にあったってさ」
「はっ?」
晴矢が聞き返すと利玖は腰に手を当て、「はー」とため息をつく。
そして2歩も歩み寄り、晴矢の髪をぐいとつかんだ。

「いた!なにすん…」

「ほんと、ちゃらいねー。どうせなら、見つからないようにやりなよ」
「はあ?俺は誘われただけだって!」

「どうだか?」
顔を寄せると同じ背丈あって、互いの鼻がコツンとぶつかる。

「近い!」
「1年とは体ぶつけてセックスしてるんでしょ?僕は近いとまずいわけ?」

利玖の息が頬にかかり、晴矢は思わず自分の息を止めた。
しかしすぐに息苦しくなり、顔を背けて息を吸おうとしたそのとき、
耳たぶに冷たくて柔らかいものが触れた。

なんだ?と手を伸ばすが何にも触れられない。

「有明晴矢、髪も校則違反だよ。もっと落ち着いた茶色に染めたほうがいい」
だが、耳元には唇が迫っていたのだ。

「はっ?」
「これ以上、教師に目をつけられると僕1人ではかばいきれない」
「はあ?おまえ何言ってるの?頼んでないって!」

元々、校則違反ばかり繰り返し、
3年になってからは悪い先輩に憧れる1年に誘われて校内でセックスまでし始めた。
そんな晴矢は、やさぐれて自分でもいつ退学になるかと指折り数える始末だった。

「素行が悪くて、2年の冬に『桜が散る頃には退学』の噂があったね」
「あ、知ってた?」
「僕が副委員をしているからには、退学者は出さないよ」

真面目すぎるが、どこか背徳な香りのする隙を晴矢は嗅ぎつけていた。

「へえ。でも、そんな噂はどこから聞いた?やっぱ、教師とできてたり…」
すると、晴矢は頬に平手打ちをくらった。
至近距離で叩かれた頬は、じんじんと痛む。

「…言うことを聞いたほうがいいよ」
利玖は、ふいに晴矢の髪から手を離した。

「むかつくことばかりだろうけどさ、仕方ないでしょ。生徒・なんだから」
「優等生が言うことかよ?」

晴矢は耳を疑った。
教室の中でもこれほどなれなれしく口を聞いたことはなかった相手だからか、
信じがたい言葉を聞いてしまった衝撃は大きかった。

それに利玖は細い指の持ち主でもあった。
晴矢が指を目で追うと、しなやかなそれは空を切り、横に揺れた。

手を振られていると気付いたのは数秒後だ。

指に見蕩れたのもある、
だが、利玖はいつのまにか親しみをこめた微笑を浮かべていたのだ。

その笑顔が自分に向けられていると知った晴矢の胸は騒いだ。
誰かに好かれる事に慣れていたこの男は、
堅物の副委員も落としたと思い込んだのだ。

「早く教室に戻りなよ、授業に遅れたら行き先を聞かれるのはいつも僕なんだから」
「…副委員は大変ってこと?」
強気を出そうとしたが、晴矢は自分の声が震えたのを知り、動揺する。
しかし背を正すとなにごともなかったかのように咳払いをして誤魔化した。

「クラスメートのお守りってのはたてまえで、実は」

「…手間かけさせるなってことだよ」

笑顔とは対照的な冷たい言葉に晴矢は目を見張る。
続く言葉を見出せない唇が半開きになり、ただ利玖の呼吸を確かめる。

晴矢は気分屋で誰かに対して冷たい態度をよく取る、
しかし冷たくあしらわれたのは初めてだった。

「ほんと、ちゃらいよ、有明晴矢」

黒い目は晴矢を射抜いたのだ。
気持ちを見透かされていないかと慌てるほど、その視線は鋭く、揺らがなかった。

胸騒ぎは自分の感情の高まりとようやく気付いた晴矢だが、
この近さにいても利玖に手を出せない。

「そして、度胸が無い」
利玖は晴矢の胸を指先で押した。
それは軽い力なのに晴矢は足元をふらつかせてしまう。

「…やば。腰にきた」
そう独り言をぼやくと、足早に利玖から遠ざかる。
「教室に戻る?」
「ああ。先、行くわ」

「意外とちょろいね」
利玖のつぶやきは晴矢には届かなかった。

渡り廊下には梅雨前の湿り気を帯びた風が入り込み、
制服の上着を重く感じさせる。
前ボタンを閉じながら、晴矢はネクタイが解けていたことに今頃気付いた。


2話へ続きます



2010.06.28 蒸す名古屋
蒸し暑くて、もうたまらん状態の名古屋です

もう頭が沸騰しそうだー… なんだ、この暑さ!

まだ6月なのに気温も日差しも湿度も容赦ないなあ、
本気で名古屋は気温がおかしい

毎年思うんですけどね…

東京とか大阪へ遊びに行ったとき、
カラッとした暑さなのでビックリしましたもん…
で、のぞみで名古屋へ戻るとだるさが倍増


ところで

エロいだけの家庭教師の話は暑いので短く切りました


のんびりと、まったりと、
じわじわな恋も好きなので、そっちを書きたいなあと思いました

でもすみません、
私が書くものなのでエロは出てきてしまいます

涼しくなったら始めよう、そうしよう



会社で健康診断があるそうで、
今日聞いたのですが7月にやると言うので、
もっと早く教えろーと叫びたくなりました


メタボ検診って初めてなんですけど、
どうなったら引っ掛かるんだろう
甘いものを食べ過ぎて血に糖が入り込んだら…とか考えてしまうのだ

あとで検索してみよう
真の指が那都の茂みをかきわけ、緊張している男根に到達したとき、那都は背筋を震わせた。

「へその下はだめ!」

初めて強い口調で拒まれた真はひるんだ。

「だめ・ですか?」
真は一瞬ためらうが、本心は<ここまで許しておいて、今更なんだ?>と疑問に思う。
しかし那都の男根は柔らかいままで勃起していない。
これは愛撫が足りないのか・それとも那都にその気がまったくないのか、真は混乱してしまう。

目の前では体を解されて上気した頬を見せている相手がいる。
「ん、も・離せって…」
喘ぐ声が艶かしく、扇情的でもある。

それに、指はまだ那都の男根をまさぐっていた。
真が指先でしごくたびに「ン…」と声を押し殺して体を小刻みに震わせている。

「先生、可愛いです…」
「なに言って…、も・おまえ…」

「…抱きたい・です」


セックスをしたい。
この状況で挿入したい欲望を抑えきれるような男はいないだろう。


「…入れたいです、先生!」
切なく声を振り絞るが、那都はとうとう真の腕をふり払う。
「俺は、こんなことをするために来ているんじゃないから、…だめ」

「先生!」
股間の熱が苛立ちを誘う。
やり場のない怒りを拳にこめ、机を叩いた。


「僕のペニスはどう処理したらいいんです?教えてください!」
「おまえのそれ…大きくない?!」

今頃になって那都はことの重大さに気付く。
真が本気で欲情していると知ったのだ。

腰がひけた那都は「俺じゃ無理」と言うのが精一杯だ。

「先生の中に入れなきゃ、おさまらないですよ」
真は那都の腕を取ると床に押し倒した。

「いてっ!」
椅子から落とされて腰を打った那都だが、その腰をおさえる余裕が無かった。
真が馬乗りになっていたのだ。

「入れさせてくれないなら…かけますから!」

真は自分の勃起した男根をつかみ、那都の乳首に亀頭を押し当てた。
そしてぐいぐいと擦り始める。

「あ、痛いっ…、真、やめろ。あ・く・ゥウ…」

まるで乳首を潰そうとするかのようだ。
真は腰を振りながら那都の起った乳首に亀頭を押し付けて擦り、煽る。
「先生。僕、マジなんですよ?先生が、欲しくて、んっ…入れたいんですッ」

