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そっと握り返した。でもきつくないだろうか、凄く心配だ。こんなに細い指だもの。
「もっと、いいよ」
「えっ?」

「もっと、ぎゅっとして」
 
その掠れる声に震えが来た。そしてようやく僕は気づいた。
誰も彼もが鶴前さんに感情を押し付けてばかりで甘えていた。

それをずっと受け止めていた鶴前さんは気丈に振舞いながら辛い気持を隠していたのだ。

「さっきは、すみませんでした」
 目頭を押さえた。僕は大和さんの事を言えない、感情のままに振舞う子供だった。
「何を謝るの。ケンちゃんは正しいよ」
 やさしい声で納得させないで。違うと言って欲しい。もう二度と困らせたくないよ。

「早く大人になりますから」
 振り絞った声は届くだろうか。

「僕でよかったら、甘えてください」
「ケンちゃ?」 
 そんなに潤んだ瞳で見上げられたら、理性が吹き飛びそう。お、落ち着け。
「あ、ほら。あの、僕は体を鍛えているので、どーんと、ぶつかってきても平気ですから」
 いや違う、そうじゃなくて。僕は気持を受け止めてみせるとか、クールに決めたいのに。
「ありがとう」
 言葉が足りない僕の言い方でも伝わったのだろうか。前鶴さんは微笑んでくれた。

 タクシーを拾い、うとうとしている前鶴さんを後部座席に座らせた。
運転手さんにメモを渡して、僕の財布の中から奇跡的に入っていた一万円札を預けて「お願いします」と一礼してタクシーを見送った。
 財布は空っぽだ。さて僕はどうやって帰ろう。ここから家までは、歩くと一時間はかかるかな。

「酔い覚ましだ、歩こう」
 徐々に灯りが消えて行き、眠りに入る夜の街を黙々と歩く。
静寂な空間にたった一人でいる寂しさよりも、自分がまだ大人じゃない現実が辛く感じた。
 
気持を伝えられない、もどかしい子供のままだ。
月日が過ぎただけで二十歳になっていた。いい気になってはいけない。
大人になりたい。大好きな人を安心させたい。僕は鶴前さんの力になりたいのだ。



18話に続くのだ。やけに長いな―。すみません。
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