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2006.10.11 流れ星。1
つま先立てて、手をまっすぐに伸ばしても届かない。
もう少しなんだけど・・。指先がようやく・かする。
天井近くに積まれた商品の入った箱を取りたいのに届かない。
しょうがないから床に転がるダンボールを足場にしようと思って、乗ったら  落ちた。

まさに在庫商品に埋もれる。
「いって~。」
いくら靴の大きさが知れてるとはいえ、からだに角が当たると痛い。
ひとに見つかる前に、ダンボールから脱出しなくちゃ。
脚だけが箱から顔を出している状態、なんとも格好悪い。
腰に当たるのは靴の空箱みたい。助かった、中身が無くて・・。
それに誰もいなくてよかった・・と思ったら。

「大丈夫ですか!」

声がした。見上げたら、バイト仲間の理真の顔があった。
ダンボールに落ちた姿なんか見られたくないのになあ。
「あ、大丈夫。落ちただけ。」
手をひらひらと振って笑って見せた。
よいせっと、腰を浮かせたら足場が無いからずるりとまた沈んだ。

「出れますか?」

なんてことを聞くんだ、きみは。

見た目は笑顔を取り繕っているけれど、恥かしくて卒倒しそうなのに。
「杏さん。捕まってください。」
きみが腕を伸ばしてきたから驚いた。
「いいから。大丈夫だよ、」
断ったのに、今度は俺の体を埋める靴の空箱を取り出し始めた。
がさがさと一心不乱に箱を取り出しては床に投げる。
まるで発掘されてる気分なんだけど・・。
「あの、杏くん。大丈夫だから!ありがとうね。」
ようやく体がまともに動けるようになって、恥かしくてまともに顔が見れない。
ああ、とんだ恥さらしだ。
がさっと音を立てながら箱から脱け出そうとしたら、そっと抱き締められた。
「は?」
なんだろう、この感覚。
なんだろう、どうしてだろう。
どきどきしている音が聞こえるんだ・・。

「大丈夫ですか?」
きみの顔が近くて。
「なんとか出れましたね、よかったです。」
抱き上げてくれたのか・・。
「ありがとう・・。」
ちょこんと頭を下げたら、慌ててる。
「そんな。お礼を言われるようなことはしていません、それに、
このことは誰にも言いませんから!」
真面目だなあ。
こんな子が世の中にいたんだ。
恥をかいたのは俺なのに。どうして顔が赤いんだろう、きみは。
その赤いのが伝染しそうなんだけど。


バックヤードで発掘されたのは、俺自身。
きみに見つけられてから、日常が変わる予感がしたんだ。

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