「も、おまえ!…痛いって…ア、も・もう」
「先生、よくならない?…僕、息、くるし…」

乳首の転がる刺激が心地よいらしく、男根はますます高ぶり、膨張する。
真は「はっ…」と荒い息を吐き、那都の胸に精液を放出した。

「満足・できない…」
真の振り絞る声が哀しみを帯びていた。

「中に入れたい」
絶頂を得られなかった亀頭が侘しさを漂わせる。


一方、那都は精液で汚された胸を見て、落ちた感覚がした。
力のまったく入らない体が重く、
そしてなによりも泣き出しそうな真の顔を見ていられなく、腹をくくった。

わがままな真がその本領を発揮したのだが、那都は許せてしまう。

ここまで自分を欲しいといった人間は初めてだからだ。

那都は自分の魅力にも気付いていないのだが、それが真には幸いだった。
いまだかつで露骨に誘った輩は1人としていなかった。

この強引さにも那都の心は揺り動かされたのだ。

N大へ行かせようと試みている生徒でもある、
入学できれば自分の後輩だ。

憎からず思うのは当然かもしれなかった。

「入れてもいいよ、ただし、今はだめ。わかる?」

「先生?」
真はすがるような目をして那都の胸に触れた。

「じゃあ、結果を出します!なら、いいんですよね?」


喜んだ真は那都の体に密着し、キスをした。
しかし、相変わらず舌も入れない小鳥が嘴を触れ合うようなキスだ。

真はごり押しをするが、キスが下手である。
那都は『最初にキスを教えるべきだったかな』と首をかしげ、
しかし自分も同性とキスをするのも、セックスも初めてだと考え直した。


「はー。どうして俺とセックスがしたいの」

この愚問に真は「先生がいいんです」とぼやいてみせた。

幼い真の頭の中にはセックスから始まる恋愛があって当然と、
未経験なりの思考がファイルされていた。

感じあえばその先がある、
それは若さゆえの暴走もあるが後日、那都が身をもって知ることになるのだ。






おわり
読んでくださってありがとうございました
下心で膨らむ熱い股間をひた隠しにしながら、真は毎晩、那都の指導を受けた。

制服とは窮屈なものだと、真は知る。
膨張した男根を隠すにはベルトを緩めたくらいではどうにもならない。
下腹部は疼くばかりだ。

私服に着替えるべきだろうかと悩むのだが結論は出ない。
ジーンズに着替えて1度失敗しているからだ。
勃起した股間が苦しいばかりか、
下着を履いていなかったのでジッパーに陰毛を巻き込み、文字通り痛い思いを経験したのだ。

恋とは欲情を伴うもので、成就させるには時間がかかると真は知る。

しかし、順序として告白を飛ばし、
抱きたい思いを募らせている間違いには気付いていなかった。

<体温、低そうだな。先生って>


膝が触れ合う至近距離に座り、その横顔をちらちらと見ながらときおり呼吸が乱れる。

那都が鎖骨丸見えばかりか、胸元がちらりとのぞくほど開いたシャツを着ていたせいで、
今晩は特に性欲が高ぶっていた。

これほど明らかに欲情している真に、那都は気付かない。

熱を帯びた絡み付くような視線にも微動だにしない。

素直に勉強を続ける熱心な子だと、那都は勘違いをしているのだ。
真をわがままだと思ったことを反省しなければとさえ思う、
ふと顔を上げたときにかち合う視線に首をかしげてはいるのだが。


「先生、期末試験がもうすぐなんです」
「あ、もうそんな時期なんだね」

「僕はいつも学年20位以内なんですけど、5位とかになれないかなあと」

「なれるんじゃない?真は熱心だし」

自信を持てばいいと勇気付けるつもりで微笑みかけると、
開店椅子に座っている真は机の縁で反動をつけて那都に再接近し、
開いた両足で那都の足を挟みこんだ。

「は?」

そして腿に手を当てるとぐいと背を伸ばし、那都の唇を奪う。

しかし真は性急すぎてキスは一瞬で終わった。
唇を吸えず、濡らすばかりか舌さえも入れられなかった。

不完全燃焼の性欲はくすぶるばかりだ。

「今の、なに?」
目を丸くする那都に、真は「…前祝」とつぶやく。

「僕が学年5位に入ったら、思い切りさせてくれますよね」

頬を赤く染め、まるで契約を交わすように真は言い渡す。
なんとしても那都にセックスを承諾させたかったのだ。

毎晩、煮えたぎるような思いでいることを知らぬはずがない、
真はそう思い込んでいた。
そしてこの好機に那都を抱いて、思いを遂げようと企んだ。

「なにを?」

真は、はっとして目を見張る。
那都が自分の欲情に気付いていないと悟り、愕然としたのだ。

「先生、僕のことを知らないんですか?!」

思わずすがるように那都の胸元に触れ「鈍すぎる、おかしい」と責め立てる。

「僕は毎晩どんなに我慢を…」

真はぎゅっと那都のシャツを握り、悔しそうに見上げる。
しかし、那都は真が勉強をしすぎて頭がショートしたのかなと、
この局面でも勘違いを起こしている。

「真。自分を追い込むな、落ち着いて」
その声は慈愛に満ちており、真を苛立たせてしまった。

「…子ども扱いなんですか?」

真は息を少し吐いた。
そして、ゆっくりと那都の胸をシャツの上から撫で回す。

「な・なにして…るの?」

さすがに那都は驚いて声が上ずる。

「ここ、まだ柔らかいんですね。もっと、もっと押したら固くなりますか?」

真は那都の乳首を親指で押しているのだ。

「痛い!擦るなって…。真、ふざけ…」

「ふざけていません、僕は先生を独占したいんです!」

言い切った真は那都の開いているシャツの胸元に腕を差込み、
きゅっと乳首を指先でつまんだ。

「こ・こら!独占って…真、間違っているから!」
那都はうごめく真の腕を止めるべく押さえつけるが、逆に身動きが取れない。
足も捉えられたままだ、自由がきかない。

「どこ触って…」
息が自然と乱れ、頬が上気してきた那都の表情に、真は股間を刺激されてしまう。

<もっと乱したい、汗を浮かべたらどんな顔をするんだろう?>


「…先生、触るだけじゃ嫌だ」

「は?おまえ、俺の話を聞いてた?」

「見せて、先生。乳首も、おへそも、先生の…ペニスも全部見たい」
真は那都のシャツをまくりあげ、胸をつかむと乳首に吸い付いた。

「いっ…!痛い、ひっぱんな…」

丸い乳首は吸い上げるたびに硬さを増す、
真はその変化を舌で感じ取るとためらわずにくちゅくちゅと舐り、
唾液で濡らした。

「先生…」
唇を離しても唾液が糸をひき、ぷっくりと起つ乳首とつながったままだ、
この光景に真はぞくぞくする快感を覚えてしまう。

「は、おまえ…なにして…」
那都は部屋の温度が上昇していると感じ、天井を仰いだ。

「真、暑いから…」

のけぞる胸元は唾液で光り、真はそれを撫でると濡れた指先で那都の股間を割る。

「先生、もっと気持ちいいことをさせてください、先生の、ここを教えてください」


3話へ続きます

「うちの大学は、あっせんもしているのかー」

教授から手渡されたメモ紙の表には彼個人の携帯番号が書かれていたのだが、
それと気付かずに裏をめくった上戸那都(うえと なつ)は目を瞬かせた。

この有名大学に進路を取ったのは教職に就きたいからであり、
夢を実現させるべく張り切って1年間はやたらと講義を受けたのだが、
2年になったこの初夏はどうも気が抜けていた。

