FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 ベッドの上で蒼生が目を覚ますと、至近距離で亮輔が全裸で寝ていた。
同性とはいえ、はしたない姿に蒼生は苛立ちを感じて亮輔を突き飛ばした。
見事に亮輔はベッドから落ち、すぐに「いてー」と低い声がする。
「蒼生ー?」
「下着を履けよ!」
「それくらいで突き飛ばすか?普通」
「するだろう、普通」
「…見慣れているくせに、恥かしいか?」
 亮輔は頭をかきながら立ち上がると「腰を打った」と文句を言いながらバスルームに消えた。
その動作を見ながら、蒼生は今更ながらホテルに泊まったと気付く。
「しまった。今日も仕事なのに!」
 蒼生は慌てて身支度を整えると、カバンを持ってホテルを飛び出した。
時刻は6時だ、今から帰宅すれば着替えができる。
 昨日と同じスーツで出社する気にはなれないのだ。
蒼生はタクシーに乗り込み、帰宅を急いだ。


「おはようございます」
 蒼生はなになかったかのように爽やかな笑顔で出社した。
その表情に部長は満足げだ。
「戸田の挨拶を聞くと清清しい気持ちになる。さすがは私の部下だ」
「ありがとうございます」
 恐縮しながらデスクに着くと、パソコンを立ち上げる。
「おはようございます、戸田さん」
 新入社員が頬を染めながら挨拶をしてきた。
「おはよう、今日も頑張ろうね」
「はい!」
 彼女はすっかり蒼生になついたようだ。
 しかしそこに荒々しい靴音が響く。
「おはよーございまーす」
 亮輔だ。
 不機嫌そうにどたんどたんと歩く姿に部長が閉口した。
「朝からなんだ、その態度は!」
「あ、すみません」
「戸田のように爽やかに出社できないものか?」
 部長の叱咤を聞きながら亮輔は蒼生を見た。
「気をつけます」
 そしてどすんとデスクにカバンを置いて、早くも喫煙室に向かう。
「何をしに来ているんだ、あいつは」
 溜息をつく部長に、蒼生はまったく同感だと思う。
だがしかし、あの不機嫌さがもしや自分のせいではないか?と疑問が頭をよぎる。

「コーヒーでも入れましょう」
 部長に声をかけて給湯室に行くと、新入社員がついてきた。
「私が入れます」
「いいよ、仕事を始める準備をしないと」
 蒼生はそう促してデスクに戻させた。
そして部長のマイカップと亮輔のマイカップを取り出し、コーヒーを入れた。
部長はミルクと砂糖、亮輔はブラック、これを覚えたのは事務職になってからだ。
蒼生は自分の分と新入社員の分も入れて、トレーにそれらを乗せると配って歩いた。
「戸田が入れるコーヒーは美味いな」
 部長は機嫌をよくしている。
「しかしお茶請けがないと寂しいな。今日出かけた先でおやつを買ってこよう」
「ありがとうございます」
 蒼生がお礼を言っていると亮輔がデスクに戻ってきた。
そして机上のコーヒーに目を輝かせる。
「戸田?戸田が入れてくれたの?」
「ああ、うん」
「ありがとう!」
 やけに嬉しそうだなあと亮輔を見ていると、部長が「私の分のついでだ」といらぬ一言を発した。
「え」
 亮輔はまた不機嫌になりそうな顔をしたが「それでもいい」と蒼生を見ながら言う。
「俺1人分、特別に入れてもらうわけにはいきませんからね」
 蒼生が(おや?態度が王様じゃないぞ?)と目を丸くしていると、亮輔が笑う。
「なに?俺の顔に何かついている?」
 口角をあげて、蒼生の気持ちを見透かしたような態度だ。
「ついていないよ」
 蒼生はにこやかに応対してデスクに戻った。

「育ちが違うんだろうなー」
 亮輔がカップを持ちながら蒼生のデスクに歩み寄る。
「こいつではこんなことはなかなかできない。そうだろ?」
 失礼なことに、こいつ呼ばわりされたのは新入社員だ。
「おい、浅尾!いじるなよ」
「戸田は仕事ができて気配りもできる、優秀な事務員だ。ちゃんと見習えよ」
「は、はい」
 怯える新入社員を横目で見ると、亮輔は蒼生の側でしゃがみこんだ。

「今日もいい?」
「なにが」
「話がしたいんだよなー」
「あのな。今日は営業で社内会議があるんだろう?忘れたのか」
「あ、そうか」
 痛いところをつかれたとばかりに、亮輔は頬に手を当てた。
「あーあ。今日頑張る意欲をなくした」
 そんな勝手なことを言う亮輔に、女性社員がとりまきを作る。
「頑張ってくださいよ、浅尾さん!」
「そうですよ、営業部のエースなんですから」
「そうだなー!」
 すぐに機嫌をよくした亮輔は女性社員にカップを渡して「洗っておいて」と言う。
なんとも我侭な言動だが、女性社員は「はーい」と言って給湯室に入っていく。
「はーい・じゃない。はい・だろう!」
 亮輔はその後ろ姿に「訂正しろ。ここは会社だぞ」ときつい口調で投げかけた。
「はい、すみません」
 女性社員が顔を出して謝った。
ここでは亮輔が王様なのだ、この態度に部長は呆れ顔だ。
「浅尾、デスクに戻れ」
 部長は亮輔を追い払う。
あまり気に入っていない様子がありありとわかる。

「戸田。浅尾と関わるなよ?」
「は」
「よく見ろ。昨日と同じシャツを着ているぞ。朝帰りか」
 確かにそうなのだが、部長は目ざとい。
「戸田に変な癖がついたら大変だ。大事に育てている事務員なんだからな」
 蒼生が驚いていると部長はたしなめるように続けた。
しかしもう関わってしまった。
体を許してしまったのだ。
 蒼生は部長の信頼をなくさせないように「はい」と答えたが心中は穏やかではない。
冷静さを保とうとパソコンに向かうが、ミスタッチの連続だ。



16話に続きます


スポンサーサイト
FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!
デリヘルもソープもイメクラも気に入った子がきっと見つかる
超大型リニューアル中の大好評風俗情報サイト!
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。