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2009.06.22 視界良好・2
「どうせならOLのお姉さんの生着替えを見たかった!」
 部屋に戻った涼真は大きな声で独り言を発した。
それに開かずの間と化したベランダを見ると怒りが湧いてくる。
見たくて見たわけではないと言いたいところだが、唯斗の体に魅せられたのは確かだ。

「あんなちゃらちゃらした男がサラリーマンのはずがないし!」
 涼真は唯斗を疑っていた。
行き場のない怒りとともにそれは高まり、2度と顔を見たくないとさえ思う。
憤慨しながら入れたコーヒーは苦く「うえっ」と舌を出しながら接続を終えたパソコンを見た。
 
 今日は大学に行く気がなかった。
暇つぶしに動画サイトを見ると、ノーマルなものから危ないエロ画像まで色々と出てくる。
<幼妻が夫の留守中に…>などと卑猥な宣伝文の画像を見ると、隠し撮りだった。
 最近はこういうものばかりだなあと涼真は苦すぎるコーヒーを飲みながらぼんやりとした。
こんなものを見ていたら日常的に発情しそうで、涼真は別の画像に切り替えてみた。
<我が家の猫>と題して三毛猫が爪とぎをしている動画を見て、これはほのぼのしすぎだと呆れる。

「はあ」
 退屈をしていると、ふとカーテンに閉ざされたベランダが気になる。
唯斗は出かけているはずだから、開けてみよう・そう思い立ちカーテンを開けた。
 すると涼しい風が入ってくる。
梅雨の晴れ間と言うべきか、6月にしてはひんやりとした風だ。
これはいいなあとベランダに出て風を受けていたら、向かいの部屋のカーテンが開いた。

「わ」
 
 慌ててベランダから避難しようとすると「大谷涼真。そんなに俺が見たい?」と大声で聞かれてしまう。
なんて恥かしい人だ、涼真は顔を見ないようにして部屋に入るとうつむいたまま窓を閉めた。
 すると突然ゴンと大きな音がする。
涼真が顔を上げると、なんと窓に靴が投げつけられていた。
「あ、危ないじゃないですか!窓が割れたらどうしてくれます!」
「そう簡単に割れないよ」
 唯斗は手摺に寄りかかって涼真を見ていた。
「大谷涼真。大学には行かないのかー?」
「今日は休みました。どうせ講義も1つしかないし」
「は?さっきみたいに大きな声で言わないと聞こえない」
「…今日は・お休みしました!」
 涼真が腹から声を出して叫ぶと、唯斗が大笑いする。
「…ちゃんと聞こえていたんでしょう?なんて人だ!」
「ふふ。からかいがいのある子だなー。靴を持ってちょっとこっちに来いよ」
「はああ?」
 涼真が不審がって身を乗り出すと「危ないよー」と唯斗が微笑む。
「そこがいくら3階だからってね、落ちれば足の骨くらいは折れちゃうよ?」
「わかりますよ、それくらい!」
「よく吼えるなー。面白い」
 唯斗は興味深そうに涼真を眺めている。
「本当は高校生なんじゃないの?」
「大学生です!」
 涼真はだんだんムキになる自分が恥かしくなってきた。
しかし唯斗はその様子が面白いらしく、涼真から目を離さない。
「かーわいいね。早く靴を持ってこっちに来いよ。それともその靴が欲しい?」
「片方だけの靴なんていりません!」
 涼真は靴を拾うと部屋に入り、すぐさま玄関で靴を履いて向かいのマンションに行くべく駆け出した。
すっかり唯斗のペースに巻き込まれているが、涼真にその自覚はなかった。

3話に続きます
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