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「へえ。沢山CDを持っているんだね」
 湊が僕の部屋に来るのはこれで二度目だ。
 折角学校で我慢させていたのに、帰宅したらパートでいないはずの母がいて『今日は休み』と言うから、がっかりしてしまった。
 湊はきっと僕以上に落胆しただろうに、頭の切り替えが早いのか、CDに夢中だ。

「これ、借りてもいい?」
 湊がクイーンのベストアルバムを手にしていた。
「いいよ、良かったら他も貸すよ」
「ありがとう。俺、あまり洋楽を聞かないからさ、お勧めはある?」
「じゃあ、サヴェッジガーデンとか」
「それは踊れそうな感じ?」
「いや、リラックスできる」
「眠くなるの?」
 素直に聞くから吹き出してしまった。
湊はホストみたいに踊れる曲がいいのかと、笑いがこみ上げてしまったのだ。
「あ、酷い。笑っている」
「ごめん。でも、こういう関係もいいなあ。そうは思わない?」
「これでは友人でしょう。俺は嫌だよ? 触りたいもんね」
 ストレートに言われて照れてしまった。
身の置き場に困ってベッドに座ったら湊が圧し掛かってきた。

「ダメだよ」
「声、我慢して。そうしたら出来る」
「……音がするだろう!」
 頬を軽く打つと湊が膨れっ面を見せた。
この子供っぽさに翻弄されそうだ。
「じゃあ、音楽でも聴こうか」
 CDをかけたときに、鳥肌が立った。
こうすればセックスの音も声も隠せる……。

「やーらしー。悠里」
 湊に気付かれていた。と、言うか導かれた気がする。

「今日はゴムもオイルもあるから、昨日みたいに痛くさせないからね」
「……準備がいいね。それを持って学校に来ていたのか」
「当然」
 そう言うと湊はゴムのパッケージを開けた。
「早くつけたいから、起たせて」
「う、うん」
 流されている気もするが、サイドの髪を手で押さえて湊の茎を口に含んだ。
「え! いきなりなの?」
 湊を驚かせたかったのだ。
目的は達したがここまでしたらイかせたくなる。
茎を舌で舐めると口で何度も吸った。

「あ、そこ。悠里……」
 段々大きくなる茎にギブアップだ。もう舐めるか、手で扱くしかない。
「ああっ。不慣れな感じが……クる!」
(げ。大きな声!)
 
 

 結局、CDの音よりも激しく湊が吼えたので、今日は中止だ。
「明日は俺の家に来てよ」
「あ、うん」
「親は追い出しておくから」
 そう言って、キスをした。
「あ、ちょっと苦いね」
 顔を見合わせて笑ってしまった。
 


 我侭な湊と繋がったこの季節が、冬支度を始める。
 僕は今、湊の部屋で毛布に包まっているが下は裸だ。
曇った窓から冷気が流れてくるようで、床に座ると鼻がむずむずした。
「くしゃん!」
「あ、寒い? 悠里」
 湊が暖房をつけようとするが断った。
「……側にいてくれないかな?」
 すると湊が、履いたばかりの下着を脱ごうとする。
「や。そういう意味じゃなくてさ!」
 立ち上がって湊のお尻を軽く叩くと、不満そうな表情だ。
「肩を抱いて、湊の体温で暖めてほしいんだ。無理?」
「いいけど。誘われたと思ったのにさ」
 肩を抱くだけでは済まないだろうが、既に二回もしている。
早々は起てないはず。
「わー。細い肩」
「あまり嬉しくないな」
 湊が言うとおりにしてくれているのは嬉しい。幸せな気分だ。
「ねえ、来年の今頃はどうしているのかな」
「来年?」
 湊が首を捻る。
「来年よりも、今日。明日でしょう? 俺は毎日が楽しくて、そんな先のことまで考える余裕がないよ」
「ああ。わかる気がする」
「あ、何か、嬉しい。同意されると自信がついちゃう」
「ふふ」と微笑む湊の体が暖かい。
「僕達、同じ年だよね?」
「誕生日、いつ?」
「僕は十二月」
「俺は八月だったから、年上か! ああ、これなら伝説に乗ったね!」
「はああ?」
 
 僕視点ならそうかもしれないけど、同性だから結婚は法律上有り得ないし、先ず皆に全く祝福されない。
親は泣くだろうし、親戚も怒るだろう。

「バイトしたお金で、お揃いを買おう」
「お揃いなら、携帯があるじゃないか」
(しまった。あのオレンジ色の携帯の電源を切ったままだったな)
「もう、声が聞きたいだけじゃないんだよ。悠里と繋がっていたいんだ。これも同意してくれる?」
「……うん、喜んで」
 湊が拳をそっと出したので、僕も拳を握り、コツンと当てた。これが約束の証だろう。

 
 それから二週間後に、あの拳に光る指輪をつけて貰えた。
百合のモチーフで、照れくさくて仕方が無い。
「伝説一組め」
「あのさ」
 見返ると顎を指で上げられてキスをされた。
 先のことは知らない。
だけど今はこのまま感じていたいんだ。湊と同じだよ。



終わり

ありがとうございました!
またお付き合いいただけると嬉しいです


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