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2006.10.18 5階の住人。
傍にいると呼吸まで聞こえてきそう。
普段、話したこともないのに。

エレベーターの脇に置かれた観葉植物のドラセナを見つめながら、中村知世は早くこの場を逃げ去りたいとさえ感じていました。
隣に立つのはチャコールグレイの色のスーツを着た2つ年上の工藤さん。
部署は違うけれど、同じ会社。
階数は違うけれど、同じマンション。
よく早朝や深夜を問わずに顔を見ます。
それは、寝ぼけているさえない顔のときもあるし。
彼女を連れ込んだときも見られたし。
情けないプライベートをよく見られているので、社内ではなるべく口も聞きたくないのです。
挨拶だけの関係でありたい。関わりたくない。
そう思っているのに、今日は朝からこうして2人で取引先を訪問。
上に上がるエレベーター待ちです。

「中村さん。」
声をかけられてびくつきます。
「今日は燃えるごみの日だったのに、出し忘れ?」
工藤さんのふちなしの眼鏡がこちらを向きました。10CMは身長の差があります。見下ろされているようで、落ち着きません。
「出しましたよ。」
「あ、いつもの時間じゃなかったんだ。」
「いつものって。」
「よく会うじゃん。マンションの下のごみ置き場でも。エレベーターの前でも。なのに社内では声もかけてくれないんだもんなあ。」
「・・プライベートと仕事は分けたいんです。」
「へえ?」

ようやく来たエレベーターに乗り込んで6階を押しました。
提出する見積書の書類の入ったカバンを抱えてため息をつく知世に
「今は彼女がいないの?」
「詮索する言い方はやめてください。」
こうして口をきくのは初めてです。
お互い、顔を見ても挨拶だけで済ませていたので。

なのに今日はどうしたことでしょう。やけに話しかけます。

「うちの部長が中村さんを気にいっててさ。近く、部署移動かかるよ。」
「あ、そうなんですか?」
「そうしたら俺とコンビ組まない?」
「はあ。」
なかなか6階に着きませんね。
「あれ?動いていない。」
階数を示すランプが1階のままです。

「中村さん。そんなに俺とふたりっきりになりたかったの?」
「違います。あれ?おかしいな・・開きもしない。」
「故障?」
「まずい、約束の時間に遅れます!」
焦る知世とは逆に、やけに余裕をみせる工藤さん。
「大丈夫、受付には俺たちがきたことを話してあるから。大事にはならないよ。それより救援を。」

「押しているんですが・・。」
応答のない非常電話。
「携帯も使えない。ま・・様子みようか。」

こんな狭いところにふたり・・?

知世がため息ついたところに、工藤さんの余裕すぎる鼻歌が聞こえます。
「あのう・・。不安じゃないですか?」
「別に?エレベーターに閉じ込められるなんて本当にあるんだな~と。」
眼鏡を拭いています。
切れ長の一重の瞳。端整な顔だち。ベリーショートの黒い髪。
社内でも人気のある工藤さん。
そして、アッシュブラウンのミディアムウルフの髪に、二重の瞳。
ときどきカラコンまでしてくる黒いスーツのホスト風な中村知世。
共に男性です。

「女の子と一緒ならな~。」
「不謹慎ですよ。」
「中村さんが、こんなに可愛くても男だもんな~。」
「はあ。」
「試してみてもいい?」
「はあ??」


2話に続きます。







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