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「どうしたんですか、そんなところに座り込んじゃって」
 ドアを開けて入ってきたのは凱だった。
まだ明るい空の光を背中に浴びながら、上がり口にしゃがみこんでいる杏樹を見ている。

「ん?さては抱き起こして欲しいのかな?」
 床に膝をついて杏樹を見ながら首をかしげる凱に、杏樹は無言で抱きついた。
「甘えん坊さんだなー」 
 よしよしと背中を撫でる凱に、杏樹は首を振る。
「違う、凱が心配だったんだ」
「そうですか?俺は平気ですよ」
「…とんだ修羅場で、ごめん」
「謝らないでくださいよ。俺が守るって言っているじゃないですか」
 凱は杏樹を抱き締め返すと「こんなに可愛いんだから隙を伺う奴らがいて当然ですね」と言う。
「でも振り切れてよかった。俺のほうが安心しましたよ」
「え?」
「俺はいつも側にいられないじゃないですか。側にいないときは不安でたまらなかったんですよ、
変な人に目をつけられていないか、襲われたりしていないか」
「僕はそんなに…」
 杏樹は『自分はちょろいのだろうか』と背筋が寒くなった。
「それに、寂しがっていないかなって。ずっと思っていました」
 凱の告白に杏樹はくすぐったくなる。
言当てられて恥かしい気持ちと、理解してくれていたありがたさだ。

「凱、ありがとう」
 腕の中で目を閉じると凱が額にキスをした。
「俺、凄くあなたのことが好きなんです」
「会うといつも『好き』って言ってくれるんだね」
 まるで『好き』の攻撃だが、杏樹は嬉しくて顔を上げた。
「僕も好きだよ。側にいて欲しい」
 自然に2人は唇を重ねると、凱は杏樹を抱き上げてリビングに運んだ。
杏樹はすでにその気なのだが「蒸し暑いですね、クーラーを入れましょう」と凱は平然としている。
肩透かしをくらった杏樹は、それでもセックスを期待して凱にしがみつく。
しかし凱はソファーの上に杏樹を座らせると、床に膝をついて「明後日の日曜日に先約はありますか?」と聞いた。
「ないよ?」
「じゃあ、デートしましょうね。俺、バイトが休みなんですよ」
 健全な誘いに杏樹は目を丸くした。
しかしこれは杏樹が望んでいたことでもある。
「せっかくの休みなのに、いいの?」
「側にいたいんです」
 微笑む凱に杏樹は息が苦しくなる。
この焦れる想いはどこからくるのか。
「凱、嬉しいよ。もっと力強く抱いて」
 目を潤ませて喜ぶ杏樹を見ながら凱は「でも今日は時間がないな」と残念そうにぼやく。
「えっ」
 杏樹は思わず時計を見た。
あんな騒動のせいで時間を浪費し、時計の針は19時を指している。

「せめてあなただけでも、イかせたい」

 凱は杏樹の靴下を脱がせると、その指を舌で舐め始めた。
「いっ!な、なに、この感じ!」
 悶える杏樹に「じっとしていてくださいね」と凱は唾液を乗せた舌を見せながら言う。
「杏樹さん、指も綺麗だから」
「や、止めて!なんか変な感じがするっ!」
「慣れていないだけですって」
 
 凱は指の股も舐めてじわじわと杏樹を追い込んでいく。
やがて全部の指を舐め終わると凱は立ち上がり、杏樹のスラックスのジッパーを下ろした。

「あ、感じました?嬉しいな」
 杏樹の茎は下着の中で大きく膨らんでいたのだ。
「やだやだ!凱、恥かしい!」
「その首を振る仕草も好きなんです。あー、俺はもうあなたしか抱けないな」
 
 凱は下着の上から勃起している杏樹の茎にキスをした。
「うううん!」
 それだけでも悶えてしまう杏樹は指を噛みながら開脚して凱を招き入れる。
「早く触って?どうにかして!」
 凱は杏樹の要望に応えた。
杏樹の茎を取り出すと口に含み、舌で舐めるとフェラを始めた。
「くっ、うううん!凱、凱ー!」
 のけぞる杏樹は早くも爆ぜてしまう。
「あ、あー…」
 凱は口元を拭うと「じゃあ、俺バイトに行きますから」と言い出した。
「えっ、もっとしたいよ」
「俺もしたいんですけど時間が無くて」
 そして杏樹をぎゅっと抱き締めた。
「すみません、杏樹さん」
「…謝らなくていいよ。仕方ない」
「明日も来ます。杏樹さんはお休みでしょう?9時には来れますから」
「う、うん」
 火照る体を持て余しながら杏樹はうなづく。
しかし立ち上がると凱の腰に手をまわして「離れたくない」とわがままを言う。
「重なりたいよ…」
 か細い声に凱は応えたいのだが、下唇を噛んでこらえた。
「夜勤が終ったらすぐに来ますよ」
 凱は杏樹の手を離させると頬を撫でた。
「杏樹さんが寝ていたら起こしてあげます」
「起きて待っているよ!」
 杏樹は離れがたくて凱の側につきまとうが、凱はスニーカーを履いて「行ってきます」と笑顔で出て行ってしまった。

 1人ぽつんと残された杏樹は、裸足で歩き回り、冷蔵庫からエビアンを出して熱い頬に当てた。
ひんやりとした感触が心地いいが、しかし体の火照りは治まらない。
「凱…」と名を呟きながらジャケットを脱ぎ、スラックスもその場に脱ぎ捨てると冷蔵庫に寄りかかり下着の中に手を入れた。
「ん」
 自慰をするのは久し振りで、しかも高ぶってしまっているので自分の手では快感を得られない。
勃起はするのだが、どう擦ってもイけそうにない。
 仕方なく下着を脱ぐと、今度は秘部に指を入れてみる。
すると異物が入ろうとするこの感じに、胸の鼓動が高鳴った。
「凱、凱のものがいいのに」
 あの熱さが恋しい。
突き上げてくる波が欲しい。
冷蔵庫に寄りかかりながら杏樹は茎を扱き、そして秘部に指を出し入れする。
「どうしたらイけるんだよ…」
 杏樹は高ぶりすぎて涙をこぼした。
そして床に力なくしゃがみこむと寂しさがこみ上げてきて冷蔵庫のドアを叩いた。


20話に続きます
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