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「おまえが可愛いのは服だけだからな。不細工だって自覚しろ」
 途端にバサッとファイルが投げつけられる音がして、戸田蒼生(あおい)は顔を上げた。
「重要書類で人を叩くな!早く拾え」
 蒼生のデスクの前で繰り広げられる光景は目を覆うばかりだった。
若干25才で営業部の稼ぎ頭・浅尾亮輔(りょうすけ)が、
事務担当の女性新入社員をいじっているのだ。
 新入社員は即戦力にはならない、しかも当然ながらミスをしてしまう。
それをフォローするのは先輩であるものの仕事なのだが、亮輔には思いやりもないようだ。
「おまえのせいで、無駄な仕事が増えるんだ」
 亮輔は容赦が無い。
「営業マンは事務作業をしないんだ。だからおまえがきちっと仕事をしないと業務が滞るだろう!」
 耳をふさいでも聞こえる罵声。
もう言いすぎだ、と蒼生は思った。
「浅尾、もういいじゃないか」
「部外者は黙っていろよ」
 亮輔は蒼生を睨む。
 その視線に蒼生はこれはとばっちりを受けそうだなと直感したが、
気の毒な新入社員を助けなければいけないと正義感に燃えてしまった。

「責めるばかりじゃなくて、仕事を教えてやれよ」
「はあ?何のつもりだ」
 亮輔と蒼生は同期入社だ。
上下関係は無い。
「それに容姿は関係ないだろう。相手は女性だぞ、いい加減にしろよ」
 蒼生の声に重なるように新入社員が鼻をすする音が聞こえてきた。

「わー。面倒くさい。泣いちゃった」
「浅尾!謝れ。おまえが悪い」
「俺のせいか?」
 気配りも人を思いやることもできない亮輔の頬を蒼生が打った。
「いたー!」
 亮輔は頬に手を当てたが、理解したのか新入社員に頭を下げた。
「ごめん。言い過ぎた…かもしれない」
 その言い方に蒼生は呆れたが、しかし頭を下げたのでよしとした。


 亮輔は気を害したのか煙草を手にして喫煙室に向かう。
蒼生はその後ろ姿を横目で見送ると、溜息をついてパソコンでの作業に戻った。
「ありがとうございました」
 新入社員が蒼生に礼を言うが蒼生は首を振る。
「お礼を言われるようなことはしていないから気にしないで」
 すると新入社員が頬を染めた。
決して不細工な子ではないと蒼生は思う。
 それに仕事も少しずつ覚えているので、無能扱いは酷すぎるなと蒼生は感じる。
「ちょっと席を外すから、内線があったら呼んでくれるかな」
「え、どちらへ?」
「喫煙室」


 蒼生が喫煙室に行くと不機嫌さを隠しもしない、不愉快そうな亮輔がいた。
「お疲れ」
「お疲れー」
 亮輔は煙草を吸わない蒼生に煙がかからないように体の向きを変えた。
そんなことができるのに、何故あの新入社員に気配りができないのか蒼生にはわからない。
「騒いでごめん」
「僕に謝らずに、あの子に謝れよ」

「え?俺、間違ったことを言った?」
「は…?」
 
 意外な言葉に蒼生は面食らった。
「間違っていないだろう?あいつは仕事はできないし、課長に可愛がられているけど不細工だし」
「…そうかもしれないけど、言いすぎだ」
「え?それで俺が謝るの?納得できない」
 
 とんだ王様だと蒼生は思う。
亮輔は今どきの髪を盛った髪型で、スタイルも中肉中背でなかなかスーツ姿が決まっている。
しかも眉目秀麗ときた。
誰もが亮輔にちやほやするので、すっかり王様気分らしいのだ。
「こんなやせっぽちの戸田にそんなことを言われるとはねー」
 蒼生は亮輔よりも10センチは背が低く、そして痩せ型だ。
市販のスーツではサイズが合わないので常にお直しか、専門店で仕立てている。
「戸田のほうが可愛いくらいなのに、俺はあいつに謝るの?おかしい」
「…おかしいのはおまえだ、浅尾。もっとやさしくしてやれよ」
「そんな余裕は無いね」
 亮輔は煙草を揉み消すと「あーあー」と伸びをしながら営業部に戻っていった。


2話に続きます







なかなかお礼を書けずにすみません
拍手をありがとうございます!
やる気がわいてきます
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