卒業まではあと2年、その長さが那都を燃え尽き症候群にさせていたのだ。

その気だるそうな雰囲気を色気と勘違いし、注目する教授が現れた。

携帯番号やアドレス交換をしようにも那都が自分の講義を取らないので接点がない。

思い余って廊下ですれ違いざまにメモを押し付け、足早に去ったのだが、
那都が教授の思いを悟るはずがなかった。

教授の災難は焦るあまりに『気の長い家庭教師を募集。当方、かなりわがまま』と書かれた、
タウン誌の掲示板の裏を使ってしまったことだ。

<教職に進みたいなら家庭教師でも試してみろ・かな? でも俺、気が長いほうだったかな?>

那都は都合よく解釈している。
ふとアッシュブラウンに染めた髪をかきあげ、この伸びた前髪を切ろうと思い立つが、
美容院もお金がかかる。

これは勉強と収入を兼ね備えている・まさに一石二鳥、
手っ取り早い手段かもしれないと閃き、那都はボストンバッグから携帯を取り出した。

<あれ。ところで今すれ違った教授、誰だっけ>





「えっ!N大学の教授の紹介で…!?えっ、嘘!」

那都は話がとおっていると勘違いしているので、すぐに募集先へ連絡を取ったのだが、
母親らしいその人は慌てていた。

「う・うちの子、N大学へ行かせたいんです!ぜひ、お願いします!」

聞けば『わがまま』な子は、市内でも有名なお坊っちゃま高の生徒だ。

しかし、そこからN大学へ進んだ生徒は今まで聞いたことが無い。
お坊ちゃま高はエスカレーター式で大学の付属だからだ、
潤沢な寄付金を納めているのだから、そのまま大学へ進めばいい。
わざわざ受験してまで教職を目指すN大へは進まない。

<だが親がN大へ行かせたいというのなら何か事情があるのだろう>


那都が興味を惹かれて自宅へ向かうと、出迎えたのはブレザーの制服姿の男子だ。

黒い髪に尖った顎、ややつり目でへの字に曲げた口元からして無愛想。
整った顔立ちなのだが態度に問題がありそうだ。
玄関口で腰に手を当てて那都を見下ろす仕草は、第一印象で損をするタイプとしか思えない。

数10秒は那都の容姿を品定めした男子は、ちらりと眉を上げた。

「…上戸サン?新しい家庭教師の」

「そう、上戸那都です」

「あー、いいかも」
男子は急に笑顔を見せ、満足げな表情だ。

「上戸サンはかっこいいから、歓迎する。早く上がってください」
「えっ」
戸惑う那都の声に、男子は不満らしい。

どうも自分の思い通りにことが進まないと苛立つようだ。

「早くあがってって!今日から勉強を教えてくださいよ」
男子が急かすのだが、那都は首を横に振る。

「まだ親御さんに会っていないから、すぐには始められないよ?」
那都が渋ると「どうして」と強い口調で咎めてきた。

「いいんです、僕の先生なんだから、僕が決める。親は関係ない。先生の時給も僕が決めるんだし」
「は?」

「父さんはいつも『真(しん)のいいようにしなさい』って言うから、いいんです」
「はあ?意味がわからない」

「鍋島の家を継ぐのは僕だけだから。なにを言っても許してくれるんです」


那都はこらえたが、今にも『なるほど、これは相当なわがままだ』と噴出しそうだった。

この鍋島真。
手ごわいかもしれない。

しかし燃えつきかけた情熱が蘇る感触があると、那都は思う。

「上戸…じゃなくて、先生。部屋は2階だから、階段を上がってください、こっちこっち」

「真。じゃあ、勉強を始める前に1つ確認させてくれる?」
那都は階段の手摺をつかみながら、前を進む真を呼び止める。

「電話で聞いたんだけどN大学へ進むことは親御さんの条件だと思う。だから進路はN大な」

「はー?無茶言いますねー?N大は難関でしょ、誰が僕をそんなところに…」

「俺が行かせる。そうじゃなきゃ、家庭教師の意味はないよね」

那都の言葉に真は驚いたようで、目を見開いた。

「真は俺と同じN大に通う気にはなれない?」

微笑みながら問いかける那都の前で、真が生唾を飲む。
「先生と同じ…か」

真は那都の全身を再び眺めた。
涼しそうな笑顔と立ち居振る舞い、実にスマートだ。
それに自分を引っ張り上げようとするその心意気、真面目な性格なのだろう。

街にいる学生の1人と思いきや、
目元の小さなほくろ・そして部屋の照明に艶めく唇が実に扇情的に感じてしまう。
このギャップはなんだろうか。

真は急に早くなった胸の鼓動を聞かれないか不安になり、胸を抑えた。


「先生、いきたい…な」

「あ、よかった。やる気になった?」


真は那都の情熱に流されたのではない、
ひと目ぼれし、欲情したのだ。

しかし那都は鈍かった。
頬を赤らめている真の素振りに気付かず、「頑張ったら、いいことがあるよ」と励ました。
もちろん大学合格を指しているのだが、
真が誤解したのは言うまでも無い。

2話へ続きます

蒸し暑い名古屋はクーラーなしでは眠れません

できれば仕事中も、そうでないときもクーラーガンガンにしたいです

…エコな生活を目指したいけど、
難しいなー、我慢することを覚えないと

今年の夏はひんやりした枕を買おうと思います
ジェルパッドもいいんだけど、これは敷いてから30分しかもたないらしいので、
やめた…





エロい書き物に拍手やメッセージをありがとうございます、
誰かが読んでくださることってすごく嬉しいのです

幸せだなあと感じるとともに、
もっと文章がうまくならんものかと空回り中
がんばろう、自分



頭の中で考えた次の書き物をUPする先、
アメブロさんかここか悩みましたが、ここにします


すみません、またちょっとエロい予定です
コノエは汗と精液で濡れた自分の茂みを片手で覆い隠しながら「あの」と顔を上げた。

「僕には、祥軌サンしか見えないんだ」

入学して初めて出会った在校生は祥軌だ、
そして人見知りの激しい自分を受け入れてくれたのも祥軌だとコノエは続ける。

「いつも見守ってくれてた。いい距離を作ってくれた、だから近寄りたくなったんだ」
惚れさせようとして、そうしたわけではないのだがと祥軌は思う。

「好きに、なったんだ。…祥軌サンだけをいつも受け入れていたいんだ」

コノエの指の間からは白い精液がにじんでいた。
拭いてやろうと祥軌がテイッシュを取ろうとすると首を振り「恥かしい」と言う。

セックスをしていたときの大胆な誘いは消えている。
やはり初めてだったのだ。
セックスがなんたるかを知ったあとの羞恥心がコノエの精神を襲っているのだろう。

大胆に尻を突き出したこと。
乳首を揉まれて悶えたこと。
すべてがコノエにはたまらない出来事に違いない。

だが、祥軌はほおっておけないのだ。

「お尻だけ拭いてそこだけ残すのもおかしいから」

祥軌はコノエの股間に腕を差込み、タオルで丁寧に拭いた。
茂みも丹念に拭くと「く…」とコノエの唇から小さな喘ぎ声が漏れた。
「もっと…下をこすってほしい」
「いいの?」
「ウン」

