FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「おまえの夢を見て朝立ちしたんだけど」
「はあ?」
 杏樹が出社すると麻人が待ち構えていたのだ。
「朝立ちなんて卑猥な言葉を朝から言うな」
 朝から気分が台無しだとばかりに、杏樹は麻人を横目でにらんで部署に入る。
「俺、納得いかないんだ」
「ついて来るなよ!」
 杏樹は麻人の伸ばしてきた腕を払った。
「僕は麻人と関係を持ちたくない。昨日も言っただろう、2度も言わせるな」
 憤慨して椅子に座る杏樹を見ながら「やけに強気じゃん」と麻人が笑う。
「何がおかしいんだ」
「おまえは絶対に俺から離れられないよ。なんたって相性がいいんだから」
「うるさい」
「喘ぐくせに」
 杏樹は麻人をにらみつけると「僕は安売りしない」と断言し、「出て行け」と首を振った。
麻人は両手を上げて「やれやれ」と言った仕草で出て行った。

 麻人の粘着質に気付いた杏樹は、なにがあろうと貞操を守ろうと思う。
凱とのセックスで愛情が芽生えたからには自分を守らなければならない。
 ただ惹かれているだけでセックスに同意した昔の自分が情けない。
しかし今後はそんなことがなければいいのだ、杏樹は釣られるものかと決意をあらたにした。
『あなたを守ります』とまで言ってくれた凱を、裏切ることだけはしたくないのだ。

 

 杏樹の部署は午前中は閑だ、部長の眼を盗んで凱にメールを打ちたかったが我慢をした。
凱は寝ているか大学に行っているだろう、邪魔をしてはいけないし、自分も仕事中だ。
 だが杏樹は無性に凱に会いたかった。
今朝もコンビニに寄りたかったが、毎日顔をだすわけにもいかないと諦めたのだ。
しかし行けばよかったと今更思う。

「福永くん、気だるそうな雰囲気だねえ」
 たそがれる杏樹を部長がからかってきた。
さぞや閑なのだろう。
「まあ、今のうちに気を抜いておくんだな。午後からはため息1つつけないんだから」
「ありがとうございます」
 頬を赤くしながら謝る杏樹を見て、部長が「何か食べるか?」と誘ってきた。
「実は昨日家内がケーキを買ってきてね。残り物だがきみにどうかと思って持ってきたんだ」
「あ、はあ」
 杏樹は特別甘いものが好きなわけではない。
だが、よく人からスイーツをもらう。
「きみを見るとお菓子を与えたくなるんだ。笑顔が見たくてね」
「は。そうなんですか…」
 まるで子供扱いだが、杏樹は部長の気配りに感謝してケーキを食べ始めた。
1口食べるごとに凱とケーキを食べに出かけるのも悪くないなと想像した。
 普通の恋人のように街を一緒に歩いてみたい、そんな気にさせられるのだ。
凱とはセックスだけでなく、側にいたいと思う。
それこそ愛情があるからだろう。


 杏樹は午後からはいつもどおりに多忙を極めた。
何枚打ち込んでも減らない申請書や登録書の処理に追われ、杏樹がようやく「んー」と背伸びをしたのは定時の17時だった。
「今日もごくろうさん」
 部長は早々とカバンを持って出て行った。
杏樹は机の上を片付け、パソコンを閉じるとようやく部署を出れた。
 
 しかし出入り口には麻人が立っている。
「お疲れ」
 麻人は杏樹を見ながら口を尖らせている。
なかなかの執念深さを杏樹は思い知った。
「少し付き合えよ」
「他を当たれ。僕は関係ない」
 麻人にとってはつれない返事をして、杏樹は会社を出た。
そして早く部屋に帰ろうと走り出し、麻人の追及から逃れた。
もし麻人が来てもドアは開けるもんかと杏樹は鍵を握り締めていた。

 杏樹が部屋に着くと「お疲れ様です」とドアの前で凱が待っていてくれた。
しかも今日は大き目のエコバックを提げている。
「どうしたの?」 
 杏樹が部屋の鍵を開けながら聞くと「カレーでも作ろうかなあと思ったんです」と凱が言う。
「え、カレー?」
「嫌いですか?」
「いや、好物だけど、そんな時間があるの?」
 凱はコンビニで夜勤の仕事のはずだ。
心配して見上げる杏樹に、凱が微笑んだ。
「今日はバイトお休みなんです。ローテンションで交代制なので」
「そうなんだ!」
 杏樹は思わず嬉しそうに声を上げた。
今日はずっと一緒にいられる、そう思っただけで感激だ。
「だから、泊まってもいいですか?」
「い・いいよ?」
 杏樹は自分の顔の熱さに気付いた。
カレーも食べたいが、他のことも考えてしまう。
「よかった。突然押しかけて迷惑かなと思ったんですが、嬉しいです」
 凱は杏樹の気持ちに気付かないようだ。
それが杏樹を安心させ、なおかつ楽しい気分にさせられた。
セックスが目的じゃない、こうして会いにきてくれた凱が愛おしいのだ。

「さてと。キッチンをお借りしますね。ぱぱっと作っちゃいましょう」
 キッチンに立った凱は手際よく野菜を刻んで炒め始める。
「手馴れているね」
 杏樹が驚いて見ていると「今のうちに着替えてきてくださいね」と凱に言われた。
「スーツ姿でいられると、俺・興奮しそうなんですから」
「え、そうなの?」
「はい、そうなんです。昨日のこととか思い出すんです」
 凱は顔を赤らめて「脱がす楽しみを覚えてしまったんですから今の俺は危険ですよ」
「わ、すぐ着替えてくる」
 杏樹は襲われてもよかったのだが、凱はきちんと段取りを組む性格らしい。
邪魔をしないように部屋着に着替えると「ご飯は僕が炊くよ」と凱の側に立った。
米を研ぎながら、杏樹の視線はどうしても凱に向いてしまう。

「なんか、楽しいですね」
 凱が嬉しそうに杏樹を見つめる。
「美味しいカレーが出来そうです」
「うん、期待しているよ」
 凱はスープを鍋に注ぎ込み、蓋をした。
鍋はぐつぐつと音を立てている。
「20分も煮込めばいい感じになります」
「待ち遠しいな」
 
 杏樹が鍋を見ていると「杏樹さん」と凱が呼んで振り向いた杏樹を抱き上げた。
「わ、びっくりさせないでよ」
「少し触れてもいいですか?」
「い、いちいち聞かなくても。僕は凱になら何をされてもいいんだよ」
 杏樹は麻人の首に手をまわして唇を重ねた。
「ん、ドキドキしてきた」
 杏樹は自分の胸をおさえて鼓動が伝わらないよう配慮した。
しかし凱はさすがに気付いたようでお返しのキスをした。
「高ぶっちゃいそうです。こんなに愛しい気持ちは初めてです」
 そして凱は杏樹を抱く腕に力をこめる。
「あなたが大好きです」
 息が頬にかかり、杏樹はこの熱さに体が反応しているのを感じた。
「抱いてほしい」
 杏樹のかすれた声に凱は「俺も抱きたいです」と応えた。

13話に続きます
スポンサーサイト
[PR]

デリヘルもソープもイメクラも気に入った子がきっと見つかる
超大型リニューアル中の大好評風俗情報サイト!
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。