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「同居人、後輩でもいい?」
6畳2室・キッチン・ダイニング・バス・トイレつきの部屋を1人で独占していた祥軌に、
寮の管理を任されている教師が尋ねたのは、まだ雪が降る3月の頃だった。

「壊れたクーラー、新しいのと交換してくれるならいいですよ」

「それは寮の経費でなんとかするよ。じゃあ、いいんだね?」
念を押す教師に祥軌は「はい」と明るい返事をした。
1人で過ごす時間は自由でいい、
しかし同時になにかぬくもりの無い寂しさを覚え始めていたので歓迎したのだ。

「あの子も、そんなわかりやすい表情をしてくれるといいんだけどねー」
教師はため息をついた。
「あの子・ですか?」
「きみの同居人。無口でさ、何を考えているんだか読ませないんだ」
「はあ」

自分よりも年下なら丁度反抗期だろう。
まあ、表面的でもうまくやっていけばいいやと思った祥軌だが、
桜の花が散る頃には苦戦を強いられる羽目になった。



同居人・コノエは人見知りが激しかったのだ。



初対面からこそこそした挨拶で、すぐに自室へ引きこもり、出てこない。
「あれ?今の子、どんな顔をしていたっけ?」
そう独り言をつぶやくほど、祥軌はコノエの顔をすぐには覚えることができなかった。

「祥軌の同居人、どんな子?」
同級生に聞かれて返答に困り、笑って誤魔化す。
「野良の子猫みたいでさ、近寄らないんだ。すごい警戒ぶり」
すると同級生は目を丸くして声を張る。
「おまえが距離を置かれるなんて珍しい!」

この高校に入学する前から、祥軌は先輩・後輩問わずに好意を持たれて慕われてきた。
それは面倒見がいい長男気質と、空気を読んで人との距離を適度に保つ立ち位置を併せ持つ人柄に、
遊び心か校則無視のピアスと、
親しみやすい印象を与えるブラウン系のミディアムヘアも演出されているのだろう。

コノエは逆だ。
まず、人を避けるので、人もコノエを避ける。
見た目もピアスはしているものの、祥軌とは違い個性的で、なおかつ冷たい印象を与えている。
黒髪のショートも、どこか人とは違う・距離を置きたいというメッセージにすら受け取れる。


「その子にかまいすぎて、うざがられたとか?」
心配する同級生に、祥軌はまた笑ってみせた。
「かまう前に近寄らないんだよ」


そんなコノエ相手だからこそ、祥軌は少しずつ特徴を覚えていく。
靴が重そうな・ひきずるような歩き方、
少し猫背気味な姿勢、
たまに話しかけると言葉を選ぶのか2.3秒黙る癖。
偶然にすすめた缶コーヒーをごくごく飲んだので「あ、コーヒーが好きなのか」と知る。

ようやくコノエが歩み寄ってきたのは、長いゴールデンウイークが終わって、
報道番組も交通渋滞の話をしなくなってからだった。


「学校、キツクないですか?」
いきなり重い話題かと思いながらも、祥軌は「なに、五月病?」と乗ってやる。
「僕、ここ、合わないと思うんです」
「他にやりたい学部とかがあったの?」
「ないです」
これでは会話にならないぞと、祥軌は呆れた。
「いやなことでもあった?」
「特には」

これは会話ではない。
そう思った祥軌の目に、とんでもない光景が飛び込んでくる。

コノエは煙草を持っていたのだ。
「吸ってもいいですか」
おそらく、この部屋に来てから2ヶ月、ずっと我慢していたのだろう。
しかし煙草は20歳になってから・が常識だ。

「煙草はだめ。だけど、俺に対しての敬語はやめていいよ」
「えっ?」
「そのほうが話しやすいんじゃないの?」

祥軌の砕けた言い方は、コノエの心の壁を壊した。


「はー…。助かった。あ、いえ、助かりました」


ようやくコノエの見せた明るい笑い顔に、祥軌はつられて微笑んだ。

「間がもたなくて、キツかったー」
「俺が怖かった?」

「そんなんじゃなくて、その、僕、どう話していいのかわかんないんで」
照れてしまい、頬が熱くなったのか叩いて誤魔化す仕草が祥軌の眼には新鮮に映る。
「年上のおにいさんって、僕、話したことがないから」

「あ、ひとりっこ?」
うん・とばかりに頷くのも照れ隠しに見えてしまう。


コノエは悪い子ではない、むしろ正直すぎて世渡りが下手なのだと祥軌は理解した。
そして同時に、自分にだけ心を許したコノエがかわいいとさえ思い始めていた。


3話へ続きます
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