タオル越しにコノエの男根をこすると「強く・して」とせがむ。

「わかった」
祥軌はタオルを放り、指で扱き始める。
すると待ちかねたようにコノエはその腕にしがみついた。
息を弾ませ、腰を上下に振って歓迎する。

「あっ…。祥軌サン、祥軌サン!」
「コノエ、こうでいい?」
ぐいぐいと強めに握って扱いているせいか、コノエは歓喜の声を上げていた。

「うんっ、いい!祥軌サン、…好き、好きッ」
悶えながらの告白も鼻にかかる甘い声だ。
「コノエ…いく?」

「…まだ離さないで、やだっ、もっと…アッ・く・ゥウウン!」

コノエの男根からピュッと精液が漏れる。
祥軌の指を粘り気のあるそれが濡らした。

「せっかく拭いたのになあ…」
祥軌は苦笑しながらその指でコノエの睾丸を揉んだ。
「あ、ぐ…」
ビクンと体を揺らすコノエに、祥軌は欲情しそうだ。
「可愛いよ」
「えっ…」
コノエは頬を赤くしたまま「好きってことだよね…?」と自信なさげに聞いた。

「僕を受け入れてくれるよね」
「好きじゃなきゃ抱かないし」
「そっかー」


嬉しそうに満面の微笑を祥軌に見せると「祥軌サンといると自分が変わっていく気がしてる」と満足げだ。

「そう? どんな風に?」
「人のことを考えられる真人間」
「は…」

祥軌はコノエ自身が『今のままではいけない』と、自身の成長を遂げようともがいていると知った。

しかし、自分といて変わるものだろうかと不安がよぎる。

祥軌はコノエを可愛いと思っている。
だからこそ甘やかしてしまいそうだし、
コノエの性格からしたら周りをかえりみずに自分しか見なさそうだ。



「僕を変えて?」
コノエは真剣なまなざしを向けた。
しかし声は甘さを帯びている。
1度のセックスでこんなに色気を帯びるのかと、祥軌は驚いた。

「そうだね」
自分の体に身を預けようとするコノエの髪をやさしく撫でる。
それを「ゥウン」とくすぐったそうに受け入れる姿態もなまめかしい。

「フォローしてあげるから、コノエが望むように少しずつ変わろうか?」
「うん」

コノエは祥軌の指をちゅっと舐める。
まだ色気づいているようだ。

ちゃんと話を聞いているのか?と祥軌は不安だが、
それを払拭するようにコノエは胸にしがみついてきた。

「祥軌サン。出会えてよかった」

「ん」






翌朝は今までとなんの変化はなかった。

セックスをしたからといって、祥軌はコノエを独占しようとしないし、
コノエもしがみつこうとしなかった。

「コーヒーもらうね」

いつもとまったく同じ姿だ。
コノエは冷蔵庫から缶コーヒーを取り出して飲んでいる。

しかし夕方は違った。
コノエはショップのコーヒーを買ってきて、祥軌に1つ渡した。

「俺に気を使わなくてもいいよ」

「祥軌サンに、世の中にはもっと美味しいコーヒーがあると教えたかった」

憎まれ口を叩きながらも、人懐っこそうな笑顔は初めて見せたのだ。


祥軌は「そんな顔をみんなに見せるのはどーかな?」と笑顔を返した。

夕方の日差しが眩しい。
コノエは「そう?」と口角を上げて部屋のカーテンを閉めた。



おわり

読んでくださってありがとうございました

祥軌は自らの男根をぐいぐいと扱き、先端を先走りで濡らした。
その粘る液体をコノエの尻にもなすりつけ、亀頭を使い小穴まで伸ばした。

「んっ…」

男根はまだ一瞬しか触れていないのにコノエは喘いだ。
我慢ならないのかむずがゆそうに腰を震わせ、大きく息を吐く。
そして小穴に指を入れて液体に触るとそれは細く糸をひき、床へ落ちていく。

「待てないよ」

コノエの懇願に祥軌は答えるべく、臀部をこじ開けた。
早くも呼吸が荒い。
頭では冷静に進めようと思うが、神経は高ぶっており、体も欲望に取り付かれて敏感だ。

先端をぐいと差し込むと「んあああッ」とコノエがのけぞる。
「熱い、熱いっ…」
壁に握りこぶしを押し付け、痛みに耐えようとするその体に祥軌は欲情した。

コノエの腰をつかむと自らの腰を打ちつける。
「んんんっ!」
再びコノエの体が大きく揺れた。
うっすらと汗を浮かべた皮膚が吸い付くようで、ぺちんと軽い音を立てる。

「コノエ」
祥軌は片手をまわすとコノエの胸をつかんで揉んだ。

「あ、う・ああ…」
コノエは口を半開きにして、ちらりと祥軌の顔を見返る。
「しょ・祥軌サン…」

「コノエのここ、感じやすいね」
「うん、ん…あ、もっと。あ、あ、そ・そう、そうして?」
祥軌がコノエの乳首を指先で突き、つまんで引っ張るとコノエは「そこ、そこ」と頷くのだ。
「あ・ああっん…、そこっ…あ、もっとして?ん、んー!もっと強くしてもいい!」

どうやら乳首を引っ張られるのが気に入ったようだ。
祥軌はそれと知ると、乳首をくいと引っ張っては離し、指先で押さえつけたりしながら、強く腰を波打った。

「ハッ…!あ、ああんッ!や、やだあ、前も後ろもなんてッ」

「コノエ、声を落とせ。隣の部屋の奴に聞かれる」

祥軌はわざと意地悪なことを言った。
隣の部屋の住人はこの時間は食事に出かけている、そうと知らないコノエを追い詰めたのだ。

「んっ!…や、いやぁ…」

力を抜いたコノエが壁に体を預けようとする。

「逃げるなよ」

祥軌は口角を上げると腰を大きく打ち付けた。
途端にコノエが両手で口を覆ったのが背中越しにも仕草でわかる。

「もっと、感じたらいいよ」
追い討ちをかける祥軌のささやきにコノエは頭を軽く振った。
「我慢できないくらい、声ださせてみようかな?」



祥軌は自分とコノエの結合部を見た。
丸く盛り上がった尻の割れ目に、自分の男根が潜り込み、その体を半分出している。


『これを全部入れてしまいたい』


祥軌は体を密着させ、両手でコノエの胸をつかんだ。
そして激しく揉みながら性急にコノエの耳たぶを舐めまわし、油断を誘う。
コノエはすぐに乗った。
「いや、いやん…」と息苦しそうに悶えるコノエを認めると、
祥軌はコノエの中にぐいと男根を押し込んだ。

