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 帰宅した大貴は隼の体の感触を思い出し、眠れない一夜を過ごす羽目になった。
あの反り返った上半身、挿入するときは必ず嫌がるくせに奥まで誘う腰の動き。
だがセックスの相性がいいだけではなく、隼の会社に殉じる性格にも惹かれていた。
 同じ男だ、出世の道があるのならそれに賭けたい気持ちもわかる。
しかし方法を間違えていないかと、隼のことが心配だった。
 60を過ぎた男に抱かれて出世するなんて、今まで真面目に勤めてきた自分の立場がない。
憎らしいが、愛してしまった。
もはや自分にはなにもできないのかと、大貴は1人で悩んでしまった。


 翌朝、いつものように朝礼が行われ、隼が社訓を読み上げる。
しかし周りの空気がどことなく違う。
違和感を覚えた大貴はなにげなく腕を擦った。
「社訓を読んでいる場合じゃないだろうに、よ」
「まったく、どうするつもりか」
 営業部の集団から声が漏れ聞こえた。
なにごとだろうと耳を澄ますと、例の15日〆の会社が倒産したようなのだ。
大貴は寒気を感じた。
これは隼の落ち度になる、なんとか救える方法はないものかと今までの事例を思い出す。
――今までなら取引先が倒産した場合、部長クラスと総務が駆け回り、情報収集を行い、債権回収のために説明会に赴くことになる。
 こんなにのんびりしていていいのだろうかと大貴はふと思った。
自分は経理部なので直接関わるはずであり、しかしその説明が無いのもおかしいとさえ感じる。
 思案に耽っていると社長の拍手が響いてきた。
「今日も良い読み上げだった」
 いつものように社長はご機嫌だ。
隼を隣に立たせて「今日も1日、よろしく」と朝礼を終らせた。


「あの会社が倒産って本当ですか?」
 経理部に戻った大貴が部長に聞くと「そうらしい」とだけ返ってきた。
「手を打ってあるんでしょうか」
「社長が自ら赴くそうだ。私達は通常業務に励むよう言われている」
「…社長が…そうですか」
 一社員の隼の失態を社長が尻拭いをするなんて普通では考えられないことだが、これが守られているということなのだろう。
 自分は隼に対してなにもしてやれない、この立場の違いに大貴は力を失くした。
 昨日あんなに「社長と別れて欲しい」と言っても隼がうなづかないわけだ、隼は身を差し出して会社での地位を死守しているのだろう。
 しかしこれでは営業部が黙っていないだろう、そう思った大貴は請求書の確認を口実にして営業部に向かった。

 営業部は意外なほどに静かだった。
「瀬田はいませんか?」
「あら、南さん。瀬田くんなら社長に同行して説明会に出かけていますよ」
 一足遅かったようだ。
「もうご存知ですよね?瀬田くんが拾ってきた会社が倒産したって」
 女性社員は自分の手入れされた爪を見ながらつぶやいた。
「ええ、知っています。社長が出られたということは債権は回収できそうですね」
「それならいいんですが」
 債権を回収できなければこの会社の損失になる。
大貴はその会社に対しての請求額を確認し、営業部の部長に進展があれば教えていただきたいと伝えた。
「ああ、勿論だよ。南くんにも迷惑をかけそうで悪いね」
「いいえ、仕事ですから」
 隼に会えないなら長居は無用とばかりに大貴は営業部を後にした。

 昼過ぎに社長と隼が帰社し、すぐに社内会議が開かれた。
大貴もそれに参加して「債権回収が約束された」と報告を受けた。
皆が安堵したとき、社長は隼の人事異動を発表した。
なんと営業部から総務への異動だ。
これでは自分との接点がなくなってしまう、大貴は焦りと苛立ちを覚えた。
「うちの会社は社長のワンマン事業だからなー。助かったな、瀬田の奴」
 営業部の人たちが納得したようでうなづいている。
「普通ならクビだろう?お気に入りは命拾いをしたな」
 大貴は隼がそれを了承したのか疑った。
昨日、確かに社会的地位が欲しいといったのは隼だ。
総務にいても出世は見込めない、それどころか下手をうてば1日中社長の手の中だ。
 
 会議を終えると大貴は皆の前で隼の腕を取って会議室を出た。
「な、なんですか?南さん!」
 隼は嫌がりつつも腕をふり払わずについてくる。
その行動に、大貴は今なら隼は自分の気持ちを受け入れられると信じた。
 大貴は経理部に隼を連れ込むと請求書を見せながら仕事をしているふりをした。
そしてメモに「それでいいのか?」と書いて隼に渡す。
すると隼はメモを握りながら「これは罰です」と小さな声で返事をした。
「罰?」
 大貴が聞き返すと隼はメモになにやら書き込んで大貴に渡す。
それには「あなたのいうことをちゃんと聞かなかったから」と書いてあった。
「これで僕はカゴの鳥です。もう自由はないでしょう」
「隼、今からでも遅くはないぞ」
 大貴は隼を連れて社長室に向かった。
背中越しに「南くん、どこにいくんだ?」と部長の声がしたが、大貴は振り返る余裕がなかった。

「大貴さん、なんのつもりですか?」
 不安げな隼に大貴は「別れてもらう」とはっきり答えた。


9話に続きます




 


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