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低価格の人工毛のウイッグがあれば、本物の毛を使用した怪しげなウイッグもある。
チープな象牙のレプリカもあれば、ワシントン条約にひっかかりそうな貴種動物も取り寄せ可能。
店頭に並ぶのは、ガラス細工といまどきな洋服と、見た目のきれいな店員さん。
地下の一角にある、一見・雑貨屋さんのような店構えのアングラ。
蛍光灯を使わない・和紙の傘でくるんだオレンジ色の電球をいくつもぶら下げた異様な雰囲気が漂うお店。
ただでさえ暗い地下のお店ですから、よそは蛍光灯を何本も使って・けばけばしい目の覚めるライト照明をしています。そうしないと目立ちません。普通はそう考えますがアングラは、何故か目立ちたくないようです。
隠れるようにひっそりと照明を落として営業しているくせに、ほかより際立つ店員の美貌。
アングラだけ照明で妙に浮いていますが、ひとは闇にも惹かれ易いのでしょうか?お蔭様で繁盛しています。
アングラ。ここの教育方針は、客を集めること。
とにかく売ること。でも売れなくても気にしないこと。
販売数はレジと直結したパソコンが管理しているので、店員さんはお客との会話を楽しみながら、求められるままに服を試着させたり、おはじきを売ったりします。
理由ありな感じがする、このおはじき。
何故か、いつも量り売り。
1個とは言わないでグラムで販売しているのです。

「ねえねえ店員さん。今日はバイトの給料日だったの。間に合ってよかった。500グラムちょうだいな。」
「はい。かしこまりました。」
真樹が愛想笑いをしながら小さな量りを持ち出します。
ざらざらと無造作にお皿に乗せると、量りにかけました。
「この量になりますが。よろしいですね。」
量りに乗り切らずにこぼれるおはじき。
「はい。」
お客は若いOLさん。
きらきら光るラメをあしらった爪が、グッチの財布から万札を無造作につまみます。
「これで。」
「確かに。少々お待ちくださいませ。」
おはじきはプチプチと呼ばれるクッション素材で包まれます。
真樹は真っ白い紙袋にそれを入れてお客に渡してお辞儀をしました。
「ありがとうございます。またお願いします。」
「はあい。」
お客は手を振って出て行きます。
こんなことの繰り返しです。

「真樹さん。おはじきが、だいぶ減りましたね。在庫を足しましょうか。」
「まだ半分ありますから。次に売れたら足しましょう。」
アングラの一番人気のアイテムはおはじき。
そのおはじき担当は真樹。
空はいつもその真樹の隣に立ちます。
この店にバイトで入ったときから、立ち位置はここと決められていました。
真樹が動けば空も動く。逆もまた然り。
「ねえ長押さん。」
「なんですか越屋さん。」
「おはじきって・・そんなに高価なものなんですか?」
今のお客が出した万札は5枚でした。
いくらいくらになります。と言うやりとりは聞いたことがありません。
もとより、おはじきにプライスカードが付いていないのです。
「どうしてですか。」
微笑しながら真樹が問い返します。
「お客に、いくらか聞かれたら困るので値段を知りたいです。」
当然ですね。でも・
「聞く人はいませんから。不安がらなくて平気ですよ。いつも俺が傍にいますからね。万が一、越屋さんが応対してもお客が出した札を受け取るだけでいいんです。値段はお客が知っていますから。」
はぐらかしました。
不審な目を隠せない空に、真樹はにこにこしながら見つめてくるだけ。
応える気がないな。
空は・諦めるしかないと考えました。
「じゃあ、傍にいてください。間違ったら困るので。」
「そうですね。離れませんから大丈夫ですよ。」
「俺は立っているだけで許されるのですか・・?」
「立っているだけじゃないですよ。越屋さん見たさに若い子が増えました。あなたは客寄せです。立派なお仕事ですよ。」
「そんなことがこの世にあるの。」
「ここだから許されるのです。」









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