「はっ…」
ぶるぶると体を震わせているコノエに、祥軌は全部入ったことを告げる。


「中に出すまで、加減しないから」


祥軌は欲望のおもむくままにぐいぐいと突き上げた。
その力強さにコノエは震え、「ァアアン」とか細く甘い声で応戦し、やがて「く・ゥウウ」と苦しそうに呻いた。

「いく、イッちゃうー!」

コノエはじたばたと足を鳴らし、祥軌の体制を無理矢理に変えさせると壁に向けて精液を放った。

「あ、はああ…」

力が抜けてぼうっとしているコノエの背中を見つめながら、子どもは果てるのが早いなと祥軌は思う。
祥軌はまだ達していないのだ。


「コノエ、おまえは自分ばっかりだ」

祥軌はコノエの濡れた股間をまさぐりながら強く突き上げる。

「俺も、よくしてよ? な、どうなんだ」
「し、祥軌サンッ…好き・ですっ…」

「え」
思いも寄らない言葉に祥軌は面食らった。

「好きだから、もっと、していい…。僕、祥軌サンが欲しいもん」

祥軌はコノエの茂みをまさぐっていた指を止めた。


「思う存分、していいのにっ…」
コノエの言葉に祥軌は目が覚めた。
乱暴にセックスを行い、欲望を昇華させようとした愚かな自分に気付いたのだ。


「ごめん、無茶をした」
祥軌はコノエを抱き締めた。
そしてそのまま腰をゆっくりと動かし、「痛くないか?」とやさしい声をかける。
「痛くないよ、ずっとこのままがいいくらい」

コノエは紅潮した頬を隠すようにうつむいた。

強気なコノエのこんな仕草を見てしまい、祥軌は動悸が激しくなる。
この子が欲しい、そう強く感じた祥軌はぐいっと大きく突き上げ、
一気に男根をコノエの中から抜き取った。

そしてあふれ出る精液をコノエの尻に放った。

祥軌はコノエが可愛いのだ、その感情をようやく思い出したのだ。
とても乱暴に中出しをすることはできず、
汚れた尻をテイッシュで丁寧にぬぐうと愛おしそうに撫でた。



8話へ続きます

「アソコを他人に触られたのは初めてだけど、すごく気持ちいい、癖になるかも…」
コノエはそう言いながら、すがりついた祥軌の腕に胸をこすりつける。

乳首は摩擦によって一皮剥けたかのように赤みを増していた。

「ね、毎日とは言わないからさ。…たまには、手でしてくれるよね?」

コノエの媚びた表情に祥軌は首をかしげた。
まさか、コノエは手コキだけで満足しているのか?と。

祥軌のくすぶり始めた衝動は、いまや隠しておけない状況だ。
早く外にさらけ出し、荒い呼吸を続けるコノエの口の中に入れてしまいたい欲望にかられている。

しかしコノエは気が付かない。
雫を腿に垂らしながら、濡れた男根を祥軌に触らせ続け、しかもそれを時折満足げに見ている。

「祥軌サン、今日はもういいのに。やさしいな、こんなときも」
すっかり固さを失った男根はゆらゆら揺れて、祥軌の皮膚に触れている。
「体温も気持ちいい」
勘違いをしているコノエは男根を祥軌の指にあてがおうと尻を浮かせて腰をひねった。
この際だからもう1度、手コキをしてもらおうと思ったのだ。

だが、祥軌はその瞬間にコノエの股に指を滑り込ませて小さな穴に指先を差し入れた。


「ひ・いいいっ?」


未知の刺激にコノエの背中が大きく震えた。

「な、なに?祥軌サン?祥軌サン?!」

コノエは見返ると腕を伸ばして自分の臀部に触れる。
ジーンズの上からも、祥軌の指が激しく動いているのがわかった。

「や、やめて?」

ぐいぐいと中に潜り込もうとする指先のもたらす違和感、そして体温の冷たさ。
コノエは今から何をされるのか見当はついているのだろう、
しかしこの期に及んで腰がひけている。

祥軌はコノエの抗いに対して苛立ちを覚えた。
自分からセックスに誘っておいて今更その態度はなんだ?といった気持ちだ。

「動けない。窮屈なんだけど、これ脱げない?」

「えっ」

「まさか、手コキがセックスのすべてだと思っていないよね?」

祥軌は挑戦的な熱いまなざしをコノエに向けた。

「俺はまだ満たされていないんだよ」

唇をかすかに震わせたコノエを見ると『自分で脱ぐ気がないな』とすぐに判断し、
片手で強引に膝までジーンズを下ろした。

そして大きく目を見開いているコノエの肩をつかんで揺さ振った。
「そんなに反抗的な目で見るなら、手加減しない」

「しょ、祥軌サン」


祥軌はぐるりとコノエの体を回転させ、顔を壁に押し付けると、あらわになっている尻を撫でる。
丸みを帯びたそれは滑らかな皮膚感で祥軌は高揚した。
手を往復させていると、コノエは両手を壁について「ああ」と大きく息を吐いた。

嫌ではないのだなと祥軌は感じた。

表面的に抵抗を試みているが、本能では求めている。
少しいじめたら足を開きそうな予感がした。

その高ぶりが祥軌を突き動かす。


「もっと突き出せって」

わざと乱暴に言ってみるとコノエはぐいと美尻を突き出してみせる。
横顔は赤く染まっているものの、その動作に迷いは感じられなかった。


「足も開くんだよ」

従順にコノエがゆっくりと足を開く。
おずおずと、だが確実にコノエは祥軌を受け入れる喜びを体で表現し始めたのだ。

しかし待つことはできないらしい。
まだ子どもだからだろう、壁についていた手を離すと祥軌のほうへかざし、空をさ迷う。

「なにがしたい?」

コノエは「んっ」とかすかに悶えていた。


「祥軌サンの、アレを、触りたいっ…」

喘ぎ声を搾り出し、その手は目的地である祥軌の股間をかすめた。

「あ、ここ…」
固くなっているものを感じ取った皮膚が迷うことなく尖ったそれをつかむ。

「熱い、あ、すごく…固い」

祥軌にしてみればジーンズの上から触られても快感はない。


「こうだろう」

祥軌もジーンズを脱いだ。
そして素早く下着もおろすと屹立した男根をコノエににぎらせた。


「あっ…、な、なにこれっ」
コノエは激しく動揺している。
「で、でかいっ!祥軌サン、すご…」

「見ていないのにわかる?」
意地悪な質問を投げかける祥軌に、コノエは荒い呼吸と手コキで答えた。

「これ、欲しい… 僕の中に入れてくれるよね」

「入るかな?穴が小さくて無理じゃないの」

「先っぽだけでもいいから、入れて?」

そう言った唇から唾液がこぼれた。
コノエも欲情しているのだ。

ぐいと突き出したコノエの尻が陰影を帯び、祥軌はますます気持ちが高ぶってきた。


7話へ続きます
ジッパーの奥でくすぶっているものは熱気とともに顔を出し、祥軌の指を求めてゆらりと揺れる。

「触って?」

まだためらう表情の祥軌の背中を押すのは、
コノエの鼻にかかる甘い声と性急に自らのシャツのボタンを外す動作だ。

次第に見えてくるコノエの体。
大人になりきれていない少年のそれは、力をこめて抱けば赤い跡が残ると容易に想像できた。

「はやく、はやく!」

コノエは祥軌の手を離したことを悔やみ、唇を噛んだ。
焦れているのは一目でわかる。

コノエは上のボタンを残したままでシャツを開いて見せると、その体を祥軌に押し付けて乳首を擦った。
まだ屹立していない男根、そして目をひくのは尖った乳首だ。
擦れるたびに赤みを帯びて丸みをなくし、先がつぶれていく。
さぞかし柔らかいだろうと祥軌は思う。
だが、つまめばコリッと固いかもしれない、
触れてみたい・その衝動とともに背中に電流が走る。

