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2006.12.20 傾城の微笑。3
高尾はまっすぐ江戸に向わずに、まずは島原に連れられていきました。
ここはお公家様のお膝元。
二条城の近くに栄える遊廓です。
島原でも名のある大見世、三浦屋に女衒があがりました。
「ここで花魁がどんなものか見て行きましょう」
「はあ」
さっきから生気の無い白塗りの男子が歩き回っています。
それを見ただけでうんざりな気持になりました。
「外で待っていますよ」
高尾はさっさと出て行くと、見世を眺めながら散歩し始めました。

トッテンシャン
チントンシャン
耳慣れない音が聞えています。

「これが楽しいのかい」
高尾は少し呆れていました。
お公家様に似せた化粧。豪華な着物。
お人形みたいな男子たちに、なにを学べというのでしょう。
つまらない街だなあ・
高尾が出店で蕎麦を食べていると、ひとりの男子が駆け込んできました。
「見つけましたよって」
白塗りの男子が高尾を指して言いました。
「高尾さんやろ」
「なんだい。食事中なんですが」
「探してはるで?お連れさんが」
「あ、そう」
急ぐことも無く、蕎麦に七味をかけています。
「お兄ちゃん、かけすぎやで」
店の主人が心配しています。
「そうかな?」
「そないなもん食べたら喉がおかしなる」
「大丈夫よ?」
「高尾はん!」
のんきな高尾に、いよいよ声を荒げます。
「はよう!」
「うるさいな。食べてるからほっといて。で、誰?きみ」
「九重と申します。三浦屋の格子ですわ」
主人が「格子と言われてもお兄さんにはわからんやろ」
「お兄さん。花魁には階級がありましてな。
一番上が太夫。で、次が格子。
以下、散茶、局(つぼね)、端(はし)、切見世 言いますねん」
「へえ・じゃあ。二番目なんだ?凄いねえ」
高尾は口では誉めながらも、説明も聞き流しているようです。
しかしこの誉め方が九重を喜ばせました。
「高尾はんも花魁になるんやろ?俺がなんでも教えてあげるさかいに」
鼻息も荒く胸を張ります。

「いいよ。芸事は向こうで聞くし」
「向こうて?なんや~、吉原に行くんかい?」
残念そうな九重に、
「きみが島原で一番の太夫になればいい。俺は吉原で太夫になるからさ」
蕎麦をすすると唇を押さえました。
「辛いな~」
「当たり前や。京都の七味は山椒がきいとるんや」
主人が楽しそうに笑います。
「お兄さん、花魁になるの?
やめときい、おまえさんには勤まらんやろ」
「どうしてだい?」
高尾が面白そうに聞きました。

「なんだか惜しいからさ」
主人が照れたよう。
「器量がいいから間違いなくおまえさんは売れる花魁になるやろ。
でも花魁てのは、床をとる職やで?
勤まるんかいな」

「平気だよ」
高尾は笑って見せました。

「叔父さん、一月したら吉原においで。
俺がお酌してあげるよ」
「高そうやなあ」
高尾は今から自分の向う世界にも、こんな気のいいひとがいたらいいなあと感じました。
しかし体を売るのは苦しみ以外のなにものでもありません。

「さて、行きますか」
蕎麦を平らげると「ごちそうさま」
高尾は手を振って出て行きました。

提灯の明りが道を照らしています。
空には星が見えています。
草履にの裏にざらつくのは砂でしょうか、それとも郷里への思いでしょうか。

「太夫か」
最上級の花魁。その名を口に出してみました。
<そこまで上がらなければ苦界を味わうことになりそうだ>
ふいっと息を吐くと、女衒が待つ三浦屋に向って歩き出しました。


→4話に続きます。







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