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2009.03.27 劇的変化・1
「うちはモデルと言っても、ファッションショーに出るような公のものでは無いんだよ」
 俺の目の前でスーツ姿の男が煙草をくわえた。
「いわゆる、やらせのモデルを募集していたんだ」
「やらせ…?」
 俺の思惑とは違うのだろうか。
やらせなんて何を指しているんだろう。
「えーと、西田ミヒロくん。きみ、いくつ?」
「18です」
「そうか、ならばわかるだろう?アダルトサイトに乗せる動画用のモデルだよ」
「アダルトサイト?」
「よくあるだろう、強姦ものとか隠し撮りとか。きみはそれの襲われる役」
 俺は唾を飲み込んだ。
これは危ない橋を渡ろうとしているんだと、はっきりわかった。
 時給2000円を出すなんて普通じゃないとは思っていたけど、矢張りそうなのかと思う。
 背筋に寒気を覚えて膝に乗せていた拳が震えた。
いくらお金が欲しいからと言って、俺はとんでもないところに面接に来てしまったのか。

「その面なら随分稼ぎそうだなー。こっちはOKだよ。さて、きみはどうする?」
 値踏みをされて顔を背けた。
「…」
「怖いなら止めておきな。これでもね、真面目に取り組んでくれるモデルが欲しいから」
 しかし、俺には稼がないといけない理由がある。
「時給2000円ですよね?」
「ああ。そうだよ」
「やります。仕事をください」
「意外に度胸があるな。気に入った、早速車に乗ってくれ。撮影をするから」

 

「ただいま」
 部屋のドアを開けると香水の香りがした。
「母さん、まさか仕事に行くの?」
 風邪をひいてダウンしていたはずの母が、派手なスーツを着ていたので思わず聞いた。
「うん、いつまでも寝ていられないわよ。晩御飯は作ってあるから食べてね、じゃあ」
「無理はしないでよ?」
「はいはい」
 まだ鼻声の母がヒールの高いパンプスを履いて出て行った。
――母は水商売で働いて、俺を養ってくれている。
5年前に離婚した父から生活費が送られてこないからだ。
女手一つで子供を育てるには、この不況は向かい風だ。
水商売に行くしかなかったんだろう。
 それは理解している。
だからこそ母を助けたいのだ、俺だってもう18だ、今日みたいに稼げるんだ…

 自分の部屋に入り、財布から皺の寄った紙幣を取り出した。
合計で6000円。
俺は自分の体がこの紙幣のように汚された気がした。
 だけど、もう戻れない。
手っ取り早く稼ぐには、危ない橋でも渡るんだ。

 ベッドに横たわり、枕に突っ伏すと何故か涙が零れた。
数時間前の記憶が俺を苦しめているんだ。



「最初だから通り魔にしておこう」
 煙草を吸っている男は鈴木と名乗った。
何処にでもあるような苗字なので、偽名かもしれないとふと思った。
 俺は車に乗せられて人気のない公園の前で降ろされた。
「向こうまでまっすぐ歩いてね―」
 ビデオカメラを持った中年の男が俺に指図をする。
言われるままに歩き出すと、いきなり背後から羽交い絞めにされた。
「えっ!」
「されるがままにしていろ」
 口を手で塞がれ、ベルトを外されてボトムが膝まで落ちた。
その様を先程の中年の男が口元を緩めながら撮影していた。

(なんだ、これ!)

 腕を振って抵抗を試みたが、背後から襲ってきた男に下着を下ろされた。
露出された姿を、中年の男はしっかりと撮影する。

(嫌だ!)

 俺は肘で男を突き、逃げようとしたら急に中年の男がビデオカメラを持ったまま逃げ出し、
背後にいた男も駆け足で立ち去った。
 残された俺は地面に膝をつき、呆然としていた。
しかしいつまでもこんな格好ではいられない、気を確かに持ってボトムを履きなおすと車に戻り、鈴木から紙幣をもらった。
「6000円…」
「なかなかいい絵が取れたよ。流石、器量良しだな」
 その声で俺を背後から襲ったのは鈴木だとわかった。
「次も頼むわ、かわいこちゃん」
 その声に俺は体の震えが抑えきれなかった。
「かわいいねえ、今頃怖くなっているんだ?」
「あんまり言うなよ。逃げられたら困る。ミヒロは上玉だからな」
 鈴木の言い方では、俺は商売道具らしかった。


2話に続きます








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