いけないことをしようとしている、その思考が祥軌をためらわせたままだ。

しかし、目の前で続いているのはまるで自慰だ。
そして明らかに祥軌を誘っているのだ。

この光景を見ながら冷静でいられる人間はいないだろう。


祥軌はとうとうコノエの首筋に触れた。
そしてそのまま指を這わせて胸元へ降りる。

「そこじゃないよ…」

懇願するような潤んだ瞳が祥軌に訴える。

「もう、我慢できないんだって」


しかし祥軌は男根をちらりと見ただけで触らない。
まずは自分の興味をひくこの赤い乳首だ。

これに触れて、そしてコノエがどう啼くのか聞きたい、そんな欲望を膨らませてしまったのだ。

コノエが気付かないわけがなく慌てて体を離すが、祥軌はこれ幸いとばかりに両手でコノエの胸元をつかんだ。

そしてためらいを捨てた指は乳輪をなぞり、先端の乳首を軽く押す。
「アッ…」

途端に股間をひくつかせるコノエを動揺を知っても、祥軌はそのまま乳首を指先でつまんで引っ張る。
「ううううん」
大袈裟なくらいにコノエは首を振る。


「少し踏ん張れる? 寄りかかられたら楽しめないから」

祥軌はやや前屈みになるとコノエの乳首を舌先で突き、そして口に含むと数秒間吸い続けた。

「クウウッ…、あ・あ・い、いやだっ…」

「はあ」

祥軌はようやく口を離すと、吐息を吹きかける。
それだけでコノエは腰を震わせた。

「いやだ、祥軌サン。感じちゃうけど、気持ちいいけど、そこじゃないんだ…」
「でも可愛い声」

祥軌はわざと乳首をチュッと音を立てて続けて吸い、唾液を垂らす。
コノエの乳首はすっかり濡れて、張りを増した。
祥軌はこれが気に入ったが、焦らされているコノエはたまらない。

「あ、はあ、無理。祥軌サン、そこじゃない・もっと…」


吐息はますます熱を帯びる。
祥軌の髪に吹きかけながら、放置されたままの下半身の処理に困惑して身震いさえする。

祥軌が自分の体・特に乳首のようだが、ご執心なのは喜ばしいことでもある。
しかし汗を浮かべた茂みが哀れだ。


コノエはのけぞると「クウウッ」と小さく呻いた。

そして祥軌の手を乱暴につかみ、
空を見上げている自分の男根を握らせた。

「お願い・ぐっと、つかんで!はやく、早く固くしてっ」


言うが早いか、コノエの男根の先端からは透明の液体が漏れていた。
祥軌は粘りのあるそれを指先でぬぐうと「もっと?」といたずらを秘めた表情を浮かべ、
コノエの男根を扱いた。

「アッ、そこ、そこーー!」
「ふうん?もっと固くなるんだ?子どもだと思ったのに、成長してるね」

「やっ、ハンパなことはいやだ、ぎゅってして?」
「出したい?」
「出す、出す!」

コノエの腰が震えている。
そして茂みが揺れている。


「早いな。まだダメだよ」

祥軌はためらいを捨てた。
欲望ともいえる快楽の中に身を投じたのだ。


「ほら。こうすると、もっといいんじゃない?」


祥軌は片手で男根を責めながら、もう片方の手で乳首をつまむと引っ張った。
「きっ、キツイっ!」

コノエが胸を突き出し、腰をひくつかせた。
そして股間は部屋の照明に反射して輝きを増した。

祥軌はその泉をまさぐると、コノエが腕にすがりついた。


6話へ続きます






思いつめると体の1部が過敏に反応してしまう、
祥軌はこのぞくぞくとした高ぶりを持て余しつつ、自らの腰を軽く叩いた。

シャワーの水しぶきが跳ねて、バスタブへ落ちていく。

するとなんだか湯船を汚したような気になり、せっかく湯を張ったのだが一気に栓を抜いた。


祥軌はバスルームから出ると、濡れた髪を乱暴にタオルで擦りながら個人の部屋に戻った。
姿鏡に映る自分は上半身は裸で、下はジーンズ姿の普通の風呂上りの男だ。
だが、表情はどうだ。
眉が上がり、神経がぴんと張り詰めている。
飢えた獣のそれのように見える。
苛立ってしまうのは行き場の無い欲情だと気付かされると、余計に行き詰る。

隣の部屋にはコノエがいるのに自慰なんてできやしない、
しかし早急に発散しないと高ぶった感情を明日まで引きずる羽目になる。

今夜はジョギングをしたほうがよさそうだ・そう思ったとき、
ドアをノックする音に驚いた。


「今、いい?」

コノエの声がしゃがれている。
祥軌は了解する前に本能からなのか「その声、煙草を吸ったんじゃないだろうな?」と言いながらドアを開けた。

「…吸ってないし」
濡れた髪の祥軌の顔を見上げながら、コノエは明らかに動揺していた。
「本当?」
祥軌はコノエの後頭部を左手で抱え込むように引き寄せ、その黒い髪に顔を埋めた。
煙草の匂いがするかと思い、嗅いだだけなのだが、コノエの息が祥軌の胸元にかかった。

それは熱を帯びていた。

違和感を覚えた祥軌は冷静を装い「吸ってないね」と言いながら手を放そうとした。
「やだよ」
細い指が祥軌の腕を乱暴につかんだ。
「こうしていてくれないかなあ」
そして自らの頬に誘導する。

「僕は祥軌サンしか信じてない。いつも僕を守ってくれているから」
祥軌の手のひらに頬をぐいぐいと摺り寄せると、迷うことなく祥軌をまっすぐに見上げた。
この瞳に対して、獣のように高ぶった己を祥軌は恥じた。

「なに、また何か聞きたいことがある?」

祥軌は極力、穏やかな声を出したつもりだった。
しかし思考は曖昧だ。

祥軌はコノエを弟のような存在と脳に訴えかけた。
幸いにも股間は起き上がってはいない。
しかしこのまま体を密着させていたら過ちを犯しかねない状況ではある。

まだ大人になっていないコノエの体は、力をこめなくてもたやすく押し倒せてしまえる。
見た事はないが、肉付きもたいしたことがなさそうだ。
そんなことを一瞬で考えてしまい、祥軌は思わずコノエの視線から目を反らした。

