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2006.06.13 エゴイスト。4
携帯の向こうからしゃくりあげる妻の憤った告白の声に藤井は戦慄を覚えました。

狂気に満ちた樫木先生の契約にいたるまでを知った藤井は怒りました。
安定期とはいえ、重苦しい空気と
それこそ発狂しそうな身重の実央を安心させるには、芝居を打つこと。そして遠くへ引っ越してしまうこと。
藤井は樫木先生に会いました。
契約を締結しました。
芝居を打つつもりで。

数ヵ月後に引っ越した先の病院で実央は出産しました。
元気な男の子でした。
契約を思い出して震える実央に、藤井は
「この子は女の子だったと伝えよう。
樫木の粘質的な性格からして名前を調べるといけないから、
どちらともとれるような名前にしなければ・・。」
子供を守る。
妻も守る。
自分の築こうとする家庭を壊そうとする悪魔を追い払う。
藤井はなるべく静かに、落ち着いて名前を考えようと妻の姿を見つめながら日々を過ごしました。
「実央を助ける・・と言う意味で。実輔にしよう。」
「みほ?」
「これならわかるまい。これで・・ようやくあいつに関わらないで済むんだ・・!」
「男の子なのに・・みほ。かわいそうじゃない?」
「大丈夫。実輔は立派に育てるさ。きみと一緒に。」
これで大丈夫。
ふたりは実輔を見つめながら、ようやく夜が明けたように感じました。



それから18年が過ぎました。
樫木先生は、とっくに「実輔」が男子であることは知っていました。
騙したことを憎むどころか何故か面白がりました。
それは探偵を使って入手した実輔の隠し撮り写真を確認してから。
「・・そっくりじゃないか。実央に!これは・・たいしたものだ。」
あの・・大学で出会ったときの。華のような美しい姿。
意思の強そうな輝きを持った二重の瞳。
艶のある唇。すらりと伸びた手足、華奢な体つき。
「私の望むものだ!」
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