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2009.07.17 視界良好・22
 シャツを着ると乳首が布と擦れて痛くなる、涼真は初めてそんな経験をした。
セックスを終えてシャツを着ようとしたら擦れるのだ。
以前にも唯斗に「擦れて痛くなかった?」と聞かれた場所だ。
「…マジで痛いし、なんか恥かしいし」
 そんな独り言をつぶやいて、今日はシャツの上に何か着ないといけないなと思う。
まだ隣で寝ている唯斗を起こさないように部屋を出て、自分の部屋に戻ると大学へ行く準備をした。


「この暑いのに上着なんか着るか?」
 友人の里田が驚いて「風邪でもひいた?」と心配する。
なにせ今日は35度を越える真夏日、皆が薄手の服を着ているというのに涼真は重ね着なのだ。
「見ているだけで汗をかきそう。だって今は最高に暑い昼間だぜ?どうしたんだよ」
「…なんでもないよ」
 涼真は事情を話す気にもなれないし、上着も脱げない。
乳首のこともあるが、唯斗が鎖骨にキスマークをつけたからだ。
これはとんでもないことをしてくれたと涼真が心の中で嘆いていると、
窓から覗く駐車場に見慣れた車が停車したのを見つけた。

「事務所に行ってくる」
「え?どうしたんだよ、涼真?」
 里田を置いて事務所まで賭けて行くと、はたしてそこに唯斗の姿があった。

「お、涼真だ。あれっ上着?」
 唯斗は目を丸くして涼真を眺めている。
「暑くないの?」
「もちろん暑いですけど…着ていないと大変なことになるんです!」
 涼真の言い方で気付いたらしく、唯斗が「あはは」と笑い出した。
「あそこに絆創膏でも貼ったらいいのに」
「その手がありましたか…」
 涼真が素直に応じると唯斗がまた吹き出す。
「かーわいいねー。ところで今日は何時に終れるの?」
「もう講義は終ったので帰りますけど」
「じゃあ、送ってあげるよ。今日は会社には直行直帰って連絡してあるからさ」
 涼真は「直行直帰?」と言葉の意味を尋ねた。
「会社に寄らずに自宅からお得意様のところに行って、そのまま帰宅しますってこと」
「そんなこともあるんですか…」
 会社勤めをしていない涼真には新鮮な響きだ。
「でもまだ16時ですよ?」
「いーのいーの。たまには楽をさせてもらわないとねー。息が詰まるでしょ」
「そんなことで会社員が勤まるんですか」

「俺は大丈夫なの。営業成績の良い営業マンだし」
「へえ…」

 唯斗から聞く話は別の世界のことのように思えた。
会社の仕組みを知らない涼真は、唯斗の言葉に興味すら覚える。
「じゃ、ここの納品も済んだし・帰ろうか」
「あ、はい」
 涼真は素直に従った。
気分が上向きになるのを感じながら事務員さんに頭を下げて事務所を出る。

「やっぱり躾の行き届いた子だよねー」
 事務所を出ると唯斗が涼真の髪を撫でた。
「は・恥かしいことをしないでくださいよ」
「そう?」
 唯斗は首をかしげて涼真を眺める。
「あんまり見ないでください」
「赤面症は治らないねー。そんなところも好みだけど」
 これではいじられているのか、それとも誉められているのかわからない。
唯斗にはからかわれっぱなしだと涼真は思う。
だが不快ではない。
これは距離が縮まったおかげだろうか。
 
「さ、乗って」
 涼真は素直に唯斗の車に乗り込み、シートベルトを締めた。
その姿を見て唯斗が咳払いをする。
「奥ゆかしいなー。助手席においで」
「いいんですか?」
 涼真は改めて助手席に座った。

「隣に若い子を座らせるのは初めてだなー」
「え。いつもは誰が乗っているんですか?」
「部長とかー。偉い人ばっか。運転していてもつまらん」
「これって唯斗さんの車でしょう?」
「そうだけどねー。社用車が足りないから俺だけ自家用車で仕事をしているの」
 唯斗は「行くよー」と言いながら車を発進させた。
その横顔を涼真はじっと見つめている。
「前を向いたら?俺ばかり見ていても何も出ないよ」
「…スリムなスーツ姿が映えますね」
「あれっ。誉めているの?なーんか嬉しいな」
 唯斗は口角を上げて、まんざらでもない表情だ。
涼真はその横顔を見ながら勇気を出して無防備な唯斗の膝に手を伸ばした。

「運転中だからおさわり厳禁」
 唯斗に注意されたが、涼真はこのスーツに隠された蝶々が気になる。
「唯斗さん自身が蝶々みたいにひらひらと捕まえにくいから、蝶々を彫ったんですか?」
「んー、そうでもないけど。あれは趣味だし。だけど俺ってそうなの?捕まえにくい?」
「そうですよ。『好き』って言われても、僕はからかわれてばかりだし」
 涼真が思いのままに話すと、唯斗は「へえー」と唇を尖らせた。
「初めて言われたかも」
「えっ。そうなんですか?」
 涼真が意外そうに声を上げると唯斗が吹き出す。
「俺自身は誰にも捕まりたくないからかわして生きてきたけどね。初めて指摘された」
「…今までの交際が浅かったからじゃないですか?」
「言えてる」
 唯斗はなにやら上機嫌でハンドルをつかみ「とうとう捕まったってわけだ」とつぶやいた。
「離しませんよ?」
「上等だね」
 涼真の啖呵を受けて、唯斗が微笑んだ。
「俺も離れる気はないから」
 
 車は国道を抜けて一路マンションへと急いだ。
「さーて、涼真?今日はどちらの部屋で寝るのかな?」
「唯斗さんの部屋がいいです」
「もう引っ越してきたら?」
「それは…」
 口ごもる涼真に「それは?」と唯斗が聞き返す。

「しばらくは通います。僕だって部屋が必要なんですから」
「へーえ?それでまた俺の部屋を覗くの?」
「しませんよ、そんなことは!」
 唯斗は顔を赤くしながら反論する涼真を見て「あはは」と笑う。
「ま、気が向いたら引越ししてきな。いつでも俺は受け入れちゃうから」
「は、はあ」
 涼真は耳まで熱くなったので顔を見られたくなくてうつむいた。
想いが届いた嬉しさと、もしかしたら数日後には一緒に住むことになる感激で目が潤む。
 あの蝶々を触るまで長かった。
そしてこの気まぐれな蝶々を捕まえるのにも時間がかかった。
しかしようやく気持ちを受け止めてくれたのだ。

「年下と付き合うのも悪くないなー」
 唯斗が涼真をちらりと見て微笑んだ。
「いつまでも初心な感じで、楽しい」
 車はマンションの前まで来た。
唯斗はスムーズに駐車させると「おいで」と涼真を誘った。
涼真がシートベルトを外して唯斗の体にしがみつくと唇が重なった。
 やはり離れたくない。
涼真はそう思いながら唯斗と長いキスをした。


終わり

読んでくださってありがとうございました
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