しかし、コノエは逃さない。
ためらっていた言葉を口に出す決心をしたようで、小さく息を吸い込んだ。


「これ、どうしてか教えて欲しい」

「これ?」


妙な尋ね方に祥軌が再びコノエを見やる。
すると、コノエは足元を指差している。

訝しげに覗き込むと、隙だらけのその唇にコノエの唇が吸い付いた。
「んっ?」
祥軌が目を瞬かせるがコノエはひるまない。
それどころか祥軌の腿に自らの固く変化した股間をこすりつけてきたのだ。

ジーンズの奥に秘められているとはいえ、生地の擦れる音がかすかに聞こえてくる。

「…あッ」

小さく喘いだコノエが、そのまま唇を離す。
そして先ほどまで自らの股間を擦りつけた祥軌の腿に両手で触れると、涙をこらえた瞳でせつなげに見上げる。
頬が上気して赤い。
唇も熱を帯びて苦しいのか、続けて息を吐き、やがて閉じなくなった。
何かを求めて、舌の先がちらりと見えている。

「僕は祥軌サンにだけ、こうなっちゃうんだ!祥軌サンは僕を好きでもないのに…」

祥軌は身をよじるコノエの腰をつかむと、唇を求め、その舌を捉えた。
互いの歯をなぞり、唾液を掬い、飲み込むことが間に合わない分は開いたままの唇からこぼした。
「…祥軌サン、マジでキレイな顔してる」
「何ヶ月も一緒に暮らしていて、今更言う?」
「こんな近くで見たことな…」
自分しか見つめていないその瞳を祥軌は独占したくなった。
その高ぶりは止められず、むしゃぶりつくようにコノエの唇を吸った。

そして唇を舌先でなぞると、コノエは快楽に浸ったのかくすぐったそうに肩を震わせる。


「ち・力が抜ける…」

長いキスで勢いをそがれたのか、コノエは祥軌の腕の中に体をだらりと預けた。

「どうした?」
祥軌が汗を浮かべたコノエの額を手でぬぐってやると、嬉しそうに目を細める。

「そこよりも、ここだよ?」
次に手が誘導されたのは、ジーンズのジッパーだ。
「ね、下ろしてほしいんだ」
しがみついたコノエが耳元でささやく。

「セックスは、祥軌サンとしたいんだ」

5話へ続きます
「おまえの同居人、かわいくない?」
廊下で担任の教師に呼び止められた祥軌は微笑んで「かわいいですよ」と答えつつ、
胸のざわつきを覚えてしまう。


「無愛想な奴かと思ってたけど、黒目でかわいい顔してるよな」
自分の言葉に納得しているのか満足げに顎を触りながら頷いている教師に、
「手・出したら噛み付きますよ」
「誰が?あの子?」

「俺です」

1歩前に出た祥軌に教師はひるんだ。
「そんな笑顔で言われると、おまえに手を出したくなるぞ?」
「誰でもいいような人は、俺は相手にしません」
「立派な保護者だ」
太刀打ちできないと悟った教師は足早に立ち去ったが、祥軌は釈然としない。

不器用な生き方をしているコノエがまるで弟のようにかわいいのだ。
これが祥軌の長男気質かもしれない、
教師の指摘どおり保護者の気持ちになっているのだ。

しかし過保護はしない、
祥軌は男なので母親のように手厚くあれこれかまうことを良しとは思えない。
見守ることを選んでいる。

校内で偶然出くわしても、手は振らない。
目が合ったら笑顔を送る。
他人から見るとそっけないとさえ思うかもしれないこの距離感で、
祥軌はコノエに『干渉しないから』と安心させている。





そんな中で起きた椿事だ。
指を入れられたなんて呆れた事態であり、しかもコノエは隠したいようだが動揺している。

『人間を嫌いにならなければいいけどね』

この話題を避けたい様子のコノエの横顔を見ながら祥軌は思う。

「風呂、先に入ったら?」
「祥軌サン、先、いいですよ」
「じゃあ」

祥軌は立ち上がると部屋着のTシャツを脱いだ。
乱れた髪を撫で付けるように直しながら歩き始めると、背中に視線を感じる。

何気なく振り返るとコノエが見ている。

「なに?」
「体、鍛えているの?」
「あー、春までは夜中にジョギングしていたなあ」
「へえ。それで・かあ」
コノエは「引き締まっている」としきりに頷いている。
背中しか見えていないだろうにと思いながら、祥軌はバスタオルを手にしてバスルームのドアを開けるが、
コノエはまだ見ている。

「夜中にジョギングなんてすげー」
「そうか?男だから発散しないとさ」
冗談まじりに笑いながら「だろ?」と同意を求めると、コノエは「そっかー」と驚いた顔をする。

「祥軌サンでも発散しないとマズイときがあったの」
「ここは男しかいない学校でしょ。女子がいないのは、ねー」


「僕がここに来てからは走っていないね?」

「は」

「どうしてか、聞いていい?」


思わぬコノエの挑発に祥軌は言葉を失った。
今まで自分を誘ってくる後輩はいたし、強引な先輩もいた。
そういう輩はうまくかわしてきた自負がある。
しかし、コノエに対してはノーマークだった。

「いつも自分に自信がある態度で余裕かましてるのに、困ることがあるんだー」

「何を考えているか知らないけど、どう言ったら満足する?」

祥軌はドアに寄りかかると腕組をした。
コノエのいたずらが過ぎると判断したのだ。

するとたちまちコノエは頭を下げた。
「走っていないのは、たまたま・だよね。ごめんなさい」


「いいよ。コノエは疲れているんだ」
祥軌はそれだけ言うとバスルームに入り、ドアを閉めた。

コノエがあんな態度を取るなんて動揺している証拠だ・
しかしやさしい言葉をかけなかった自分が正しいのか・
祥軌はシャワーのコックを回すと背中にまだ温まらないぬるいお湯を浴びた。


見ていたのは常に自分のほうであり、走らないのはコノエを見ているからだと祥軌は気付いた。




4話に続きます

「同居人、後輩でもいい?」
6畳2室・キッチン・ダイニング・バス・トイレつきの部屋を1人で独占していた祥軌に、
寮の管理を任されている教師が尋ねたのは、まだ雪が降る3月の頃だった。

「壊れたクーラー、新しいのと交換してくれるならいいですよ」

「それは寮の経費でなんとかするよ。じゃあ、いいんだね?」
念を押す教師に祥軌は「はい」と明るい返事をした。
1人で過ごす時間は自由でいい、
しかし同時になにかぬくもりの無い寂しさを覚え始めていたので歓迎したのだ。

「あの子も、そんなわかりやすい表情をしてくれるといいんだけどねー」
教師はため息をついた。
「あの子・ですか?」
「きみの同居人。無口でさ、何を考えているんだか読ませないんだ」
「はあ」

自分よりも年下なら丁度反抗期だろう。
まあ、表面的でもうまくやっていけばいいやと思った祥軌だが、
桜の花が散る頃には苦戦を強いられる羽目になった。



同居人・コノエは人見知りが激しかったのだ。



初対面からこそこそした挨拶で、すぐに自室へ引きこもり、出てこない。
「あれ?今の子、どんな顔をしていたっけ?」
そう独り言をつぶやくほど、祥軌はコノエの顔をすぐには覚えることができなかった。

「祥軌の同居人、どんな子?」
同級生に聞かれて返答に困り、笑って誤魔化す。
「野良の子猫みたいでさ、近寄らないんだ。すごい警戒ぶり」
すると同級生は目を丸くして声を張る。
「おまえが距離を置かれるなんて珍しい!」

