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桃の木の下で、遊んだ記憶もない。
田舎の家に、そんな鮮やかな思い出はない・・。

ベッドに沈んでいくからだのだるさ。
抜け切れないたくさんの布が絡んでいるようなだるさ。
こんなとき、一人暮らしの寂しさを痛感するんだ。
誰も助けてくれない。呼んでも叫んでも。
夢の中で呼び続ける幼馴染の名前すら、夢でしか呼ばない。
実際に、きてもらってことはない・・。

「・・佐紀。助けて。」

口をついて出たのは、夢で何度も呼んだことのある名前。

「ようやく呼んだか。」

声が聞こえる。手を握る感触。なんて冷たくて気持のいい体温なの。
「早く治しなさい。千里に会いたがっているひとがいるんだ。」
俺を待つのは、やはり本を送ってきたおじいちゃんかな。
顔を見せないなんて、冷たい孫だと思っているだろう。

「おじいちゃんはそんなにこころの狭いひとではないよ。」

佐紀。そう呼んだら返事をしたこのひと。
こころを読めるの?それとも今、俺は独り言でもいったかな。

「千里。いい加減に素直になって田舎に帰っておいで。」
「・・あそこには何もないんだ。」
あははは、明るい笑い声が響く。
「・・なんだよ。」
ぼうっとする頭で、考えてみた。
どうして俺が笑われなきゃいけないの。
そもそも、このひとは何者。
「何も無いなんてよく言うよ。ここのほうが何も無いじゃない。
星も見えない隙間のない建物に囲まれて、よくひとりで寂しさ我慢して生きられるね。」
額の汗をぬぐってくれている。
「・・佐紀。で、あってるの?名前。」
「うん。合っているよ。」
「きみは・・俺の田舎のひと?迎えに来たの?」
「違うよ。俺は・・・。」

佐紀は俺の胸を人差し指で、とんとん とつついた。

「ずっとここに住んでいたんだよ。」


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