FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スパンコールが隙間無く縫い付けられた化粧ポーチに、金髪の女の子たちが群がっていました。
「グリーンがよくない?」
「ピンクでしょう。」

きゃあきゃあ騒いでいる声をよそに、またひとりOLさんらしいきれいなお化粧をした女性がレジに来ました。
「おはじきを・・とりあえず100グラムください。今すぐ使うから、ビニールにでも入れてください。」
「はい。かしこまりました。」
真樹が手際よく量って、ビニール袋にざっと入れました。
紙袋に入れようとしたら「そのままでいいから。」
奪うようにOLさんが掴みました。
「レシートはいらない。ありがとう。」

走って出て行きました。よほど急いでいたのでしょう。
レジ台の上に2万円がおいてありました。
「多いなあ・・。あのお客が今度見えたときに、すこしサービスしようかな。」
空は珍しい言葉を聞いた気がします。
多いか少ないか全く不明。お釣りも出さないやり取りなのに。

「お兄さん。これちょうだい。」
さっきの女の子たちがそれぞれにスパンコールのポーチを持ってレジに押し寄せてきました。
「ねね。どうしてここの店員さんは名札をつけないの?」
「さあ、どうしてでしょうね。」
真樹が愛想笑いをします。
「名前教えて?」
「教えられません。ごめんなさい。」
「え~。お兄さん、可愛い顔してるのにけち~。」
「ふふ。ありがとうございます。でもあなたのほうがこの子よりも可愛いですよ。」
真樹がみえみえのお世辞を言いました。でも彼女たちはまんざらでもないようで。
空がポーチを袋に入れて渡すと、ちょいちょい・・と手招きをしてきました。耳を貸して?そんなジェスチャーです。
空は身を乗り出すようにして、彼女の話を聞いてあげます。
「?なんでしょうか。」
「ねえ、あのおはじきは、なあに?」
誰でも気になるでしょう。
黒い髪のきれいな男子が、お客に言われるままに小さな量りでざらざらと量っている・おはじき。
見ていれば皆がまとめ買いしている・おはじき。
「ああ、ごめんなさい。俺も知らないんです。」
体をひこうとしたら女の子が媚態を見せました。
「じゃあ、あなたの名前は?」
「教えてはいけないみたいだから。すみません。」
あっさり断られて「けちい。」
ぶううと膨れた女の子に苦笑します。
「金髪のお嬢さん。うちはホストクラブじゃないから名前を教えたところで指名もありませんから。」
銀の指輪を磨いていたバイト仲間が助け船を出しました。
「すみませんね、お客さん。18歳になったら先ほどの質問をもう一度してみてください。そうしたら応えますから。」
おはじきの前で真樹がひらひらと手を振ります。
「え~。なにそれ。18って。」
納得しかねる女の子たちを、空はとりあえず笑顔で見送ります。

「長押さん。俺は18歳ですけど。」
「なんのことです?」
「おはじきって。なんですか?これ。」
「まだ聞きたいのですか?知りたければ教えますけど・・まだ早いと思いますよ?」
真樹がおはじきをひとつ指に持ちました。

「でもまあ・・キスをしても動揺しなかったから。越屋さんは大丈夫かもしれませんね。俺が教えたいのですが、よろしいですね。」








スポンサーサイト
[PR]

Secret

TrackBackURL
→http://oasis19.blog43.fc2.com/tb.php/145-41cba5e7
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。