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夢の中に出てくる人は、なにかしらのメッセージを携えているという。

晴矢は、初めて利玖の夢を見た。
カラフルな色の夢を見る晴矢は、その世界に不似合いな利玖の姿に驚いた。

黒い髪、黒い目。
そして何を考えているのか読ませない微笑。

「ちゃらい」
あの強烈な一言は悪意から生まれたのだろうか。

リップクリームを塗っているらしい唇と、
やたらと至近距離で話す意味がわからない。
自分の器量のよさを知り、それを大いに活用しているのだろうか。

だとしたら手ごわい相手であり、
敵にまわすのは得策ではない。

『こいつはきっと、腹黒い』
そう思い込んだとき、晴矢は目が覚めた。

なんとも瞼が重く、体がだるい。
クーラーをかけて寝ればよかったと思うほど、気温の高い朝だった。




晴矢は朝食を抜き、登校した。
校門をくぐる前に学校手前のコンビニで缶コーヒーを買おうと手を伸ばすと、
「先輩。微糖ですか?取ります」
後輩の期待に満ちた声がする。

コンビニの冷蔵庫から缶コーヒーを取るくらい、
誰でもできる。
しかし、後輩は晴矢を見上げ、目を輝かせている。

「ごめん、俺は…」

「ブラックなんだよね?」

その声に驚いて振り返ると、夢にまで見てしまった利玖が立っていた。

こういうときに同じ背丈というのは罪である、
目線が反らせないのだ。

「なんで、知ってんの?」

素っ頓狂な声を上げた晴矢に「買うのを何度も見たから」とそっけない返事だ。

「キャラメルマキアートでも飲みそうな感じなのに、へーと思って覚えてた」

「どんな思い込み?俺はそんな甘いものは飲まないよ」
夢の中でも蔑まれた相手だ。
晴矢は関わりたくないとばかりに、缶コーヒーを持つとレジへ向かう。

「僕も、ブラックしか飲めないんだ」
追いかけるような声に背中が反応してしまう。

「背も同じ。コーヒーの好みも同じって?」
なんとかこの場を逃げたい晴矢だが「あ、身長が同じって知ってたんだ?」ととぼけられ、
「昨日、あんなに顔を近づけておいて、そのすっとぼけは…」
と言い返してしまい、思わず口を手で覆った。


すっかり聞いていた後輩は「あ、そういうご関係だったんですか」と驚き、
コンビニから逃げるように駆けて行ったのだ。

「あの子、口が軽くて校内で有名なんだよ」
「は?」
「セックスをしなくてよかったね。していたら、目を覆う事態だよ」

利玖は後輩の背中を見据えながらつぶやいた。

「言いまわされるの、いやでしょ?」
「いやだけどさ。よくそういうこと知ってるね」

晴矢は利玖の事情通に舌を巻いた。
それが真実かどうか確かめもせず、信用してしまうあたりがちゃらいのだが。

じきに後輩の姿は見えなくなり、利玖が「そろそろ僕らも行こう」と声をかけた。

いつの間に連れ立っていたのだろうと、晴矢は心が落ち着かない。
気を許した相手では無いので警戒してしまうのだ。

しかし利玖は容赦ない。
缶コーヒーを持つその手をしげしげと見、「指、細いね」とつぶやく。
「前から知ってたけど」
「は?」
どうもそわそわしてしまう、できれば後輩のように逃げ出したい心境だ。


「その財布」
「ん?」
利玖が察したのか、晴矢の財布を指した。

「僕も好きなブランド」
「…あ、そうなの?」

服装に重点を置く晴矢は、この一言で利玖に対する評価が高まった。
「あ、そうなんだ!これ、結構いいよね」
晴矢が嬉しそうに話すと利玖もつられたように笑う。

「1つ持っているけど、違う種類も欲しくなる感じ」
「あ、わかる!」

買った缶コーヒーを片手に連れ立って歩き、校門をくぐる。
ブランドの話を続けたようだが、
妙に浮き足立った晴矢は何を話したか覚えていない有様だ。
好きなブランドのことを話すと気分が高揚するものだ、
晴矢も例外ではない。

だが時間が迫っている。
下駄箱には人が少なく、まもなく始業のベルが鳴ると予想できる。

「急がないとまずい」
慌てて靴を履きかえる晴矢に「まだあと3分ある」と利玖が言う。

「3分じゃ教室まで行って、ギリセーフでしょ」
「そうでもないよ?ネクタイくらい、直してあげるよ?」
「は?」

すると利玖が「しっかり立ってろ」と言いながら晴矢のネクタイを結び直した。
「手間かけさせんな・じゃないの?」
「相手が有明晴矢だから、僕はここまでするんだ」

その言葉の意味が晴矢にはわからない。
返事ができずに唾を飲み込んだ。

「昨日は締めていなかったし。もしかして自分でできない?」
眉を上げる利玖に、晴矢が反論しようと口を開けると、
その隙間に唇を押し付けられた。

どかそうとしても体ごとくっついてきている利玖が容易に離れない。
油断していた両足の間に足を突っ込まれ、
その腿は晴矢の股間を擦って刺激する。

ヤバイ、そう感じた晴矢は首を振る。
しかし頬に利玖の髪が触れ、ぞくりと性欲の高ぶりを覚えてしまう。

脳裏に走るのは夢の中の利玖だ、
「ちゃらい」、たしかにそう言った。


「…時間、ないって、言ってただろ」
ようやく突き飛ばすと、晴矢はそう言い放つ。
「なに、考えてるんだよ?」

「ネクタイくらい、僕がいつでもゆるめてあげる。こうして締めることもできるし」

利玖は不敵な微笑を浮かべると腰に手を当てた。

「実はさ。今朝方、夢を見たんだ。有明晴矢の・ね」


3話へ続きます













あまりにAVすぎたので拍手のお礼のSSを変更しました

…最初からこうしておけよと自分でも思います(だめじゃん
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