FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
古い民家を改装したなんとも和風な趣のカフェに女子高生が上がりこむ訳は、男前なオーナーさんにありました。カフェのオーナーなのに無精ひげを生やして、Vネックのカットソーにダメージ加工のされたジーンズをだぼっとはいた姿は、学校では見かけないから新鮮なのでしょう。背も高くて190CMはありそうです。優しい目元にこの背では、モデルもやれそうなくらい。女子高生が盛んに話しかけてプロフを探ります。
「彼女がいるの?」「どうしてカフェを経営してるの?」
そんな質問に苦笑していたら、カフェの戸をがらっと開けて息急ききった男子が飛び込んできました。
はあはあ、荒い息をして。走ってきたのか頬が赤くて。
オーナーを見てくるその顔が、捨てられた子犬が助けを求めるようなこころくすぐるものがありました。
「すみません、手を貸していただけないですか?」
これは由々しき事態でしょうか?
「友人が体調を崩してしまって、休ませたいのですが。ここまでひっぱるのが精一杯で」
「どうしたんだい?」
オーナーが戸の外を見るとコグマのような巨体が伸びています。
「こんなすごい子を、どこから引張ってきたの」
「公園から・・」
「この華奢な体で?・・きみも休んだほうがいいよ、ところで救急車を呼ばなくていい?」
「少し休めばいいと思うんです。意識もあるし」
額の汗を手の甲で拭い、はあ・・と息を吐く真夏。この細い体の何処にこんなコグマを引張る力があったのでしょう。
オーナーはコグマ・・いえ、パンダの様子を見ながら、真夏も気にかかります。がくんと膝をついて心配そうにパンダを覗き込む仕草は、男子とは思えない可愛らしさです。こんな綺麗な男子がいるんだなあ・・、オーナーはちらちらと真夏を見てしまいます。
パンダは、ぶうぶう呼吸をしていますし、「すみません、ご面倒をおかけして。お水をいただけますか?」と、ちゃんと話せています。
「水ね、」
オーナーがすぐに飲ませるとパンダはプハーと大きく息を吐いてゆっくり起き上がりました。
「ありがとうございます。もう平気です」
「よかったね」
オーナーはにこにこ微笑むと、膝をついている真夏を見ました。
「きみたち、中で休んでいきなさいよ」
「はい、」
真夏が立ち上がりかけてふらつきました。「あ、」
パンダよりも先にオーナーの腕が真夏を支えます。

<軽い>
オーナーは、体に電流が走ったのを感じました。

「だ、大丈夫?」
「すみません」
真夏が驚きながらも、すいっと体勢を直したのでオーナーは気づきます。

<この子、もしかして男に慣れていないか?>

この顔でこの体で、もしも男に慣れているのなら・・。

オーナーはドクドクと鼓動が早まるのを感じます。女子高生が騒ぎを遠巻きにしているのも幸いです。オーナーは女子が苦手なのです。
「何か飲めそう?」
恥ずかしながら声が震えるオーナーです。真夏は特に気づきもせずに、パンダの回復が嬉しいようで安心しきった表情です。
「珈琲をお願いします。あ、ケーキとかってありますか?」
そんな可愛い顔してケーキを所望されたら、ときめき度数が振り切れそうです。
「ロールケーキがあるけど・・」
「好物です、いただきます!」
このはじけるような笑顔はなんでしょうか?
「そこに座って待ってて・・」
オーナーは赤いソファーを指差す手も震えます。歓喜の感情を隠せません。キッチンにはオーナーしか入ることが許されないゾーンがあります。鏡の張られた一角、そこはジャニーズ系やらMEN'S EGG系な男子のポラが張られた異様な空間。

オーナーはゲイでした。
スポンサーサイト
[PR]

Secret

TrackBackURL
→http://oasis19.blog43.fc2.com/tb.php/185-3cc08dcc
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。