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「へえ、なんだか意外だな。晴矢が誘ってくれるんだ?」
「え。そう?」

期末試験の最終日、晴矢は先に教室を出ようとした利玖の隣へ歩み寄り、
週末は遊ばないかと誘ったのだ。

「仲良くなっても一緒に遊びには行かない感じがしたんだけど。ま、そういうことも知ると面白いね」

2人は教室のドアの手前で、
クラスメートの邪魔にならないよう廊下に面した窓の側で話し込んだのだが、
校則違反を繰り返す晴矢とクラスの副委員である利玖の組み合わせは人目を引いた。

晴矢はその視線が気になった。
どう見てもつりあわないと思われていると勘繰っているのだ。

『早く帰れよ、じろじろ見るな』

利玖の指摘どおり晴矢は誰かと週末に遊んだことはない。
もちろん、一般にデートと言われるようなこともしたことがない。
今まで性欲処理なセックスだけ味わい、普通の恋愛を通過してきてしまっていたのだ。

デート未経験の晴矢からしたら、誰かを誘うのは勇気が要る。
しかも相手が利玖だ。
利玖の周りを警戒し始めていたので、余計に自分を奮い立たせての行動だったのだ。

教室で利玖を呼び止めたら人に気付かれる、
しかしそれを避けていては誘えない。

こうして意を決して利玖を誘ったのに晴矢は気が抜けていきそうだ。


「なに見てる?」
視線がさまよう晴矢に、利玖は気付いている。
「僕を人前で誘ったんだから、見られても仕方ないだろ?もっとどーんと構えてろって」

こういうとき、同じ身長だと目が反らせない。
利玖は晴矢の動揺を見透かしたようで、小首を傾げた。

「教育の必要があるね」
「利玖に教わるのか」
晴矢はふと冷静になった。

このままではまたしても利玖のペースになる、
なんとしても自分の思うように巻き込まないと負けてしまうと勘付いた。

「俺は、もう気にしない」
「…その顔」
利玖は嬉しそうに笑うと「真面目な顔もいいものだね、晴矢。それに僕の名前を呼んでるからいい」

晴矢は認められた気がした、
これで週末は一緒に過ごせると早合点した。

「…晴矢。さっきの件だけどごめん、先約があるんだ」
利玖はあっけなく晴矢の誘いを断ってしまった。

「どこか・いくの?」
晴矢は落胆し、カタコトで尋ねてしまう。

「家族で旅行」
利玖は淡々と答え、「じゃ」と片手を振ると晴矢を残して教室を出て行った。

納得のいかない晴矢は窓を少し開け、利玖の行き先を目で追ってしまう。
廊下を進み、階段がある角を曲がり利玖は消えた。

その間、利玖は1度も振り返らなかった。






週末を迎えた晴矢は、1人自宅で晴天の空を恨めしげにベランダから見上げた。

いつもならどう過ごしていたのだろう、
それさえ思い出せないくらいに晴矢はショックを受けたままだ。

誘ってもつれない相手、
そんな利玖が気になって仕方がないのだ。


晴矢はもしかしたら会えるかもしれないと思い、利玖の住むマンションへ向かった。
旅行へいくとは聞いているが、出かける前に少し話ができないかと、
焦がれるような思いを抱えながらの行動だ。

利玖の母親が経営する喫茶店は臨時休業の看板が出ていた。

晴矢はこれを見て安心する自分に驚く。
自分は利玖に会いに来たのではなく確かめにきたのかと、自分を罵った。

人を疑うなど愚かな行為に違いない、
しかし晴矢の脳裏には今も携帯の着信音が響くのだ。


晴矢は利玖のマンションへは行けなかった。
そこまでして出向き、なにを確かめたいのかと、自分が情けなかった。





終業式を迎えた朝、晴矢は利玖をどうしてもつかまえようと焦っていた。

夏休み中に連絡を取る手段がない。
次はいつ会えるのかわからないからだ。

しかしいつもと雰囲気が違うとわかるのか、
それとも単に副委員の雑務があるのか、
利玖は晴矢になかなか声をかけさせる隙さえ与えなかった。


いよいよ下校の時間になる。

晴矢は落ち着かないが、しかし利玖が教室にいない。

担任の手伝いで職員室にファイルを運びに出てから、戻る気配がないのだ。

晴矢がカバンを持ち、職員室へ行くと学年主任の涼川・1人しかおらず、
無言でパソコンのキーを叩いている。

「…何か用か?有明」

「いえ、別に」
晴矢が首を振ると「甘いものは好きか?」と妙なことを聞く。

「週末、ちょっと旅行をしたのだが土産が余っていてね」
差し出されたのはチョコレートクッキーだ。
「明日から夏休みだから置いておくわけにはいかない。処分してくれないか」

それはどこにでもありそうなお菓子だが、晴矢はまさかの思いで涼川を見上げた。

「週末…どちらへ」

「行き先、聞いているのか?」

涼川はクッキーの並んだ箱を机に置くと、腕組みをし、晴矢をまじまじと見た。

「渡す気はないよ、有明」


その声は低く、晴矢の耳に響いた。
外で鳴き続けるセミよりも不愉快な音だった。



9話へ続きます

もうすぐ9月だなあと、本気で悩んでいます

いつも読んでくださってありがとうございます、
少し時間がかかってしまっています、すみません


エロを濃くするのは避けようと思うと書きたくなる
毒を抜きつつ進めよう…


重い話に拍手をいただいて恐縮です、
あたたかいお気持に感謝しつつ、もっと努力しようと思います

またお時間がありましたら遊んでやってくださいませ
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