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 腕を取られた隼は抗うこともなく、大貴を見上げた。
「なんのつもりですか?」
「話がしたい、このままじゃ俺は引き下がれないんだ」
「…今日は先約があります」
 断りつつも頬を染めるので大貴としてはそこにつけこみたい。
自分に対して好意があるとしか思えないのだ。
「社長と約束か?」
「答える必要はないと思います。そろそろ離して下さい、仕事に戻ります」
 大貴の期待を裏切るように隼は答え、そして腕を払った。
階段を下りていく隼を見送りながら、大貴は自分の無力さを思い知らされた。
 相手が社長なら奪う術がない。
しかし60を過ぎた男と愛を育んでいるとは到底思えない。
「…愛人か。それなら俺にも分がある」
 
 大貴はそうぼやくと会社を出てコンビニに向かった。
菓子を買ってくると言って出てきたからだ。
なにか適当なものをと探していると、なんと社長が現われた。
「お、お疲れ様です!」
 大貴は驚きのあまりに声が裏返りそうだった。
「ご苦労様。南くんだったね、経理部の」
「はい」
「きみが…そうか。下の名前は大貴かな?」
 社長が妙なことを確認してきたので大貴は首をかしげた。
「大貴ですが、なにか?」
「私の可愛い子がことの最中にきみの名を呼んだんだ。まったく興ざめだ」
「は…」
 大貴には話が見えない。
しかし社長は大貴から目を離さない。
「奪うつもりかもしれないが、私は譲らんよ」
 そう言うと社長はスポーツ新聞を買って出て行った。
大貴は頭を下げつつ、光が見えた気がした。


「南くん、あんまり遅いから心配したよ」
 部長がケーキを食べながら文句を言う。
「事故にでも遭ったんじゃないかって皆が心配でねえ」
「すみませんでした」
 大貴が素直に謝ると「しかしコンビニのケーキも悪くないね」と許してくれた。
「そういえば瀬田くんから内線があったけど、急用では無いと言っていたよ」
「瀬田からですか?」
 大貴の胸の鼓動が早まる。
少しでもチャンスがあればさらいたい子だからだ。
「どうするー?また伝票の再発行かもしれないぞ?」
「それはいけませんね、すぐにかけてみます」
 大貴は急いで隼に内線をかけた。
するとすぐに隼が出た。
『急ぎの用ではないのですが』
 妙に他人行儀だなと大貴が感じると『今日、空きました』とだけ言う。
「わかった。ありがとう」
 大貴は飛び上がらんばかりに嬉しくなったが部長の面前だ、平静を装い電話を切った。


 定時になり皆が帰る準備を始めた。
「南くん、今日は残業ではないだろうな?」
「すみません、明日の準備だけしておきたいので。30分後には帰ります」
「それならいい。今日、社長が残業をしないようにと言ってきたんだ。遵守しなければな」
「あ、はい」
 部長達を見送りながら、大貴は自分の素行が社長に見破られていると感じた。
隼がらみだ、知らないはずがないだろう。
 デスクに肘をつき、片手でパソコンを操作しながら大貴は自分の出方を考える。
社長から隼を奪えるのだろうか。
もしも奪えたとしたら間違いなく自分は職を失うことだろう。
相手が悪すぎた、とても戦える相手ではない。
 考えがまとまらないうちに経理部のドアが3回ノックされた。
「失礼します」
 入ってきたのは隼だ。
「僕と話したいんですよね?」
「ああ、そこらへんに座ってくれるか。長くなりそうなんだ」
「早く帰らないと社長が怒りますよ?」
 そんなことはわかっている、しかしこの想いをどう告げたら受け入れられるのかがわからない。
「僕を抱いてください。話はそれで聞きましょう」
 隼は手際よく上着を脱いだ。
そしてシャツのボタンに手をかけながら「本当に僕を愛しているのか確認させてください」とまで言う。
「それは…」
 大貴は経理部内で脱ごうとする隼を抱き締めると、いつものようにトイレではなく階段の踊り場に連れ込んだ。

「こんなところでは誰かに見られますよ」
 隼が珍しく慌てている。
「誰もいないから平気だ」
 大貴は胸にすがるような体勢の隼を愛おしく見つめた。

7話に続きます



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