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2009.05.20 RUSH・1
 画像が荒くて見づらいがショートヘアーの女の子が電車内で胸を揉みしだかれ、下半身は脱がされた状態で複数の男に手を出されているのはわかった。
 女の子は恐怖のあまり顔をひきつらせ声も出ない。
電車内には人がいるだろうに、皆遠巻きで眺めている様子だ。
音声はまったく聞こえなかった。

「そんな変なもの、昼飯どきに見るなよ」
 大貫蓮音(おおぬき れおん)が呆れて隣にいる後輩を肘で突く。

 すると前の席から「なーに。またエロ動画を見ていたのか、こいつ」と口を開いた男がいた。
蓮音の前に座っているのは植田櫂(うえだ かい)。
櫂は蓮音と同期入社で、2人揃ってこの商社の商品部に所属している。

「これは会社のパソコンだぞ。それを使って動画を見るなんておかしいよ、自分」
 櫂は容赦なくエロ動画を見ていた後輩をなじった。
「すみません、ちょっと興味があって」
「会社ではやめておけ。ただでさえこの会社は女性が多いから、こんなことが知れたらシカトされるぞ」
「あ、はい」
 後輩はそれでも名残惜しそうにノートパソコンを閉じるので、蓮音はそれを横目で見ながら後輩の頬を軽く叩いた。
「わ、大貫さん、なんですか?」
「反省していないみたいだから」
「は、反省なら…しますよ」
「口が減らないなー」
 蓮音が思わず吹き出すと、櫂は「蓮音は甘い」と文句を言い始めた。
「もっと厳しくしないと、こいつに舐められるぞ」
「そうなのか?」
 後輩は蓮音に見つめられて、何故か顔を赤く染めた。

「そんなことはないですよ!大貫さんにはいつもフォローしてもらっているし」
「慌てるあたりが怪しいな」
「マジですって!」
 両手をばたばたと振りながら後輩が弁解するが蓮音は「櫂の言うとおりかも」とぼやく。

「この休憩が終ったら、もっと厳しくしよう。商品の納期は急ぎであっても縮めない・とか」
「困りますよー!」
 後輩が机を叩きながら反論するが、櫂にちらりと見られて肩をすくめる。
 
「それくらいしてもいいんじゃない?いつも蓮音は社内の人間に優しいからな」
 櫂がポテトを食べながら賛同している。
「しかしメーカーさんや工場には厳しい納期を言い渡す」
「仕方ないよ。営業部はいつも『急ぎ』だって言うんだから」
 蓮音はハンバーガーの袋を丸めてゴミバコに捨てた。

「櫂。昼休みのときくらい仕事の話はやめないか?」
「はー。そうだな、しかし昼休みだって言うのに落ち着かないな」
 この会社にはテレビも備えた休憩室があるのだが多数の女性社員に陣取られており、男性社員はいつも自分の部署で食事を取るはめになっている。
「煙草も給湯室で吸うしかないもんな」
「嫌なら女性陣に加われば?」
 蓮音の言葉に櫂は「嫌だよ」と即答した。
「そんなことを言って、蓮音は行かないんだろう?なら、俺もここでいい」
「なんだ、それ」
「1人じゃ、行きづらいよ。わかるだろう?」
「あーそうだね」
 櫂が煙草を持って席を立ったので、蓮音もそれにつられた。
2人並んで給湯室で煙草を吸うと「男性蔑視されているよなー」と櫂がぼやく。
「この会社に入って集団の女性は怖いと初めて知ったよ。女性恐怖症になりそう」
「櫂はならないよ。女好きだから」
「蓮音ー」
 櫂の情けない声を聞いて、蓮音は思わず煙を吸い込みすぎてむせた。
「けほけほっ!」
 しかも火のついた煙草を持っているので今度は煙が目にしみた。
「いっ…てー!」
「ほら、煙草をよこせよ」
 櫂が蓮音の煙草を持ってやり、時折、その灰を流し台の三角コーナーに捨てた。
「大丈夫か?」
「ん、あー、もう平気。悪いね」
 蓮音が煙草を受け取ろうとしたら、櫂が顔を寄せてきた。
「な、なんだよ。近い!」
「涙がこぼれてる」
「ああ、煙が目にしみたからね」
 蓮音が頬を手で拭うと、櫂が不意に煙草を三角コーナーに捨て、それはじゅっと音をたてた。
そして蓮音の顎を指でくいと上げると唇を重ねてきた。
「んっ」
 急にキスをされたので驚いた蓮音が櫂の体を押しのけると「ヤバイ?」と櫂が小声で聞く。
「ヤバイよ。僕は女じゃないからね」
 蓮音は濡らされた唇をぬぐうと、ため息をついた。
「僕は男性が苦手になりそうだ」
「俺のせい?」
 櫂が面白そうに口角を上げながら煙草を持った。
そして火をつけると「ふう」と白い息を吐く。
「自覚があるならキスをするなよ」
「うーん。どうしてだか、突然したくなるんだ」
「…後輩のことが言えないぞ」
「自重する」

 そうは言っても蓮音は毎日のように櫂にキスをされる。
最初は冗談めかして「俺より背が低くて茶髪の可愛い子だから」と言ったが、蓮音が怒りもせずに拒まないせいなのか先程のように予告なしでキスをしてくる。
 櫂は黒髪で目鼻だちの整った誰が見ても眉目秀麗な男だ。
この会社に入る前は住宅情報誌でモデルをしていたほど、クールな顔だちで女性受けがいい。
 そんな櫂にキスをされて蓮音が怒れないのは、容姿に惹かれているからだ。
自分よりも背が高い・これは憧れか、羨ましいとしか言えない。
 
 しかしその気持ちが少しずつ違う方向へ傾いているのを知った。
いつも堂々とした態度でいる櫂が気になり始めたのはいつからか、蓮音はわからなかった。
きっかけはキスに違いない。
しかし惹かれたのは櫂という人間がどんなやつかを知ってからだろう。

 誰に対しても間違っている事は許せない櫂と、それを受け流す蓮音。
相反しているようで自分と似ている部分がある・そう蓮音は感じたのだ。

「昼休みが終るよ。女性陣が帰ってくるから戻ろう」
 蓮音の声に、なぜか櫂がため息をついた。
「ああ」
 そっけない返事の裏には蓮音の知らない、高まる感情をおさえた姿があった。


2話に続きます
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