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「それは和姦ですよ。お互い同意の上でセックスをしましたからね」
 涼は教師の問いかけに対して戸惑いも見せずに答えた。
「俺は同性が好きなわけではありません。ですが応じられたのでその希望を満たしただけです」

 悠のいないところで話は進んでいた。
しかも涼は嘘を並べて教師を納得させていた。

「石原。おまえみたいな器量よしなら仕方がないかもしれないが、ここは学校だ。場所をわきまえろ」
 教師はそれしか言わなかった。
品行方正で優秀な生徒にありえないことだと未だに信じているからだ。
「この件は校長に話されるんですか?」
「いや、教師の間だけで止めておこう。おまえは無事に卒業すればいいんだ」
「ありがとうございます」
 涼は心の中で勝ち誇っていた。
そしてこうして教師に弁解をしなければならなくなったことで、悠に対する執着心が沸き起こった。
必ず抱いて啼かせてやる、そう涼は決意した。



「おとがめなし?」
 教室にいた悠はその知らせに驚いた。
「石原先輩は教師に贔屓されているから…」
 うつむいている親友を見ながら、悠は怒りを覚えた。
「その情報はマジなのかよ」
 悠は親友と同じに犯されたクラスメートに詰め寄るが、彼もうつむくばかりだ。
「和姦だって」
「なにが和姦だよ!強姦じゃないか」

「えー。なんの話ぃ?」
「騒がしいのね、どうかしたの?」
 女子が近寄ってくるが、悠は「なんでもないから」と遠ざけた。

「おとがめなしなら、次の標的は多分おまえだぞ、悠」
「俺?」
「そうだね。石原先輩は復讐をしてくると思うよ…」
 クラスメートの言葉に、悠の親友は「ああ」と頭を抱え込んでしまう。
「おまえに嫌な思いをさせたくないんだ、頼むからもう関わらないでくれ」
「足をつっこんだんだから、逃げない。それより謝らせるんだ」
「悠!」
「俺は負けない。あいつ、意外にチキン野郎なんだから」
 悠は自分も襲われかけたことを親友には言わなかった。
心配をかけたくない、その一心だ。
「絶対に謝らせてやるからな!」
 この熱い友情に親友は涙を零した。


 放課後になり、悠が親友と一緒に下駄箱にいると「小松」と背後から声がした。
振り返ると、涼が立っていた。
「面倒なことをさせてくれたな。ちょっと付き合えよ」
「へー。今は強気なんですね」
 悠の皮肉に涼は眼鏡を直すふりをしながらにらみつける。
「俺は波風たたせず無事にここを卒業したいんだ。それをおまえは…」
「自分がなにを言っているのか、わかります?」
 悠は一歩近寄った。
そして涼を見上げながら「あんたは、さいてーだ」と捨て台詞を吐いた。
「謝れよ、俺の親友に」
「謝る必要は無い。和姦だったからな。そうだろう、きみ」
 しかし親友は首を振る。
「なにが和姦だって?頭がおかしいんですか?」
 悠はまったく負ける気がしない。

「勉強はできても人の痛みがわからないようじゃ、いつまでたっても性欲処理にかまけて強姦しかできない。愛情のあるセックスができないんだ」
「セックスに愛情なんてない」
「それはあんたの理屈だ。校内でセックスをしたのは認めたらしいね、なら謝れるだろう?」
 悠はなにひとつ譲らなかった。
この口論を聞いてしまった生徒たちは足早に出て行く。
それだけでも涼には憎らしい事態だ。

「付き合え」
 そういいながら悠の手を取ろうとするが、なんと彼の親友が悠をかばった。

「悠に同じ思いはさせない!」
「え…」
 悠が驚いて親友を見ると指先がかすかに震えていた。
根性で立ち向かっているのだろう、この姿が悠には誇らしかった。
 丁度そこに教師が3人も駆けつけてきた。
口論を聞いた生徒が教師を呼んだのだろう、「石原!おまえは自宅謹慎だ」と教師の1人が叫んだ。
「後輩を抱いたのは和姦だって?教師を舐めるな。被害者から話を聞いたぞ!」
 その声に涼はぴくりと頬を震わせた。
「…すまなかった」
 悠の耳にはかすかな謝罪が聞こえた。


「悠、ありがとうな」
 親友が頬を紅潮させながら言う。
家までの帰り道がこんなに清清しい気持ちで歩けるとは、悠は嬉しかった。
「うちに寄っていかないか?」
「え、いいのか?」
「そうだ、泊まってくれよ。たまには一緒に風呂でも入ろう」
 親友の誘いに悠は乗った。
そして親友の家に入ると、なんと本当に悠をバスルームに誘い、男2人で風呂に入った。
「…まだ跡が残っているんだな」
 親友の体にはあざのようなものが数箇所ある。
「悠が触れてくれたら消える気がする」
「俺は魔術師じゃないよ」
「いいから、触ってくれよ」
 親友の誘いに、悠は言われるままに触れようとした。
しかしその手を握られた。

「本当にありがとうな、悠」
 親友はぽろぽろと涙を零す。
「救われた気がするよ」
「俺は…何もしていないよ」
「そんなことはないよ、ありがとう」
 親友からのお礼に悠は素直にうなづいた。
ようやく平穏な日々に戻れる、そう思ったがふとなにかがひっかかる。
「…そうか」

 涼はまだ卒業をしていないのだ。

7話に続きます




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