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2006.07.11 エゴイスト。6
かつて自分が愛した女性の顔がそこに生きていました。
少年は写真で見たときよりも、より鮮明に未央の生き写しとわかりました。
「・・藤井実輔くんだね。」
樫木先生は喜びに胸が震えました。

「はい。あなたは?」
声も聞いたことがあるような懐かしさを感じます。
顔が似ているから声も同じに聞こえてしまうのでしょうか。
しかし少年の不審な表情は消えません。
「私は樫木。実輔のご両親の大学時代からの友人だ。」
「うちの親の?」
親のことをよく思わない多感な時期にあるようです。
ますます不審な顔つき、しかもいらだたしそう。
「俺は会ったことがありませんよね。」
「ああ。そうだね。はじめまして実輔。よろしく。」
よろしく・の言葉に深みをもたせるように言いました。
その言い方に気付いたのか、ちらっと視線を送ってきました。

「警戒しすぎだな。知らない人はまず睨めとでも教わっているのか?」
樫木先生はわざと微笑んで聞きました。
「・・俺を知っていて、あったことがないのに・・
何故名前を知ったのですか。
母さんは俺の名前を知る、見知らぬ人間には気をつけろと
俺が幼い頃からずっと言っていた。
あなたは・・本当にうちの親の友人ですか?」
実輔は距離をとりながら睨みをきかせています。
まるで野良猫に威嚇された気分です。
綺麗な顔して、ものすごくガードが固い。

「なるほど。幼い頃からずっとか・・。」
樫木先生は笑い出しそうでした。
自分にそんなに恐れて生きてきたんだ。
ろくな人生送れていないじゃないか。
それみたことか。
自分を捨てるから天罰だ。



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