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「そ、その聞き方は止めてください」
 
あらぬ妄想をしない様に、必死で大学の講義の事とか、母さんが家計は火の車とぼやく声とかを思い出した。

「眉間に皺が寄っているよ。おなかでも痛いのかな?」
「さ、触らないでください!」

「わ。凄い腹筋」
 
くすぐったいよ、困る!
 跳ね除けようとぐいっと体を押したら、掌にドクドクと鼓動が伝わる。……あれれ?

「どこを触っているのかな?」
「わ、わわ!」
 
僕の両手は鶴前さんの胸を大胆にも触っていたのだ。
これはわざとではなくて、座っている僕が立ち上がった鶴前さんに手を伸ばすと必然的に胸を触っちゃうので……。
ああ、手を伸ばすからいけないのか! もう頭の中がパニックだ!

「あはは。本当に犬だね。大型犬が飛び掛ってくる時って、まず胸を触られるよ」
 
そんな事をするのはどこの犬だ。僕の事は棚に上げて、お仕置きしたい。

「ケンちゃんは可愛いね。昔飼っていた犬を思い出すよ」
 
犬でもいい。ふと、そう思ってしまった。
 

十六時を過ぎると、どやどやと営業担当が帰社した。
メタボリック症候群を疑う体型の人や神経質そうな鋭い眼差しの人。
営業担当と一口に言っても色々なタイプがいるのだな。
鶴前さんに一人一人紹介してもらいながら、顔と名前を早く一致させようと必死だ。
営業担当が和やかに雑談を始めた時、もう一人帰って来た。

「ただいまー」
 
元気の無い声だ。
いかにも仕事をして疲れた様子。
上着を脱いでネクタイを緩めながら歩いている。

「お帰りなさい、大和さん」
 
えっ? あの人が大和さんなのか! 
何だかイメージが違うぞ。
勝手だけど、もっとハキハキしている大人なイメージを抱いていた。
 
しかし現実は違っていた。
ベリーショートの黒い髪に尖った顎がシャープな印象だけど、
二重の黒い瞳がきょろきょろと動いて落ち着きのなさを感じる。
男前だけど少し子供っぽい青年だな。
しかし無造作に扱うその上着は、イタリアの高級ブランドの物だった。子供には買えない代物だ!  

「ハル、データをありがとう」
 
椅子にどかんと腰掛けて、大きく伸びをしている。何か、偉そうな態度だな。

「どういたしまして。お疲れ様です、飲み物をお持ちしましょうか」
「お、サンキュー。後でもらう」

 何だ、このやり取りは。まるで夫婦のそれじゃないか。

「ねえ、ハル。そういえば、犬はどこ?」
「あ、ケンちゃんを紹介しますね」
 
僕に手招きをしたのでそこへ行こうとしたら、大和さんがデスクをバンと叩いた。

「ケンちゃん? ハルはバイトの子をあだ名で呼んでいるの? 良くないよ、仕事なのだからきちんとしないと舐められるよ」
「すみません。改めます」
 
何だ、こいつ……。大和さんだって鶴前さんのことをハル呼ばわりじゃないか。


10話に続くのだ。
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