この高校に入学する前から、祥軌は先輩・後輩問わずに好意を持たれて慕われてきた。
それは面倒見がいい長男気質と、空気を読んで人との距離を適度に保つ立ち位置を併せ持つ人柄に、
遊び心か校則無視のピアスと、
親しみやすい印象を与えるブラウン系のミディアムヘアも演出されているのだろう。

コノエは逆だ。
まず、人を避けるので、人もコノエを避ける。
見た目もピアスはしているものの、祥軌とは違い個性的で、なおかつ冷たい印象を与えている。
黒髪のショートも、どこか人とは違う・距離を置きたいというメッセージにすら受け取れる。


「その子にかまいすぎて、うざがられたとか?」
心配する同級生に、祥軌はまた笑ってみせた。
「かまう前に近寄らないんだよ」


そんなコノエ相手だからこそ、祥軌は少しずつ特徴を覚えていく。
靴が重そうな・ひきずるような歩き方、
少し猫背気味な姿勢、
たまに話しかけると言葉を選ぶのか2.3秒黙る癖。
偶然にすすめた缶コーヒーをごくごく飲んだので「あ、コーヒーが好きなのか」と知る。

ようやくコノエが歩み寄ってきたのは、長いゴールデンウイークが終わって、
報道番組も交通渋滞の話をしなくなってからだった。


「学校、キツクないですか?」
いきなり重い話題かと思いながらも、祥軌は「なに、五月病?」と乗ってやる。
「僕、ここ、合わないと思うんです」
「他にやりたい学部とかがあったの?」
「ないです」
これでは会話にならないぞと、祥軌は呆れた。
「いやなことでもあった?」
「特には」

これは会話ではない。
そう思った祥軌の目に、とんでもない光景が飛び込んでくる。

コノエは煙草を持っていたのだ。
「吸ってもいいですか」
おそらく、この部屋に来てから2ヶ月、ずっと我慢していたのだろう。
しかし煙草は20歳になってから・が常識だ。

「煙草はだめ。だけど、俺に対しての敬語はやめていいよ」
「えっ?」
「そのほうが話しやすいんじゃないの?」

祥軌の砕けた言い方は、コノエの心の壁を壊した。


「はー…。助かった。あ、いえ、助かりました」


ようやくコノエの見せた明るい笑い顔に、祥軌はつられて微笑んだ。

「間がもたなくて、キツかったー」
「俺が怖かった?」

「そんなんじゃなくて、その、僕、どう話していいのかわかんないんで」
照れてしまい、頬が熱くなったのか叩いて誤魔化す仕草が祥軌の眼には新鮮に映る。
「年上のおにいさんって、僕、話したことがないから」

「あ、ひとりっこ?」
うん・とばかりに頷くのも照れ隠しに見えてしまう。


コノエは悪い子ではない、むしろ正直すぎて世渡りが下手なのだと祥軌は理解した。
そして同時に、自分にだけ心を許したコノエがかわいいとさえ思い始めていた。


3話へ続きます
「おかえり。その足音でコノエだって、すぐにわかった」

口元に微笑を浮かべて振り向いた祥軌(ショウキ)だが、すぐに「あれ?」と首を傾げる。
見つめる先のドアには、靴が重いのか・それとも単に歩くのが嫌いなのか、
この部屋まで靴音を鳴らして歩いてきた黒髪の少年・コノエが立っている。

いつも口数の少ないコノエだが、今はなにか言いたげに唇を少し開いている。
話しかけたいが、どうも躊躇している様子だ。

「なんか、あった?」

祥軌がコノエの眼を見ながら小声で聞く。
すると、コノエは胸元で拳を握る。
しかしその手はかすかに震えている。

「変なことを言ってもいい?」
「んー?」
「僕、この年まで知らなかったんだけどさ」
「なにその前置き…それに、この年って。コノエは俺より2つ下の16でしょ」
ガキが何を言い出すんだと祥軌が吹き出したそのとき、コノエの握ってたはずの拳が解かれ、
祥軌の胸倉をつかんだ。

「はっ?」
「正直に答えてよ、『好き』ってさ、セックスがしたいってこと?」
「は。はあ?」
突拍子の無い質問に祥軌は面食らった。
瞬きを数回繰り返し、思考をリセットしようと試みたが、
しかし自分の顔を見上げたまま視線をそらさないコノエの眼が怖くなる。

「なにを言い出すかなー?おぼっちゃまは。ほら、離せって。皺がつくだろう」
「だって、僕、言われたんだよ。『好き』って告られたんだ、それも男にさー!」

とうとう絶叫したコノエに、祥軌は思わずその口を片手で塞いだ。
普段は物を言わない人間が大声を出すと、加減を知らないからとんでもない音量になる。
聞くほうも慣れない波長に肩が震えそうだ。

「…あのさあ、コノエ。落ち着こうか? 順番に話せるなら聞けるけど」
「だって!」
祥軌に抑えられているのに叫ぼうとしたコノエが祥軌の手のひらを舐めた。
瞬時に祥軌は手を離し、不覚にもぞくりと妙な感覚を覚えてしまうが、咳払いをしてうろたえない。

「僕って、男に好かれる? それにセックスをしたくなる感じ?」

「それを俺に聞くわけ?」
祥軌が返答につまっているが、コノエは「わからないから聞いているんだ」と、どんどんかぶせていく。

「コノエは学校側が決めた同居人であって、好意はないし」

「セックスは?」

「コノエに欲情したことがないし、好きでもないし」
正直に答えた祥軌の言葉に、コノエは安心したようで「ふう」と息を吐いた。


「やっぱり、あの人がおかしいんだ。相手にしないでおこう」
1人で納得して祥軌の体から手を離したその手首を、祥軌はぐいとつかんだ。

「コノエおぼっちゃん。俺には話が見えないんだけど?」

「あ、今、言わなかったっけ? 僕、先生に告られたんだよ」
「は?」
「で、抱き締められて、いきなりパンツの中に指を入れられたから驚いた。それだけの話」

「はー?」
驚いて二の句が継げないでいる祥軌を放置し、
コノエは飄々として「アイスコーヒーちょうだい」と冷蔵庫を開けている。
もう、その話題は終わったとでも言いたいのだろう。
普段から話をしない人間は会話を続ける努力をしない。
会話とは必要最低限の用件でしか使わないものだと思い込んでいるようだ。

「飲んでいいけどさ、おぼっちゃん、体は大丈夫?」
祥軌はコノエとは違う。
普通に会話をして、コノエという人間を知りたいとさえ思ってる。

「女の子じゃないんだから指入れられたくらいで妊娠しないし」
「指じゃ女の子でも妊娠しないよ」
コノエのボケぶりに祥軌が呆れていると「そーね、でも僕はへーき」と、
年上の祥軌に遠慮なくタメ口で返してきた。


 2話へ続きます




そろそろ行けるかなーーと思ってみたら、
なんと去年書いたものを中途半端で投げ出している




しまったなあ…


読んでくださった方には大変申し訳ないのですが、
次の更新分から新しいお話になります


本店に掲げた「BL」の文字をおろさないといけないじゃないのと、
思われるほどの放置ぶりでしたが、
またこそこそと書かせていただきます

リアルに楽しいものであればいいなあと思っていたりします



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