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2009.07.13 視界良好・19
 夏は女性が薄着になる季節だ、先程から涼真の目の前をキャミ姿の女性が何人も通り過ぎていく。
大抵の男はその無防備な胸元や露出した腕に目を奪われるのだろうが、
涼真は気が抜けたようにぼんやりとしていた。

「涼真ー。もう夏バテかよ」
 友人の里田が心配するが、涼真はポケットから取り出した鍵を見ながら返事もしない。
「それ、どこの鍵?」
「うーん。なんていったらいいのかな」
「もしかして彼女ができた?」
「違う…と思う」
 彼女ではない、言うなれば彼氏だ。
「なんかはっきりしないなあ。やっぱ夏バテっぽい」
「バテてはいないんだけど」
 
 そう言いながら涼真は鍵をポケットにしまった。
これを唯斗から預かったはいいが、返したくない気持ちが湧いている。
このまま自分が持っていてはいけないだろうか?そう思うたびに胸の鼓動が高鳴る。

「1人暮らしだから食事が適当でバテたんだろう。栄養のあるものを食べないと」
 里田はそう言って涼真の腕をつかんで学食に連れて行こうとする。
「トンカツでも食べればいい」
「そんなもの、暑くて食べられないって」
 文句を言いながらも里田の気遣いに安堵した涼真は、連れ立って廊下を歩いた。
そして学食に行く前に「ちょっとごめん」と言って事務所を覗く。
目当ての唯斗は来ていないようだ。
見るからに肩を落とす涼真を見て、里田は「なにかあった?」と詮索し始めた。
「なんでもないよ」
「…そうなのか?」
 里田はできた友人で、涼真が話さないならそれ以上は聞かないようだ。
「さ、トンカツを食べるぞー」
 気落ちしている涼真を引っ張って、里田は学食に向かった。

 
 選択した講義を受け、帰宅した涼真は胸焼けがひどかった。
まぎれもなくトンカツのせいなのだが、里田に知られる前に帰れてよかったと思う。
また気を使われると困るからだ。
「はー…」
 ため息をついても1人だ。
ベランダに出て唯斗の部屋を覗くが、カーテンは閉め切られたままだ。
「何時に帰ってくるんだろう」
 涼真は思わず独り言をつぶやいて、頬が熱くなった。
会いたいと思うときに会えないなんて辛いものだ。
特に涼真はどうやら我慢がきかない。
「せめて携帯の番号を聞くべきだったなー」
 しかし聞いていたとしても唯斗は仕事中なので、かけても出なかっただろう。
涼真はベランダの手摺につかまり、やや前傾姿勢で唯斗の部屋を眺めた。
 今まで恋愛経験はあるが、待ち合わせ場所などでも自分が待たせるほうだった。
なので余計に涼真は唯斗を待つ・この時間に耐えられない。
 ポケットに指を入れて合鍵を取り出した。
これは部屋にいてもいい、そういうことだろうかと涼真は悩んだ。
『涼真の分』と言って渡されたわけではないので扱いに困る。
 しかし鍵があるのならここで待つよりも唯斗の部屋で待っていたほうが早い、
そう思った涼真は部屋を出て唯斗の部屋に行くことにした。
 シャワーを浴びて汗を流すと、服を着替えて唯斗の部屋を目指した。
どうしても早く会いたいからだ。

 唯斗の部屋の前に立ち、少しためらいながらも鍵を差した。
カチャンと小気味良い音が鳴り、これでドアを開けることができる。
それなのに涼真はドアノブを持つのに躊躇した。
勝手に部屋に入って唯斗を待つなんて、唯斗に呆れられないだろうか?
もしや怒られたらどうしよう、そんなことをこの期に及んで考えてしまうのだ。

「いいや!」

 涼真は腹を決めてドアを開けた。
そして暗い部屋に入ると照明をつけて、ソファーに腰掛けた。
 時計を見るとまだ17時になったばかりだ。
唯斗は何時に帰るのだろうか、待つ時間は非常に長く感じるもので涼真には耐え難い。
「何か作ろうかな」
 涼真はキッチンに立つが、食器棚を見て愕然とした。
1人暮らしにしては食器が多いのだ。
それに唯斗がマメに自炊しているとは思えない。
「出入りする人間が多いってことなのか…?」
 唯斗の交友関係は知らないが、あれだけの男前だ、しかも華やかさがある。
女性どころか男性も来ているのではないのか、そう考え出すときりが無い。
 もしかして、こうして自分がここで待っていても友人を連れて帰ってくる可能性があるのだ、
涼真は急に自分が待っていることに後ろめたさを感じて玄関に足を向けた。
 そして唯斗が帰らないうちに部屋に戻ろうとしたらドアが開いた。

「お待たせ。ちゃんと留守番ができたのかな?」
 涼真の姿を確認しながら涼しげな顔をしたスーツ姿の唯斗が入ってきた。

「唯斗さん…」

 涼真は思わずスーツ姿の唯斗の後方を目で探る。
「何をしているの?」
「いえ、あの。誰か連れてきたのかなーと思って…」
「どうして?」
「僕の思い違いです、なんでもないです」
「ふーん?」

 唯斗は靴を脱ぐとスタスタと部屋に上がり、上着をハンガーにかけた。
そして「あー。暑かった」とネクタイを外す。
汗1つかいていなさそうな表情なのに、暑かったのかと涼真はその後ろ姿を眺める。
「定時で上がれてよかったー。今日は涼真がいるからさ、早く帰ろうと思っていたんだ」
「そ、そうなんですか!」
 涼真が思わず声を上げると「あはは、嬉しそうな声!」と唯斗が笑う。
そして振り返ると「こんな可愛い子を部屋に置いておくのもアリだなー」などと言い出した。

「1人暮らしって、部屋に帰ると孤独感を覚えるでしょ。照明がついていないからさ」
「あ、そうですね」
「涼真がいれば、そんな寂しさは感じなくてすむから俺は気分がいいんだ」
 シャツをはだけながらそんなことを言われると、涼真は顔が熱くなってしまう。

「もう少し性欲を抑えることができたら最高なんだけどね。まだ覚えたてだから仕方ないか」
「ひっ、人を動物扱いしないでください!覚えたてなんて…」
「あれ。そうでしょ?セックスが気持ちいいんでしょ?」
 手を腰に当てて前傾姿勢をとる唯斗に、涼真はまったく勝てる気がしなかった。
「はい…そうです」
「ふふ。素直な子は好きだよ?」
 そして唯斗は涼真の目の前でスラックスを脱いで下着姿になった。
痩せているのに筋肉がついて締まった体つきだ、これを見るだけで涼真は落ち着かない。
「唯斗さんっ!」
 涼真は唯斗に抱きついてその胸元に頭を擦りつけた。
「もー。お子様だなー。少し我慢しろって」
「見せ付けるように脱いだくせに!」
「俺はそういうことをするの、好きだからさ」
「…え」
「冗談。言葉をそのまま受け止めるなよ」
 唯斗は吹き出して大笑いをしているが、涼真は笑えない。
こうして抱きついていても唯斗の心をしっかりとつかんでいるとは思えないからだ。

「はい、少しどいていてねー」
 軽く体を離されて、涼真は悲しそうに見上げる。
「そんな顔をするもんじゃないよ」
「だって!側にいたいのに」
「あのな。いつでも側にいてあげるけどさ、四六時中というわけにはいかないでしょ」
「えー、だって」

「少しは大人になりなさいって」
 唯斗は脱いだシャツを涼真に渡して「洗濯機に入れておいて」とだけ言うとタンクトップを着てしまった。

20話に続きます
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